第1話「63枚の付箋」
この作品には、D株式会社

瀬名川食品 経理部
瀬名川食品
経理部
月末の朝

この電卓で
30年

奈良橋 修:碓井さん
ちょっといいかな
瀬名川食品 常務

奈良橋 修:来年の春から
経理の仕事は
システムで自動にする
奈良橋 修:請求書の読み取りも
仕訳も

碓井 和子:︙︙経理部は

奈良橋 修:経理部としては
なくなる
奈良橋 修:ただ
碓井さんには
残ってほしい
奈良橋 修:その前に
AIの研修を
受けてきてくれないか

社内の

碓井 和子:54で
AI︙︙
正直
怖い
碓井 和子:辞めろって
ことかな

研修の初日
受講者12人で
私がいちばん年上︙︙

瀬名川食品 営業部
帆高 湊斗:碓井さん
パソコンは?
碓井 和子:筆記用具って
書いてあったから

帆高 湊斗:え

都築 亘:皆さんの仕事を
全部
付箋に書き出してください
都築 亘:1枚に
1つずつ

碓井 和子:え 全部︙︙?

帆高 湊斗:終わりました
「営業」「会議」︙︙
5枚
都築 亘:「営業」を
1枚にしないで
都築 亘:電話をかける
見積もりを作る
もっと細かく

碓井さんの


帆高 湊斗:碓井さん
それ
何枚目ですか

碓井 和子:︙︙40
碓井 和子:30年分の仕事って
こんなに
細かかったっけ

都築 亘:書いた付箋を
前のボードに
貼ってください

帆高 湊斗:うわ
63枚︙︙!

都築 亘:AIに
任せられそうな仕事と
人が持つ仕事
都築 亘:今日
丸を付けるのは
片方だけです

碓井 和子:任せる方に
丸だ
碓井 和子:半分より多く
持っていかれる



丸が付いたのは
AIに任せない方の
仕事だった

碓井 和子:えっ
こっちに
丸?

都築 亘:任せる方の58枚は
明日
AIと一緒に分けます
都築 亘:今日決めたのは
碓井さんが
持つ方です

帆高 湊斗:僕のには
丸 無いんですけど
都築 亘:帆高さんは
まず
枚数を増やしましょう

午後7時
63枚のうち
丸は5枚


碓井 和子:5枚しか
残らないのか
碓井 和子:5枚も
残るのか

明日は
残りの58枚を
AIに渡す日だった

つづく
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