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読み切り「入社初日」

朝の四国中央市を高い所から見下ろす。手前に山の緑、町の向こうに製紙工場の煙突と瀬戸内の海。

紙のまち︑
四国中央市︒

紙のまちの解説

現実の事実愛媛県四国中央市は、市の公式サイトで「日本一の紙のまち」と名乗る、製紙と紙加工の町です。手すき和紙も市の特産品の1つで、書道パフォーマンス甲子園の開催地でもあります。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

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ここで生まれて︑
20年︒

何の紙を
作っているのか︑
私は知らない︒

小さな会社の入口の前。リュックを背負い、首から入館証を下げた女子大学生が、ドアに手を伸ばしかけて止まり、肩で息を吸う。

大学3年・インターン生ミカ(仮名)

ミカ:会社って
どんな場所?

読み切り「入社初日」

通販の運用代行の担当桐山 陽介

明るい小さな事務所。先輩の男性がノートパソコンをくるりと回して見せ、向かいのミカが身を乗り出してのぞきこむ。

桐山 陽介:はい
ここが
今日からの現場ね

ミカ:え パソコン︙︙
ですよね?

ひだまり紙店 オンラインショップひだまり紙店 オンラインショップ手すき半紙はじめての筆セット便せん・封筒

桐山 陽介:紙のお店の
ネットの売り場
なんだよ

桐山の胸から上の寄り。ノートパソコンの縁に片手を置き、もう片手で画面を軽く示して、右にいるミカへ楽しそうに話す。

桐山 陽介:お店の人は
紙を作るので
手いっぱいでしょ

桐山 陽介:だから売り場は
うちが丸ごと預かる
通販の運用代行

通販の運用代行(うんようだいこう)の解説

現実の事実ネットショップの商品の登録やページの更新、売り方の改善などを、お店に代わって引き受ける仕事です。どこまで任せるか(出荷や問い合わせの対応を含むか)は、会社とサービスごとに違います。

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机の上のスマホの画面が光る。その奥でミカの肩がびくっと跳ね、目が丸くなる。

ピコン

ひだまり紙店新しいご注文手すき半紙 1束お届け先:北海道

ミカ:北海道!?

ミカの顔の寄り。目がまん丸で、片方の眉が跳ね上がり、口が開いている。

ミカ:え︑いま
知らない人が
四国の紙を?

桐山の寄り。頬杖をついて右下のスマホを見て、静かにうれしそうに笑っている。

桐山 陽介:これ
何回見ても
ちょっと
うれしいんだよね

桐山 陽介:じゃ
最初の仕事

桐山 陽介:この半紙の説明文
書いてみて

桐山が新しい半紙の束を机に置き、空欄の商品ページを指さす。ミカは姿勢を正して画面を見る。
ノートパソコンに向かうミカ。指が軽やかにキーを打ち、口の端が得意そうに上がる。半紙の束は袋に入ったまま、机の隅にある。

商品の説明伝統の技が息づく、上質な手すき半紙です。

ミカの顔の寄り。あごを少し上げ、片方の眉を上げて、口の端で得意そうに笑っている。

ミカ:よし
自己PRで鍛えた
文章力

自己(じこ)PRの解説

現実の事実就職活動(しゅうしょくかつどう)で、自分の強みや経験を、応募先の会社に向けて伝える文や話のことです。エントリーシートや面接で求められます。

この言葉の疑問、いつもの AI に

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桐山 陽介:うん
きれいだね

桐山 陽介:で どんな紙?

ミカの肩越しに、画面を読む桐山。あごに手を当て、困ったように少し笑っている。
ミカの顔の寄り。作り笑いの口の端が固まり、目がそれていく。頬に汗が1滴。

ミカ:え 上質な︙︙
紙です

桐山 陽介:触った?

机の隅の、袋に入ったままの半紙の束。右から桐山の手が入り、人差し指で袋を軽く叩く。
ミカの顔の大写し。顔に驚きの縦線が掛かり、目が泳いで、口が半開きで止まっている。肩越しに袋のままの半紙の束が見える。

ミカ:︙︙
触ってない

古いガラス戸の紙のお店の中。木の棚に紙の束が積まれ、奥の作業台に白い紙が重なる。桐山とミカが入口から入ってくる。

2日目︒

お店に入ると︑
紙のにおいがした︒

ひだまり紙店 店主日高 ふみ

前掛けに老眼鏡の年配の女性が、作業台で紙の束をそろえながら顔を上げる。手前でミカが手帳を両手で差し出すように開いている。

ミカ:あのっ
質問を20個
考えてきました!

