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読み切り「6.2万円は、上限の話だった」

2026年11月5日のニュースから

駅の裏の小さな美容室。鏡の前の椅子に、珊瑚色のケープをかけた若い男が座る。後ろにハサミを持った女の美容師が立ち、2人は鏡越しに目を合わせる。昼前の窓の光。

乙部の行きつけの美容室の美容師(34)津島 沙苗

文具の卸の会社 営業事務(26)乙部 航平

津島 沙苗:ねえ乙部くん
ちょっとだけ
聞いてもいい?

乙部 航平:いいですよ
前髪は短く
しすぎないでね

津島の顔の寄り。ハサミを止め、鏡越しにスマホの画面を乙部へ向けて、眉を寄せる。昼前の光。

ニュースの見出しiDeCoと企業型DCの拠出上限が12月から月6.2万円

津島 沙苗:私ね
iDeCoを月1万円で
続けてるの

鏡に映った乙部の顔の寄り。ケープから片手を出して、得意げに笑う。

乙部 航平:12月からは
みんな6.2万円まで
入れられるんでしょ

乙部 航平:掛金も
勝手に上がるのかも

津島の胸から上。ハサミとくしを持ったまま手が止まり、目を丸くする。

津島 沙苗:勝手に6.2万円も
引き落とされたら
家計が困るよ

津島の手元の寄り。ワゴンの上でスマホのメッセージを開く指。ワゴンにはくしとクリップ。画面は線と枠だけ。

夫の圭からのメッセージ相手:うちの会社にも、DCの12月の紙が来た相手:夫婦で12.4万円まで?

鏡に映った乙部の顔の寄り。首をかしげ、鏡の中の津島を見る。

乙部 航平:旦那さんの会社の
DCとiDeCoって
別なんですか?

津島の胸から上。ため息をついて、ワゴンからドライヤーを手に取る。

津島 沙苗:それが分からない
から聞いてるの

津島 沙苗:上げるなら
年末までには
決めたいんだ

乙部の顔の寄り。気を取り直して、鏡越しにうなずく。

乙部 航平:図書館の吉住さんに
聞いてきます
調べものの人です

美容室のガラス戸の前。手を振る津島と、駅の方へ歩き出す乙部の後ろ姿。戸の脇に小さな看板。昼の光。

津島 沙苗:夜7時に
店を閉めるから
そのあとでね

読み切り「6.2万円は、上限の話だった」

夕方の
市立図書館

市立図書館 調べもの相談の司書(43)吉住 ふみ

夕方の市立図書館の2階。年金と税の本の棚の前で、分厚い本を抱えた司書の女性が振り向く。切りたての髪の若い男が、スマホを掲げて近づく。窓から傾いた日が差す。

乙部 航平:iDeCoの上限って
12月から誰でも
6.2万円ですよね?

吉住 ふみ:元の発表を
見てみましょう

カウンター横の調べもの用の PC を、2人の背中越しに斜め上から。青く光る画面を司書の指が指し、男は身を乗り出す。画面は線と枠だけ。

2025年の制度改正アドレス:www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2025kaisei.html2025年の制度改正iDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額の引き上げ(2026年12月1日施行予定)

拠出限度額(きょしゅつげんどがく)の解説

現実の事実iDeCo(個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん))や企業型(きぎょうがた)DCに、1か月に出せる掛金の上限です。2026年12月1日から、会社員・公務員(第2号加入者)のiDeCoは、企業年金(きぎょうねんきん)と共通の拠出限度額に一本化され、月額6.2万円に引き上げられます。上がるのは上限で、毎月の掛金が自動で増えるわけではありません。

見出しの「拠出上限」と同じ?
同じものを指しています。厚生労働省の発表の言葉は「拠出限度額」です。

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乙部の顔の寄り。青い光を受けて、画面の1行を目で追い、口の中で字を読む。

