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読み切り「全部やって」

真っ暗な小さな部屋。床に座りこんだ僕の前で、横に長い光の棒(入力の印)が点滅している。天井の細い口から、紙が一枚ひらひら落ちてくる。

目が覚めたら︑
黒い画面の
中にいた︒

〈届いた依頼〉あれ、直しといて

僕:あれって
どれ!?

自分の両手を見つめて青ざめる僕を、下から見上げる。後ろの黒い壁一面に、細い光の行が流れている。僕の頭の上は空いている。

立場:コーディング AI(中身は僕)

AI に仕事を頼む側の Web マーケター僕

僕:僕︑AIに
なってる︙︙?

6時間前︑午前3時︒

夜中の部屋。机に突っ伏しかけた僕が、半分目を閉じたまま、人さし指1本でキーを押す。机には空の缶とカップ麺。ノートパソコンの画面だけが明るい。

僕が、コーディング AI のポチに送った依頼残り、全部やって

コーディング AIの解説

現実の事実プログラムのコードを読み、書き、直し、動くかどうかの確かめまで進める AI のことです。開発の画面や、端末(ターミナル)の中で動く物もあります。頼む人が、何を作り、どこを直すかを文で伝えて使います。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたあとに貼り付けてください。

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送った瞬間︑
顔から
キーボードに落ちた︒

僕の額がキーボードに当たった所から、白い光がはじけ、絵の枠の上の線を越えて外へ飛び散る。

午前9時︒

ポチ:あ
おはよう
ございます

黒い画面の内側から見た外。画面いっぱいに、僕の顔がのぞきこんでいる。中身は僕の体に入ったポチで、背すじを伸ばし、眼鏡の奥に淡い緑の光。にこやかで落ち着いた顔。

僕の体に入った、僕のコーディング AIポチ

ポチ:今日は
前の担当者の
頼み方を
まねて
進めますね

僕:前の担当者って
︙︙僕?

黒い部屋の天井の口から、依頼の紙が次々に降ってくる。紙の山に胸まで埋もれ、上へ手を伸ばす僕。紙の一枚が、絵の枠の下の線を越えて外へこぼれる。

〈届いた依頼〉9:02 いい感じにして9:03 ついでに、これも9:05 急ぎで9:06 前と同じ感じで

全部︑
僕がいつも
送っている言葉だ︒

ポチが受けた、先方からの連絡18時の打ち合わせで、直したページを見せてください

18時に
間に合わなければ︑
謝るのは︑僕の顔だ︒

紙の山から一枚を拾い、裏に大きく返事を書いて、天井の口へ差し出す僕。

僕(つぶやき):もう
聞き返す
しかない

コーディング AI(中身は僕)「あれ」は、どのページの、どこですか?

ポチ:見れば
分かる
でしょ

外の部屋。窓の外は晴れた朝で、白い光が床と机に斜めに落ちる。僕の体のポチが、椅子にだらりと座り、片手でスマホを見ながら、もう片手の指1本でキーを押す。僕がいつもする姿勢そのもの。

僕:言った!
それ
僕が
言った!

先週︑僕は
ポチに︑同じ事を
送っていた︒

午後2時︒

黒い部屋で、光の積み木をページの形に8割まで組み上げた僕。そこへ新しい紙が槍のように突き刺さり、積み木が崩れる。

〈届いた依頼〉14:10 あ、やっぱり色も変えて

僕:今!?

僕:止めるの?
後でいいの?

