

タクシー会社・配車センターの配車係(34歳)真柴 千景
千景:駅の北口︑空車ゼロ︒
南の車庫から
3台︑回して!
雨の夜は︑
誰もが車を呼ぶ︒
走っている車の数は︑
晴れの夜と同じなのに︒



灰馬組・帳付けi(前世:タクシー会社の配車係)チカ

灰馬組・組頭ベルタ
ベルタ:チカ︑帳面は閉じな︒
今夜も︑
客は来やしないよ︒

灰馬組・御者i(流し25年)ガロ
ガロ:市場を3周した︒
客なんか︑
一人も歩いちゃいねえ︒

〈配車盤i〉を開きます登録:灰馬組 6台空車 6 実車 0 迎車 0
〈配車盤〉は、今と過去だけを映す。先のことは、映さない。
【灰馬組 乗車の記録(過去30日)】雨の日は、六の鐘iから九の鐘の乗車が一日の半分行き先:東門が7割
閉門iは︑夜の九の鐘︒
壁の外の外町に
住む人は︑それまでに
門を出なければならない︒

チカ:ガロさん︑
市場じゃない︒
劇場の裏口と︑
大神殿の階段へ︒

チカ:雨だと︑歩いて
帰れない人が出ます︒
閉門の前の一刻は︑
みんな同じ方向へ動く︒
チカ:客は︑流して
探すんじゃない︒
出てくる所で︑
待つんです︒
需要の山(記録からの見立て)八の鐘〜九の鐘 劇場・大神殿 → 東門雨:歩く人が減り、馬車を呼ぶ人が増える台数:晴れの日と同じ6台




九の鐘が鳴るまでに︑
6台は2度ずつ︑
東門を往復した︒

チカ:記録です︒
雨と︑閉門︒
客が出る時間と場所は︑
毎回︑だいたい同じ︒

御者ギルド 通達実車率が3割に満たない組は、月末をもって営業札を返すこと。

空車の王都 〜転生配車係は、馬車を空で走らせない〜
第1話「雨の閉門前」終