日高 ふみ:ほうね

作業台の手元。日高のしわのある手が右から筆を差し出し、左でミカの手が手帳を持ったまま止まる。

日高 ふみ:ほんなら
まず書いてみ

作業台の上に広げた半紙と硯。ミカが筆を固く握りしめ、肩に力が入っている。向かいから店主が腕を組んで見ている。

ミカ:筆なんて
小学校以来
なんですけど︙︙

作業台の半紙の上を、ミカの袖と手が筆を横に運んでいる途中。墨の線が一本、にじまずにすっと伸びている。

スッ

ミカ:あれ

ミカの顔の寄り。目が大きく開いて口が笑いの形に開く、自分でも信じられない顔。

ミカ:え︑私
きれいに
書けてる!?

日高 ふみ:にじみにくいけん
線がきれいに
出るんよ

店主が目尻にしわを寄せて笑い、半紙を一枚、光にかざして見せる。ミカは筆を持ったまま、その紙を見上げている。

日高 ふみ:はじめての子が
「きれいに書けた!」
言うて喜ぶ紙なんよ

日高の顔の寄り。目尻のしわを深くした小さな笑み。誇らしさと、長く作ってきた人の静けさ。

日高 ふみ:習字
嫌いに
ならんように
作っとるんよ

ミカ:20個の質問より
今の一本だ

作業台の端で開いた手帳。びっしり書いた質問の列の余白に、ミカの手がペンを走らせている。後ろに半紙の束と店主の前掛けの端。

「上質」なんて︑
誰にも聞こえてなかった︒

手すき和紙の解説

現実の事実紙の原料を水に溶かし、すき枠ですくって1枚ずつ作る和紙です。四国中央市でも、手すき和紙が特産品の1つに挙げられています。ひだまり紙店は架空のお店です。

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夕方の事務所。ミカがキーを打ち終えた手を止めて画面を見つめ、横に椅子を寄せた桐山が同じ画面を読む。窓から夕日。

最終日︒

商品の説明はじめての筆でも、線がきれいに出る半紙です。習字を嫌いにならないように、紙のまちで作っています。

桐山の顔の寄り。眼鏡の奥で目を細め、口元が少しゆるむ。夕日。

桐山 陽介:︙︙うん

桐山 陽介:買う人に
聞こえる

ミカの顔の寄り。頬を赤くして照れ笑いし、片手で後ろ髪を触る。夕日。

ミカ:え︑えへへ︙︙

桐山 陽介:そうだ
この話
マンガになるらしいよ

事務所の窓辺。ミカが修了の認定証を両手で持ち、はにかむ。桐山が小さく拍手している。

ミカ:顔出しですか!?

ミカの顔の寄り。目が丸く、口を大きく開け、認定証を胸に抱えて身を乗り出す。

桐山 陽介:仮名だし
顔も出ないって

2人の胸から上。桐山が困ったように笑って片手を上げ、ミカは斜め上を見てあごに指を当て、澄ました顔で考える。

ミカ:じゃあ︙︙
背は高めで

夕暮れの事務所の机。手前でスマホの画面が光り、その奥でミカが息をのんで画面を見る。窓の向こうに紙の町の灯り。

ピコン

ひだまり紙店新しいご注文手すき半紙 1束ご注文のメモ:孫が、はじめて習字をします

夕暮れの紙のまち。灯り始めた家の窓、遠くに工場の煙突の影と暗くなった海。

知らない町の︑
知らない子の︑
はじめての一本︒

会社って︑
こういう場所だった︒

半年後︒

面接室。就活のスーツのミカの肩越しに、机の向こうの面接官が手元の紙から顔を上げる。ミカの目がはっと開く。

面接官:学生時代に
力を入れたことは?

ミカの顔の寄り。片目がはっと開いて光を受け、口の端が上がり始める。

ミカ:それ
私が
体験したやつだ!

ミカ:インターンで
半紙を触らずに
説明文を書きました

面接室を横から。ミカが面接官を見て話しながら、親指と人差し指の先をそっとこすり合わせる。面接官は手元の紙から顔を上げ、少し身を乗り出す。

面接官:︙︙触らずに?

インターンシップの解説

現実の事実学生が職場で就業体験をして、自分の能力や仕事との相性を確かめる取組です。2022年の文部科学省(もんぶかがくしょう)・厚生労働省・経済産業省の合意で、就業体験が必須の取組をインターンシップと呼ぶことになりました。就業体験のない説明会などはオープン・カンパニーと呼びます。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

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読み切り「入社初日」

おわり

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

お気に入りから外しますか?