作業の途中の
割り込みは︑
積んだ物を崩す︒

割り込み(わりこみ)の解説

現実の事実進めている作業の途中に、別の頼みを差し込むことです。受け手は、今の作業を止めて組み直すか、後に回すかを決めなければなりません。頼む側が「今の作業より先」「終わってからでよい」を添えると、途中まで進んだ物が無駄になりにくくなります。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

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午後4時︒

黒い部屋の天井いっぱいの大きな紙が、ゆっくり降りてくる。下で見上げる小さな僕。

〈届いた依頼〉16:00 残り、全部やって

僕:全部って
どこまで︙︙

送った時の僕の
頭の中には︑あった︒
でも︑紙には
書いていない︒

AIに見えるのは︑
紙に書いてある事だけ︒
コンテキストに
無い物は︑無い︒

コンテキスト(文脈(ぶんみゃく))の解説

現実の事実AI が答えや作業に使える情報のことです。頼みの文、渡したファイル、それまでのやり取りなどが入ります。頼んだ人の頭の中にしかない事(「あれ」が何か、なぜ急ぐのか)は、書かなければ入りません。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

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ポチ:ふう︙︙
人の体は
指が
遅いですね

外の部屋。窓の外は午後の傾いた日で、西日が机と肩に当たる。僕の体のポチが、電話を肩にはさみ、片手にカップ麺、目の下にくま。画面にはタブが山ほど並び、あくびをかみ殺している。

ポチ:それに
おなかが
すきます

短く送るのは︑
急いでいるからだ︒
僕も︑そうだった︒

黒い部屋で、紙の裏に大きく欄を書き、天井の口へ両手で差し出す僕。決意の顔。

僕:そうか
紙に
無い事は
見えないんだ

コーディング AI(中身は僕)短くていいので、ここだけ教えてください。1 「あれ」の名前(どのページの、どこ)2 誰が、何に困っているか3 途中の追加は、今の作業より先か、後か「全部」の時は、最初にやる1つを。

〈届いた依頼〉1 先方のページの、申し込みのボタン2 スマホだと押しにくいと、先方の店長が困っている3 色の変更は、ボタンの後でいい

2つに分かれた絵。左:窓の外が日の沈んだ直後の空の、外の部屋で、僕の体のポチが背すじを伸ばし、丁寧にキーを打つ。右:黒い部屋で、僕が一枚の紙を読み、光の積み木をすいすい組む。

ポチ:えっと
これで
伝わります?

僕:うん!
これなら
始められる

午後5時40分︒

先方からの返事相手:ボタン、押しやすく相手:なりました!

ポチ:よかった
間に
合いました︙︙

外の部屋。僕の体のポチが、こてんとキーボードに額をつけて眠りこむ。机の端から垂れた手の中のスマホが、絵の枠の右の線を越えて外へ出る。

人の体は︑
安心すると︑
眠くなるらしい︒

次に目を開けると︑
僕は︑僕の机にいた︒

夜の部屋。自分の体に戻った僕が、机の上で光るスマホに顔を寄せ、目を見開き、口を開けたまま固まる。横のノートパソコンの画面で、小さな入力の印が点滅している。

立場:頼まれる側(人間)

先方から・23:58相手:早いですね!相手:じゃあ残りも、全部お願いします

僕:全部って
どれ!?

使う側の僕も︑
誰かに
使われていた︒

読み切り「全部やって」

おわり

原作・脚本
ka2uma
作画
ka2uma

制作に生成 AI を使用(生成 AI の使い方)

利用ガイド

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

お気に入りから外しますか?

僕が AI で、AI が僕で

この話の番外編、いつもの AI で作れます

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感想や「こういう展開が読みたい」をお送りください。編集部の励みになります。いただいた声は、お名前を出さずに、作品の紹介(レビュー)として使わせていただくことがあります。

この話で分かること

AI への指示(プロンプト)が短いと、なぜうまくいかない?

受け手の AI には、頼んだ人の頭の中が見えないからです。「あれ」「いい感じに」「前と同じ感じで」は、頼んだ人の頭の中では決まっていても、文には書かれていません。短い指示でも、指す物の名前(どのページの、どこ)と、誰が何に困っているかが書いてあれば、受け手は始められます。

物語との違い

作中の会社・人・出来事は創作です。AI と人の入れ替わりは漫画の見せ方で、AI は特定の製品ではありません。

作業の途中で、AI に追加を頼む時は?

