第1話「答えの、元」
この作品には、D株式会社

朝凪工務店 事務
創業48年 朝凪工務店
土曜の朝
檜山 ハツ(電話の声):陽菜ちゃん?
檜山 ハツ(電話の声):あんたんとこ
まだやってたの?

東雲 陽菜:え?
東雲 陽菜:やってますよ
檜山さん

朝凪工務店の
檜山 ハツ(電話の声):孫がね
スマホのAIに
聞いてくれたのよ

檜山 ハツ(電話の声):朝凪さんは
もう閉めたって

東雲 陽菜:︙︙閉めた?
檜山 ハツ(電話の声):だから
隣町の工務店さんに
見積もり頼んじゃった
檜山 ハツ(電話の声):ごめんねえ

48年も
屋根を直してきた
家なのに︙︙

質問:朝凪工務店は、

東雲 陽菜:廃業︙︙

東雲 修:なんだ
朝から
朝凪工務店 社長

東雲 陽菜:お父さん
東雲 陽菜:AIが
うち廃業したって

東雲 修:AIなんぞ
放っとけ
東雲 修:うちは
紹介で回ってる

その紹介の人が
今は
AIに聞いてるのに
浴室の改修を頼まれた
牧瀬さんの家

牧瀬 一颯:母が
朝凪さんじゃなきゃ
嫌だって

東雲 陽菜:︙︙ありがとう
ございます

牧瀬 一颯:何か
ありました?

東雲 陽菜:AIに聞いたら
東雲 陽菜:うち
廃業してるって

牧瀬 一颯:その答え
牧瀬 一颯:どこから持ってきたって
書いてあります?

東雲 陽菜:え 下に
リンクが3つ︙︙
牧瀬 一颯:ネットにある字を
集めて
答えを組み立てるんです

東雲 陽菜:じゃあ
誰かが
うちが廃業したって
書いたの?

牧瀬 一颯:書いた人は
たぶん
嘘はついてないです
東雲 修:陽菜!
寸法
書いとけ

牧瀬 一颯:直るとは
言えないですけど
牧瀬 一颯:元は
たどれます


その夜

1つ目の

東雲 陽菜:8年前の
引っ越しの記事︙︙
東雲 陽菜:終わったのは
前の事務所なのに

東雲 陽菜:引っ越した時
東雲 陽菜:新しい住所
誰も
足してない︙︙

3つ目の

AIの

AIは
見つけた字で答えた

おじいちゃんが
建てた家も
お父さんが
直した家も
写真の中にしか
無い


廃業どころか
名前も
出ない

48年分を
どこに
何と書く?
つづく
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