乙部 航平:拠出︙︙限度額?
見出しの
上限のことか

司書の胸から上。鉛筆の先で画面の「引き上げ」の行をなぞり、うなずく。

吉住 ふみ:上がるのは
上限だけ

吉住 ふみ:毎月いくら入れるかは
自分で決めます

PC の画面の寄り。青く光る表の4つの行を、司書の鉛筆の先が上から順に指す。表は線と枠だけ。灰色のカーディガンの袖が写る。

iDeCo拠出限度額の引き上げアドレス:www.mhlw.go.jp/content/12500000/001597573.pdfiDeCo拠出限度額の引き上げ第2号加入者(会社員・公務員)企業年金なし 月2.3万円→6.2万円第2号加入者 企業年金あり iDeCo+企業年金等の合計で 月6.2万円第1号加入者(自営業・フリーランス等) 国民年金基金等と合計で 月6.8万円→7.5万円第3号加入者(会社員などに扶養される配偶者) 月2.3万円(変わらない)

第2号加入者(だいにごうかにゅうしゃ)の解説

現実の事実iDeCoの加入者の区分の1つで、会社員や公務員など、厚生年金保険(こうせいねんきんほけん)の被保険者(ひほけんしゃ)(国民年金(こくみんねんきん)の第2号被保険者)です。区分によって上限が違い、2026年12月から、第2号は企業年金(きぎょうねんきん)と合わせて月6.2万円、自営業などの第1号は国民年金基金などと合わせて月7.5万円、会社員などに扶養される配偶者(はいぐうしゃ)の第3号は月2.3万円のままです。

60歳を過ぎても入れる?
2026年12月から、iDeCoに加入できる年齢が70歳未満まで引き上げられます。対象には条件があり、老齢基礎年金(ろうれいきそねんきん)やiDeCoの老齢給付金(ろうれいきゅうふきん)を受け取っていない人などです(厚生労働省・iDeCo公式サイト)。

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乙部の顔の寄り。目を丸くし、画面の一番下の行を指でなぞる。

乙部 航平:え 扶養の配偶者の人は
2.3万円のまま?

司書の胸から上。小さくうなずき、乙部の方へ画面を少し向ける。

吉住 ふみ:6.2万円は
会社員と公務員の
数字なんです

吉住 ふみ:津島さんは
どの区分ですか?

乙部の胸から上。スマホのメモを見返し、思い出すように天井を見る。

乙部 航平:美容室の会社員で
企業年金は
ないって言ってた

乙部の手元の寄り。メモ帳に数字を書き写すペン。線だけ青。字は無く、線と枠だけ。紺のセーターの袖が写る。

〈乙部のメモ〉津島さん(会社員・企業年金なし)今までの上限 月2.3万円12月からの上限 月6.2万円(3.9万円増)今の掛金 月1万円

乙部の顔の寄り。メモを見て、ほっとしたように息をつく。

乙部 航平:津島さんは
6.2万円まで
入れられるんだ

司書の胸から上。画面の別の資料を開き、赤いペンを構える。

吉住 ふみ:では旦那さんの
会社の方も
見ましょうか

厚生労働省の事務連絡の参考資料(令和8年7月13日)アドレス:www.mhlw.go.jp/content/12500000/001723426.pdf令和8年12月1日の制度改正の施行により、企業型DCの拠出限度額について、現行の5.5万円から6.2万円に引き上がる。

企業型(きぎょうがた)DCの解説

現実の事実企業型確定拠出年金のことで、会社が掛金を出し、社員が自分で運用する年金です。2026年12月1日から、企業型DCの拠出限度額(きょしゅつげんどがく)は月5.5万円から6.2万円に引き上がります。企業型DCに入っている人がiDeCoにも入る時は、6.2万円から会社の掛金(事業主(じぎょうぬし)掛金)を引いた残りの範囲で、iDeCoの掛金を出せます。DB(確定給付企業年金(きぎょうねんきん))などにも入っている人は、その他制度掛金相当額も引きます。

会社の上限は、どの会社も上がる?
会社の規約しだいです。厚生労働省の参考資料では、規約で政令を引用している会社は規約を変えずに自動で引き上がり、引き上げを実施しない会社は規約の変更をすると書かれています。勤め先の担当の人に確かめてください。

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乙部の顔の寄り。指を2本立てて、明るく笑う。

乙部 航平:じゃあ夫婦で
12.4万円ですね!

