第6話「元の理由」

志摩 剛:朝の45分が
夕方には
1時間15分か
しまかぜ航空・
羽村 千早:最終便
38人︙︙
184便

志摩 剛:15分なら
空港の方を
延ばすか
羽村 千早:えっ
空港を?
最終便、欠航です。
第6話

滝:本社の画面に
そんな欄
無いです
志摩 剛:羽村
カウンターは
お前が持て
羽村 千早:え 私1人で︙︙

志摩 剛:38人に
決まる前に
言っとけ
志摩 剛:理由もだ
お前が言え

羽村 千早:理由は
私が言う
出発の
2時間半前︒

羽村 千早:184便の
お客様
飛べないかも
しれません

岩佐 宗一郎:月に2回来て
2回止まるのか

島の
宮前 陸:あの
飛ばなかったら
ホテル代は︙︙
宮前 陸:僕 財布に
3千円しか

羽村 千早:機材の理由なら
あの雨の夜︑
そう言い直した︒

羽村 千早(回想の声):ご宿泊は
会社で手配
しますから!

羽村 千早:機材繰りは
会社の
理由です
羽村 千早:ホテル代は
会社が
持ちます!

宮前 陸:よかった︙︙

岩佐 宗一郎:言い切るのは
︙︙悪くない
出張の

宿を探しかけた客が︑
スマホをしまって︑
椅子に戻った︒
日が落ちる頃︑
無線が鳴った︒


志摩 剛(電話の声):羽村
20時まで
延びたぞ
七浦島空港
羽村 千早:延びた︙︙!

滝:19時45分なら
飛ばせます!
千早が
事務所へ戻ると︑
滝の指が
止まっていた︒

滝:187便が
まだ本土を
出ていません
184便

18時52分︑
欠航が決まった︒

羽村 千早:でも
ホテル代は
会社なので
宿の手配を

志摩 剛:羽村
志摩 剛:理由は?

羽村 千早:機材繰りです

志摩 剛:その元は?
羽村 千早:︙︙元?

元の理由
志摩 剛:機材繰りは
理由じゃない
志摩 剛:前の便から
来たって
印だ

羽村 千早:あ︙︙
霧︙︙
混雑︙︙

あの夜は︑
出ないと言って︑
出た︒
今夜は︑
出ると言って︑
出ない︒

羽村 千早:私 38人に
言いました︙︙
島の
「会社が持つ」と
言わなければ︑
宿を探せていた︒

志摩 剛:俺が
言ってくる
羽村 千早:いえ
私が
言いました

今夜は︑
走って行く先が
なかった︒
みんな︑目の前にいた︒

羽村 千早:さっきの
ご案内は
間違いです
羽村 千早:ホテル代は
お客様の
ご負担に
なります

客:会社が
持つって
言っただろう!

宮前 陸:大丈夫です
ベンチで
寝ますから
「大丈夫です」と
言う人ほど︑
大丈夫ではなかった︒

岩佐 宗一郎:2度目だぞ
言い直すのは
岩佐 宗一郎:︙︙最初から
確かめて言え

客:それで
ほんとの理由は
何なの

羽村 千早:も︙︙
申し訳
ございません
理由は︑
もう言えなかった︒


この1時間で︑
38人に︑
同じ事を言った︒
つづく
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