第5話「死亡届は、七日以内」

少し戻って︑
土曜の午後︒
5頁目を開く前︒
市役所は︑
閉まっていた︒
柏木:死亡届は
土日も 横の窓口で
預かってくれます
柏木:届書を持っていくのは
僕が代わりに
することも
多いんですけど
小春:自分で
出したいです
︙︙喪主なので


死亡届死亡した人 篠原 守届出人の資格 同居していない親族届出人 篠原 小春(長女)

死亡診断書(医師の記入)死亡したとき 午前2時50分
小春:2時50分

小春:私は
寝てた
次の日の
進行表の夢を
見てた
父の葬儀は、父が仕切る
第5話「死亡届は、七日以内」

職員:お預かりします
︙︙はい
不備はありません


火葬許可証死亡した人 篠原 守火葬の場所 市営斎場市長
柏木:これが無いと
斎場は
火葬ができません
月曜に
斎場に出します

小春:柏木さん
父って
仕事を休む人
でした?

柏木:︙︙一度も
いや
毎年
11月の頭だけ
早く上がってました
柏木:理由は
誰にも
あの守さんが
仕事を
休むなんて
小春:運動会には
来なかったのに

勝:おう 帰ったか!
受付の名簿
作っといたぞ!

勝:町内会 漁協
小学校の同級生
兄貴が送った家の
息子と娘
︙︙280人だ
小春:叔父さん
それ 家族葬︙︙
勝:お別れの時間に
来る分だ!
焼香だけだ!
断るなって
書いてあったろ!
小春:︙︙父の弟だ
間違いなく
その夜︑5頁目に
「宮下」の名前が
出てきた︒
日曜の朝︒
台所で︑
母が待っていた︒

小春:お母さん
宮下さんのこと

澄江:︙︙毎年ね
11月3日だけ
お父さん
帰りが遅かったの
澄江:20年
一度も
聞けなかった
聞いたら
何か終わる気がして

澄江:「宮下」って
お父さんの寝言で
一回だけ
聞いたことがある
父の背広の
内ポケットから︑
小さな黒い手帳が
出てきた︒

父の手帳11月3日 宮下

引き出しの手帳は︑
20冊︒
どの年の
11月3日にも︑
同じ名前があった︒

小春:通夜は 今夜
宮下さんは
来る
小春:お父さん
通すよ
――でも
話は聞く
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AI小春「火葬まで、最短で何時間?」。絵:父の枕元の小さな机、段取り帳の横に小春のノート。
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