司書の顔の寄り。眉を少し下げ、赤いペンの先で画面の「合計」の字を軽く叩く。

吉住 ふみ:旦那さんの6.2万円は
会社の掛金と
合わせた上限です

厚生労働省「確定拠出年金Q&A」(12月1日から適用)アドレス:www.mhlw.go.jp/content/12500000/001723425.pdf企業型DCの加入者がiDeCoに入る場合、62,000円から企業型DCの事業主掛金を控除した残余の範囲内で掛金を拠出できる

乙部の胸から上。指を折って数えながら、画面と司書を見比べる。

乙部 航平:会社が月3万円なら
iDeCoは
3.2万円まで?

司書の胸から上。うなずいてから、指を1本立てる。

吉住 ふみ:計算の形は
そうなります

吉住 ふみ:ただ会社の上限が
上がるかどうかは
会社の決まりしだい

事務連絡の参考資料アドレス:www.mhlw.go.jp/content/12500000/001723426.pdf規約で政令を引用していれば、規約の変更なしで自動的に引き上がる引き上げを実施しない会社は、規約の拠出限度額を「5.5万円」に変更する

乙部の顔の寄り。思わず身を乗り出し、口をぽかんと開ける。

乙部 航平:上げない会社も
あるんですか!?

司書の顔の寄り。困ったように小さく笑い、首を横に振る。

吉住 ふみ:旦那さんの会社が
どうするかは
私には言い切れません

吉住 ふみ:会社の担当の人に
聞くのが
いちばん確かです

iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)アドレス:www.ideco-koushiki.jp/guide/structure.html掛金は月5,000円から、1,000円単位で自分で決める掛金額は、1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回限り変更することができる

掛金額(かけきんがく)の変更の解説

現実の事実iDeCoの掛金は、月5,000円から1,000円単位で自分で決めます。掛金額は、1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回だけ変えられます。上限が上がっても、今の掛金のままなら毎月の引き落としは変わりません。増やしたい人は、iDeCoを申し込んだ金融機関(きんゆうきかん)(運営管理機関(うんえいかんりきかん))か、オンラインのe-iDeCoで変更を申し込みます。

12月1日に合わせて変えたい時は?
iDeCo公式サイトのお知らせ(2026年11月2日)は、e-iDeCoのメンテナンスが11月30日17時から12月1日8時(予定)で、11月下旬から12月上旬に利用登録が集中するので早めのアカウント作成を、と案内しています。書面での申し込みもでき、期限は各運営管理機関に問い合わせます。

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乙部の顔の寄り。画面の「1回限り」の字を見つめて、はっとする。

乙部 航平:掛金は
勝手に上がるん
じゃなかった︙︙

司書の胸から上。画面のお知らせの欄を開いて、鉛筆の先で日付を指す。

吉住 ふみ:増やしたい人は
掛金の変更を
自分で申し込みます

iDeCo公式サイトのお知らせ(2026年11月2日)アドレス:www.ideco-koushiki.jp/news12月1日より法施行に併せた掛金額変更の申請e-iDeCoのメンテナンス 11月30日17時~12月1日8時(予定)利用登録が集中するので、アカウントはお早めに

乙部の手元の寄り。メモ帳に「1年に1回」と書きかけて、ペンが止まる。字は無く、線と枠だけ。袖が写る。

乙部 航平:1年に1回なら
決めてから
出さないとですね

司書の胸から上。棚から税の本を1冊取り、開いた頁を乙部に見せる。

吉住 ふみ:増やした時に
税がどうなるかも
見ておきましょう

国税庁 タックスアンサー No.1135アドレス:www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象控除できる金額は、その年に支払った掛金の全額