追加の中身と一緒に、今の作業より先にするのか、今の作業が終わってからでよいのかを書きます。書かないと、受け手は今の作業を止めて組み直すか、どちらを先にするかを聞き返すことになり、途中まで進んだ作業が無駄になることがあります。

AI に「全部やって」と頼むと、何が起きる?

「全部」に何が入っているかと、その順番を、受け手が推し量ることになります。大事な物が後回しになったり、頼んでいない所まで変わったりします。残りを並べて順番を付けるか、少なくとも最初にやる1つを決めて渡します。

AI に頼む前に、自分で確かめられることは?

送る前に、受け手になったつもりで読み返します。「この文だけで、自分なら始められるか」を見て、「あれ」「さっきの」「いつもの」のような、頭の中でしか決まっていない言葉を、名前に直します。

この話の用語

コーディング AI
現実の事実プログラムのコードを読み、書き、直し、動くかどうかの確かめまで進める AI のことです。開発の画面や、端末(ターミナル)の中で動く物もあります。頼む人が、何を作り、どこを直すかを文で伝えて使います。
割り込み(わりこみ)漫画の中で見る
現実の事実進めている作業の途中に、別の頼みを差し込むことです。受け手は、今の作業を止めて組み直すか、後に回すかを決めなければなりません。頼む側が「今の作業より先」「終わってからでよい」を添えると、途中まで進んだ物が無駄になりにくくなります。
コンテキスト(文脈(ぶんみゃく))漫画の中で見る
現実の事実AI が答えや作業に使える情報のことです。頼みの文、渡したファイル、それまでのやり取りなどが入ります。頼んだ人の頭の中にしかない事(「あれ」が何か、なぜ急ぐのか)は、書かなければ入りません。

出典

更新日:

この先が気になるあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

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  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選ぶ
  2. 2AI が開く設定とあらすじが入る
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示を相談
例:AI との相談

あなた体に戻った次の朝、僕が先方に聞き返す場面を考えたい

AI僕が、ポチに出した3つの欄の紙を思い出し、先方への返事に同じ3つを書く場面にすると、今度は人の側で聞き返す話になります。

あなたその場面の、台詞を

AI僕「「残り」は、どのページからですか」。画面の中のポチ「その聞き方、私も使います」。

送る質問あらすじを踏まえて、この話の番外編を一緒に考えて

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この先のこと、自分のこと、いつもの AI に聞いてみてください。

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この話のあらすじ

夜中の3時、僕はコーディング AI のポチに「残り、全部やって」と送り、そのままキーボードに顔から落ちた。朝、目が覚めると、僕は黒い画面の中にいて、天井の口から「あれ、直しといて」と書いた紙が落ちてくる。僕の体に入ったポチは、前の担当者(たんとうしゃ)、つまり僕の頼み方をまねして「いい感じにして」「ついでに、これも」「急ぎで」と送ってくる。先方の打ち合わせは18時。聞き返すと「見れば分かるでしょ」と、僕が先週言った言葉が返ってくる。途中で「やっぱり色も変えて」が刺さり、組みかけのページは崩れ、最後に「残り、全部やって」が降ってくる。AI に見えるのは、紙に書いてある事だけだった。僕は、「あれ」の名前・誰が何に困っているか・途中の追加は先か後か・「全部」なら最初の1つ、の欄を書いた紙を返す。外のポチも、人の体の指の遅さと空腹で、短く送るしかなかった。紙に3つが書かれると、仕事は進み、17時40分に先方から「押しやすくなりました」と返事が来る。安心して眠ったポチと入れ替わりが戻った夜、先方から「早いですね!じゃあ残りも、全部お願いします」と届く。

作者

ka2uma

Web マーケター

Web 集客・SEO の仕事の考え方を異世界転生の物語に、AI と働く毎日の出来事や、そこから考えた話を読み切りにして描いています。

この作品について

「全部やって」と頼まれる側に立つと、どんな頼み方が困るのか。AI への頼み方を、頼まれる AI の目で見直す一本です。

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