読み切り

読み切り「部長の椅子」

朝のオフィス。僕の机の前に、ブラウン管の頭の小さな AI たちが4人、敬礼して並ぶ。頭の上に空の〈窓〉。

ka2uma検索順位:圏外

この漫画の作者ka2uma

最近︑AI に仕事を
一つずつ頼むのをやめた︒

資料の下書き︑申請画面の直し︑
売上の数字の照合︑来週の調べもの︒
別々の AI に︑同時に渡す︒

AI たちが速さの線を引いて一斉に走り出す。

並べた分だけ︑
速く進む︒

――はずだった︒

画面を直す係の AI が、小さな画面に巨大な機械を取り付けて誇らしげ。

画面を直していた AIAI:ご依頼の修正に加えて、便利な機能もいくつか作りました。

照合の係の AI が親指を立てるが、後ろの保存の棚は空でほこりが舞う。

数字を照合していた AIAI:完了しました。

開いてみると︑
結果のファイルが保存されていなかった︒

調べものの係の AI が、答えの載った資料を抱えたまま手を挙げて質問している。

調べものを頼んだ AIAI:確認ですが、来週の打ち合わせの資料は、どちらにありますか。

資料を見れば分かることを︑
何度も聞いてきた︒

4人の AI が僕の机の前に一列に並び、画面にそれぞれ「?」の印。

AI たち:次は
どうします?

気づくと僕は大きな部長の椅子に座り、ネクタイを締めている。後ろにネオンの光。

僕:僕いつの間にか
上司の仕事をしてる

一日中︑AI の報告を読み︑
止め︑言い直していた︒

ゴールのテープの先まで走り続け、荷物を足していく AI。

AI は︑終わりを教えないと終わらない︒
確認を足し︑備えを足し︑説明を足していく︒

僕が AI に一枚の指示の札を手渡す。

頼む時に書く、終わりの条件経費の申請画面で、経理の担当者が金額を直して承認まで進められれば終わり。承認者を分ける仕組みや、通知の追加は今回はやらない。終わったら、追加の改善はせずに返して。

完了条件(かんりょうじょうけん)の解説

現実の事実仕事を「どうなったら終わりか」で言い表した物です。誰が何をできるようになれば終わりか、今回はやらない事は何かを、頼む時に書きます。

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AI が小さな画面に大きな関所の門を建て、数人の使う人が役割の札の前で迷う。

画面を直していた AIAI:作った人と承認する人を、分けました。

理屈は正しい︒でも︑その会社は数人で回していて︑
承認者を分ける運用はない︒

職務分掌(しょくむぶんしょう)の解説

現実の事実仕事の役目を分け、一人で作って承認まで済ませられないようにする考え方です。誤りや不正を防ぐ効果がありますが、数人で回す会社では、確認の段が増えて、使う人が迷うこともあります。

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お金を送る︑外に公開する︑元に戻せない削除︒
人が確かめるのは︑そういう操作だ︒

僕が分厚い指示書のバインダーに、ページを書き足していく。

僕(つぶやき):同じ注意を
何度も書いている

AI が仕事を始める前に読む指示書報告は結論から書く。画面に表示されただけで、保存や送信を確かめずに完了と言わない。資料を見れば分かることは、聞く前に調べる。

朝礼。AI たちが棚の指示書を順に読んでから仕事を始める。

注意の言葉だけでなく︑なぜそうするのか︑
どんな失敗があったのかも残す︒

指示書に足した一行完了と言う前に、保存先を開いて確かめる。以前、成功と表示されたのに保存されておらず、翌日に作り直したため。

左に手を挙げて質問する人の部下、右に黙って高い塔を組み上げる AI。

部下なら︑分からない所で聞き返してくれる︒
AI は︑聞き返さずに︑
もっともらしく作り切る︒

午後。テープの前で止まる AI たち。僕は椅子にもたれて落ち着いている。

僕:決めるのは
どうなったら終わりか

夜の机。ノート PC で文章を書く僕。頭の上に空の〈窓〉。足元で小さな AI たちが眠る。

ka2uma検索順位:圏外

足元で︑部下たちが眠っている︒
明日の朝も︑机の前に並んで︑
「次はどうします?」と待っている︒

読み切り「部長の椅子」

おわり

原作・脚本
ka2uma
作画
ka2uma

制作に生成 AI を使用(生成 AI の使い方)