小規模企業共済等掛金控除(しょうきぼきぎょうきょうさいとうかけきんこうじょ)の解説

現実の事実iDeCoの掛金など、決まった共済や年金の掛金を払った時の所得控除です。控除できるのは、その年に払った掛金の全額です。会社員は年末調整の「給与所得者(きゅうよしょとくしゃ)の保険料控除(ほけんりょうこうじょ)申告書(しんこくしょ)」に、払った掛金の証明書(しょうめいしょ)を付けるか見せて受けます。所得税(しょとくぜい)と住民税(じゅうみんぜい)がその分軽くなり、いくら軽くなるかは、その人の税率で違います。

所得のない人も軽くなる?
iDeCo公式サイトは、課税所得(かぜいしょとく)がない人は掛金の所得控除を受けられず、所得控除は本人の所得からだけで、配偶者(はいぐうしゃ)の所得からは控除されないと書いています。

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乙部の手元の寄り。電卓を叩く指と、メモ帳に数字を写す鉛筆。メモは線と枠だけ。

〈乙部の電卓〉掛金を月1万円から2万円にしたら1年で増える掛金 12万円所得税5%+住民税10%の人なら12万円 × 15% = 約1万8,000円(税が軽くなる目安)

乙部の顔の寄り。電卓を掲げて、目を輝かせる。

乙部 航平:1万8千円も!
上げない手は
ないでしょ

司書の顔の寄り。眉を下げ、ゆっくりと首を横に振る。

吉住 ふみ:税率は
人によって違います
あくまで目安です

吉住 ふみ:それに60歳までは
原則として
引き出せません

iDeCoの特徴アドレス:www.ideco-koushiki.jp/guideiDeCoの特徴原則として60歳になるまで、資産を引き出すことはできない60歳以降に老齢給付金を受け取る。額は運用成績により変動する課税所得がない方は、掛金の所得控除は受けられない

老齢給付金(ろうれいきゅうふきん)の解説

現実の事実iDeCoの老齢給付金は、出した掛金と運用益を、老後に年金か一時金で受け取るお金です。老後の資産を作るための制度なので、原則として60歳になるまで、出した掛金と運用益を引き出せません。受け取れる額は運用の成績で変わり、元本を下回る可能性がある商品もあります。手数料(てすうりょう)もかかります(金融機関(きんゆうきかん)によって違います)。

受け取りはいつから?
原則60歳から75歳になるまでの間で選べます。60歳から受け取るには、加入していた期間などが10年以上要ります(iDeCo公式サイト)。

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乙部の胸から上。電卓を下ろし、腕を組んで考えこむ。

乙部 航平:増やした分は
家で使えるお金から
出るんだもんな

司書の胸から上。プリンターから印刷した紙を取り出し、見出しの帯だけ青い紙を揃える。

吉住 ふみ:いくらにするかは
津島さんの家の
判断ですよ

司書が印刷した紙の束を乙部へ差し出す。乙部は片手で受け取り、もう片方の手の黒いファイルに重ねる。夕方の窓の光。

吉住 ふみ:言い切れない所は
言い切らない
のがいいです

吉住 ふみ:決まっている所を
持って帰って

図書館の入口から出る乙部の後ろ姿。紙の束を胸に抱え、暮れかけた街へ足早に歩く。

その夜
閉店後の美容室

閉店後の美容室。照明を半分落とした店内で、ほうきを壁に立てかけた津島が振り向く。ガラス戸を開けて、紙の束を持った乙部が入ってくる。

津島 沙苗:おかえり
それで
うちはどうなるの?

乙部の顔の寄り。昼より落ち着いた顔で、まっすぐ津島を見る。

乙部 航平:6.2万円は
上限の話でした

乙部 航平:掛金は
勝手には
増えません

レジの台の上に3枚の紙を並べた様子を、真上から。見出しの帯だけ青。津島の指が1枚の端に置かれる。字は無い。

〈乙部が刷った紙〉厚生労働省「iDeCo拠出限度額の引き上げ」iDeCo公式サイト「掛金の変更」国税庁「小規模企業共済等掛金控除」

津島の胸から上。紙から顔を上げ、スマホの夫のメッセージを乙部に見せる。

津島 沙苗:夫の会社の分は?
やっぱり
12.4万円?