私のインターン物語

この話の番外編、いつもの AI で作れます

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この話の感想・こうなったらいい

感想や「こういう展開が読みたい」をお送りください。編集部の励みになります。いただいた声は、お名前を出さずに、作品の紹介(レビュー)として使わせていただくことがあります。

この話で分かること

インターンシップとは?

学生が企業などの職場で就業体験をして、自分の能力や仕事との相性を確かめる取組です。2022年の文部科学省(もんぶかがくしょう)・厚生労働省・経済産業省の合意で、学生のキャリア形成支援の取組は4つに分けられ、就業体験が必須のタイプ3・タイプ4を「インターンシップ」と呼ぶことになりました。

条件・例外

タイプ3のうち汎用能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上が基準です。就業体験を必須としない企業説明会などは「オープン・カンパニー」と呼び、インターンシップとは称しません。

物語との違い

この話は数日間の体験を短くまとめて描いています。

通販の運用代行(うんようだいこう)とは?

ネットショップの商品の登録やページの更新、売り方の改善などを、お店に代わって引き受ける仕事です。お店は商品づくりに時間を使えます。

条件・例外

どこまで任せるか(出荷・問い合わせの対応を含むか)は、会社とサービスごとに違います。

この話の用語

紙のまち漫画の中で見る
現実の事実愛媛県四国中央市は、市の公式サイトで「日本一の紙のまち」と名乗る、製紙と紙加工の町です。手すき和紙も市の特産品の1つで、書道パフォーマンス甲子園の開催地でもあります。
通販の運用代行(うんようだいこう)漫画の中で見る
現実の事実ネットショップの商品の登録やページの更新、売り方の改善などを、お店に代わって引き受ける仕事です。どこまで任せるか(出荷や問い合わせの対応を含むか)は、会社とサービスごとに違います。
自己(じこ)PR漫画の中で見る
現実の事実就職活動(しゅうしょくかつどう)で、自分の強みや経験を、応募先の会社に向けて伝える文や話のことです。エントリーシートや面接で求められます。
手すき和紙漫画の中で見る
現実の事実紙の原料を水に溶かし、すき枠ですくって1枚ずつ作る和紙です。四国中央市でも、手すき和紙が特産品の1つに挙げられています。ひだまり紙店は架空のお店です。
インターンシップ漫画の中で見る
現実の事実学生が職場で就業体験をして、自分の能力や仕事との相性を確かめる取組です。2022年の文部科学省(もんぶかがくしょう)・厚生労働省・経済産業省の合意で、就業体験が必須の取組をインターンシップと呼ぶことになりました。就業体験のない説明会などはオープン・カンパニーと呼びます。

出典

更新日:

この先が気になるあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

この話の番外編、いつもの AI で作ってみてください。

  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選ぶ
  2. 2AI が開く設定とあらすじが入る
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示を相談
例:AI との相談

あなたミカが面接で、インターンの話をする場面を考えたい

AI面接官に「力を入れたことは?」と聞かれたミカが、きれいな言葉を飲み込んで、墨の一本線の話から始める形にすると、この話の「聞こえる言葉」が生きます。

あなたそのミカの、最初の一言を

AIミカ「『上質な紙』って書いて、怒られなかったのが一番こわかったんです」

送る質問あらすじを踏まえて、この話の番外編を一緒に考えて

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AI の答えは、作品の公式の番外編ではありません。作った物を出す時は、利用ガイドを見てください。

この先のこと、自分のこと、いつもの AI に聞いてみてください。

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたあとに貼り付けてください。

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この話のあらすじ

四国中央市で生まれ育った大学3年のミカ(仮名)は、地元の紙で何が作られているのかを知らないまま、通販の運用代行(うんようだいこう)の会社にインターンで入る。先輩の桐山が見せた「現場」はノートパソコンの中のお店で、その場で北海道から注文が入る。初めての仕事は、新しい半紙の説明文(せつめいぶん)。「伝統の技が息づく、上質な手すき半紙です」と書いて胸を張るミカに、桐山は聞く。「触った?」。2日目、紙のお店の店主 日高 ふみは、用意した質問を聞く前に筆を渡す。引いた一本線が思いのほかきれいに出て、ミカは声を上げる。その紙は、はじめての子が習字を嫌いにならないように作っていた。最終日、ミカは説明文を書き直す。

作者

ジョブプロジェクト株式会社

愛媛県四国中央市に本社を置き、人材派遣・人材紹介と、通販の運用代行「2HAN(ツーハン)」・BASE の制作代行をしている会社です。

この作品について

インターンって何をするのか。インターンシップで学生が何を体験し、何を持ち帰るのかが、紙のお店の説明文を書く数日間から見えてきます。

この話を紹介する

法人の企画の漫画のため、素材の二次利用には許可が必要です。

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