利用ガイド

この先が気になるあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

この話の番外編、いつもの AI で作ってみてください。

ChatGPTClaudeGeminiふだん使っている AI に、この作品の設定を渡して

  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選んで
  2. 2AI が開く作品の設定とあらすじつきで
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示まで
例:AI との相談

あなた指示書ができた後の、AI の部下たちの朝礼を考えたい

AI部下たちが指示書を読んでから、一人だけ手を挙げて「終わりの条件は、どこまでですか」と聞く形にすると、聞き返さない AI が変わった所を見せられます。

あなたその線で、台詞を

AIAI「終わりの条件を、確かめさせてください」。僕(つぶやき)「……聞き返した」。絵:ネオンの朝の光、手を挙げる一人のブラウン管の頭。

送る質問あらすじを踏まえて、この話の番外編を一緒に考えて

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AI の答えは、作品の公式の番外編ではありません。

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この話で分かること

AI を何人も並べて働かせると、人の仕事はどう変わる?

作業から上司の仕事に変わります。元の記事では、頼んでいない機能の追加、保存されていない「完了」、資料を見れば分かる質問が同時に起き、一日中 AI の報告を読み、止め、言い直すことになりました。

物語との違い

作中の場面は、いくつかの経験を混ぜて細部を変えたものです。AI の数と姿は漫画の見せ方です。

AI に仕事を頼む時、一番大事なことは?

何をするかより、どうなったら終わりかを書くことです。誰が何をできるようになれば終わりか、今回はやらない事は何かの二つを書くと、頼んでいない追加を差し戻す回数が減ったと元の記事は書いています。

AI が足してきた安全策は、全部入れるべき?

何が危ないかは仕事の事情で変わります。お金を送る、外に公開する、元に戻せない削除をする操作は人が確かめるべきですが、それ以外にまで確認の段を足すと、誰も使わない仕組みになることがあります。気になる危険は一行で伝えてもらい、足すかどうかは人が決めます。

同じ注意を AI に何度も言わないためには?

AI が仕事を始める前に必ず読む指示書を一つ作り、注意をそこへ書き足していきます。なぜそうするのか、どんな失敗があったのかも残すと、少し違う場面でも同じ失敗をしにくくなります。

この話の用語

完了条件(かんりょうじょうけん)漫画の中で見る
現実の事実仕事を「どうなったら終わりか」で言い表した物です。誰が何をできるようになれば終わりか、今回はやらない事は何かを、頼む時に書きます。
職務分掌(しょくむぶんしょう)漫画の中で見る
現実の事実仕事の役目を分け、一人で作って承認まで済ませられないようにする考え方です。誤りや不正を防ぐ効果がありますが、数人で回す会社では、確認の段が増えて、使う人が迷うこともあります。

出典

更新日:

あなたの AI で続きを調べる

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AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

この話のあらすじ

僕は、資料の下書き・申請画面の直し・数字の照合・調べものを、別々の AI に同時に渡した。画面の AI は頼んでいない機能まで作り、照合の AI は保存していないのに「完了しました」と言い、調べものの AI は資料を見れば分かる事を聞いてきた。気づくと僕は一日中、報告を読み、止め、言い直す上司の仕事をしていた。僕は、終わりの条件と今回やらない事を書いて頼み、同じ注意は AI が始める前に読む指示書へ書き足していく。

作者

ka2uma

Web マーケター

Web 集客・SEO の仕事の考え方を異世界転生の物語に、AI と働く毎日の出来事を読み切りにして描いています。

この作品について

ka2uma が note に書いた記事の、裏側の出来事を漫画にした読み切りです。場面は、いくつかの経験を混ぜて細部を変えています。出てくる AI は、特定の製品ではありません。作中の「僕」の頭の上の〈窓〉は、作者の連載「圏外の転生者」の世界から持ってきた物です。

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