乙部の胸から上。紙を1枚指さし、少し考えてから話す。

乙部 航平:旦那さんの方は
会社の掛金を
引いた残りです

乙部 航平:会社の上限が
上がるかは
会社の決まりしだい

津島の顔の寄り。口の端がゆるみ、くすっと笑う。

津島 沙苗:そこは
言い切らない
んだね

津島の顔の寄り。ケープをたたむ手を止め、真顔でスマホの家計のアプリを見る。

津島 沙苗:上げるかは
家の口座を見て
夫と決めるね

店のガラス戸の前。紙を胸に抱えた津島が手を振り、乙部が夜の通りへ出る。店の明かりが2人の足元に落ちる。

乙部 航平:変えられるのは
1年に1回ですよ

津島 沙苗:夫にも会社の人に
聞いてもらう

見出しの
「6.2万円」は
上限の話だった

〈この話の決まり〉2026年11月5日時点の、厚生労働省の発表によります。決まりが変わった時は、この話に追記します。

おわり

読み切り「6.2万円は、上限の話だった」

おわり

この物語はフィクションです。美容室・会社・図書館・人物は架空です。制度の説明は2026年11月5日時点の厚生労働省の発表によります。

お気に入りから外しますか?

iDeCoの上限が12月から月6.2万円、うちの掛金も変わる?

この話の番外編、いつもの AI で作れます

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この話で分かること

12月から、iDeCoは誰でも月6.2万円まで入れられる?

いいえ。月6.2万円は、会社員・公務員(第2号加入者)の上限です。2026年12月1日から、第2号のiDeCoは勤め先の企業年金(きぎょうねんきん)の有無による差がなくなり、企業年金と共通の拠出限度額(きょしゅつげんどがく)に一本化されて、月6.2万円に引き上げられます。企業年金のない会社員は月2.3万円から6.2万円になります。自営業やフリーランスなど(第1号)は、iDeCoと国民年金(こくみんねんきん)基金などを合わせて月6.8万円から7.5万円に、会社員などに扶養される配偶者(はいぐうしゃ)(第3号)は月2.3万円のままです。

物語との違い

第2号で企業年金がある人は、iDeCoと企業年金などを合わせて月6.2万円です(次の問い)。このお話は2026年11月5日時点です。

勤め先に企業型(きぎょうがた)DCがある会社員のiDeCoは、いくらまで?

12月1日からは、6.2万円から会社の掛金(企業型DCの事業主(じぎょうぬし)掛金)を引いた残りの範囲です。DB(確定給付企業年金(きぎょうねんきん))などにも入っている人は、その他制度掛金相当額も引きます。例えば会社の掛金が月3万円で、ほかの企業年金がなければ、iDeCoは月3.2万円までです。

物語との違い

例の月3万円は架空の数字です。iDeCoの掛金の最低は月5,000円で、残りがそれより少ないと掛金を出せません。企業型DCで会社の掛金に上乗せするマッチング拠出をしている人は、iDeCoに入れません(iDeCo公式サイト)。

会社の企業型(きぎょうがた)DCの上限も、必ず6.2万円に上がる?

会社の規約しだいです。企業型DCの拠出限度額(きょしゅつげんどがく)は5.5万円から6.2万円に引き上がります。厚生労働省の参考資料では、規約で政令を引用している会社は規約を変えずに自動で引き上がり、引き上げを実施しない会社は、規約の拠出限度額を「5.5万円」とする変更をすると書かれています。

物語との違い

DBなどの他の制度もある会社で、令和6年12月の政令改正の経過措置(けいかそち)を受けている人の上限は、前のとおり2.75万円です。自分の会社がどうするかは、勤め先の担当の人に確かめてください。

12月から、iDeCoの掛金は自動で上がる?

