夜10時、町の内科の奥の部屋で、院長はまだ紹介状を手で書いている。「AI に下書きさせれば5分」と言う甥の蒼介に、受付で12年働く医療事務の多恵は聞き返す。「患者さんの情報を、外に出すんですか」。翌週、蒼介が奥の棚に置いたのは、ネットにつながらない AI の箱だった。AI は下書きだけ、決めるのは人。患者の情報を外に出さずに、事務の山を片づけられるかを描くお仕事コメディ。
診療所で生成 AI を事務に使う時の患者の情報の扱い、入れてしまった時の報告、ローカル LLM の良い所と弱い所を、個人情報保護委員会・厚生労働省の資料と法令(e-Gov)で確かめて描いています(確かめた出典は各話の解説に)。作中の診療所・人物・AI の箱は架空で、実在の製品・医療機関を示す物ではありません。作中の AI は文書の下書き・院内の決まりの検索・電話のメモの要約だけに使い、診断・治療・薬の判断には使いません。体のこと・受診のことは医師や医療機関に、AI の導入の判断は各医療機関の決まりと専門家に確かめてください。