上がりません。上がるのは上限で、毎月の掛金は自分で決めた額のままです。掛金は月5,000円から1,000円単位で決め、変えられるのは1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回だけです。増やしたい人は、iDeCoを申し込んだ金融機関(きんゆうきかん)(運営管理機関(うんえいかんりきかん))か、オンラインのe-iDeCoで掛金額(かけきんがく)の変更を申し込みます。

物語との違い

iDeCo公式サイトのお知らせ(2026年11月2日)では、e-iDeCoのメンテナンスが11月30日17時から12月1日8時(予定)で、11月下旬から12月上旬は利用登録が集中するので、早めのアカウント作成を案内しています。書面での申し込みの期限は、各運営管理機関に問い合わせます。

掛金を月1万円から2万円に増やすと、税はいくら軽くなる?

目安で年約1万8,000円です。iDeCoの掛金は、その年に払った全額が小規模企業共済等掛金控除(しょうきぼきぎょうきょうさいとうかけきんこうじょ)になります。1年で増える掛金は12万円で、所得税(しょとくぜい)の税率が5%、住民税(じゅうみんぜい)の所得割が10%の人なら、12万円×15%で約1万8,000円、税が軽くなる目安です。

物語との違い

所得税の税率は5%から45%までの7段階で、人によって違います。復興特別所得税(ふっこうとくべつしょとくぜい)は入れていません。課税所得(かぜいしょとく)がない人は控除を受けられません。iDeCoに出したお金は原則60歳まで引き出せず、元本を下回る商品もあり、手数料(てすうりょう)もかかります。掛金をいくらにするかは、家計に合わせて決めます。

この話の用語

拠出限度額(きょしゅつげんどがく)漫画の中で見る
現実の事実iDeCo(個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん))や企業型(きぎょうがた)DCに、1か月に出せる掛金の上限です。2026年12月1日から、会社員・公務員(第2号加入者)のiDeCoは、企業年金(きぎょうねんきん)と共通の拠出限度額に一本化され、月額6.2万円に引き上げられます。上がるのは上限で、毎月の掛金が自動で増えるわけではありません。
第2号加入者(だいにごうかにゅうしゃ)漫画の中で見る
現実の事実iDeCoの加入者の区分の1つで、会社員や公務員など、厚生年金保険(こうせいねんきんほけん)の被保険者(ひほけんしゃ)(国民年金(こくみんねんきん)の第2号被保険者)です。区分によって上限が違い、2026年12月から、第2号は企業年金(きぎょうねんきん)と合わせて月6.2万円、自営業などの第1号は国民年金基金などと合わせて月7.5万円、会社員などに扶養される配偶者(はいぐうしゃ)の第3号は月2.3万円のままです。
企業型(きぎょうがた)DC漫画の中で見る
現実の事実企業型確定拠出年金のことで、会社が掛金を出し、社員が自分で運用する年金です。2026年12月1日から、企業型DCの拠出限度額(きょしゅつげんどがく)は月5.5万円から6.2万円に引き上がります。企業型DCに入っている人がiDeCoにも入る時は、6.2万円から会社の掛金(事業主(じぎょうぬし)掛金)を引いた残りの範囲で、iDeCoの掛金を出せます。DB(確定給付企業年金(きぎょうねんきん))などにも入っている人は、その他制度掛金相当額も引きます。
掛金額(かけきんがく)の変更漫画の中で見る
現実の事実iDeCoの掛金は、月5,000円から1,000円単位で自分で決めます。掛金額は、1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回だけ変えられます。上限が上がっても、今の掛金のままなら毎月の引き落としは変わりません。増やしたい人は、iDeCoを申し込んだ金融機関(きんゆうきかん)(運営管理機関(うんえいかんりきかん))か、オンラインのe-iDeCoで変更を申し込みます。
小規模企業共済等掛金控除(しょうきぼきぎょうきょうさいとうかけきんこうじょ)漫画の中で見る
現実の事実iDeCoの掛金など、決まった共済や年金の掛金を払った時の所得控除です。控除できるのは、その年に払った掛金の全額です。会社員は年末調整の「給与所得者(きゅうよしょとくしゃ)の保険料控除(ほけんりょうこうじょ)申告書(しんこくしょ)」に、払った掛金の証明書(しょうめいしょ)を付けるか見せて受けます。所得税(しょとくぜい)と住民税(じゅうみんぜい)がその分軽くなり、いくら軽くなるかは、その人の税率で違います。
老齢給付金(ろうれいきゅうふきん)漫画の中で見る
現実の事実iDeCoの老齢給付金は、出した掛金と運用益を、老後に年金か一時金で受け取るお金です。老後の資産を作るための制度なので、原則として60歳になるまで、出した掛金と運用益を引き出せません。受け取れる額は運用の成績で変わり、元本を下回る可能性がある商品もあります。手数料(てすうりょう)もかかります(金融機関(きんゆうきかん)によって違います)。

出典

更新日:

この先が気になるあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

この話の番外編、いつもの AI で作ってみてください。

  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選ぶ
  2. 2AI が開く設定とあらすじが入る
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示を相談
例:AI との相談

あなた津島さんが家で夫と話す場面を考えたい

AI夜の台所のテーブルに、乙部が刷った紙と家計のアプリを並べ、「上限の話」「うちの掛金の話」「夫の会社の話」に分けて話す形にできます。決めるのは掛金の額だけで、会社の分は夫が会社に聞く、と分けます。

あなた夫が言いそうな一言を

AI夫「会社の紙、ちゃんと読んでなかった。担当の人に、うちは上がるのか聞いてみる」。

送る質問あらすじを踏まえて、この話の番外編を一緒に考えて

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この話のあらすじ

ある土曜の昼前、文具の卸の会社の営業事務2年目の乙部 航平は、行きつけの美容室で美容師の津島 沙苗に、ニュースの見出し「iDeCoと企業型(きぎょうがた)DCの拠出上限が12月から月6.2万円」を見せられる。津島はiDeCoを月1万円で続けている。乙部は「みんな6.2万円まで入れられる。掛金も勝手に上がるのかも」と答え、津島は困ってしまう。図書館の司書の吉住 ふみと厚生労働省の発表を読むと、上がるのは拠出限度額(きょしゅつげんどがく)という上限で、2026年12月1日から、会社員・公務員(第2号加入者)のiDeCoは企業年金(きぎょうねんきん)と共通の上限に一本化され、月6.2万円になる。企業年金のない津島は月2.3万円から6.2万円へ。自営業などの第1号は月7.5万円、会社員などに扶養される配偶者(はいぐうしゃ)の第3号は月2.3万円のまま。夫の会社の企業型DCの上限は5.5万円から6.2万円に引き上がるが、上がるかは会社の規約しだいで、夫のiDeCoは6.2万円から会社の掛金を引いた残りになる。iDeCoの掛金は自分で決め、変えられるのは1年に1回。増やした掛金は全額が所得控除になるが、税が軽くなる額は人ごとの目安で、60歳までは原則として引き出せない。決まっている所だけを持ち帰り、その夜、乙部は閉店後の美容室で津島に伝える。

作者

漫画でわかるニュース

仕事と暮らしに関わるニュースを、1つの話の読み切りの漫画にしています。トゥーンエルのニュース編集部が作っています(運営・編集はトゥーンエル編集部)。

この作品について

ニュースの見出しの「iDeCoと企業型DCの拠出上限が12月から月6.2万円」を、厚生労働省の発表とiDeCo公式サイトで読み解く読み切り。2026年12月1日から、会社員・公務員のiDeCoは企業年金と合わせて月6.2万円が上限に。区分ごとの上限、企業型DCとの合計、掛金を変える手続き、税の目安までが、物語の流れで分かります。

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