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第2話「一番に、呼ばれる人」

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

夜明け前の暗い商店街。シャッターの閉まった八百屋の前に、古い軽トラックが止まり、ライトが若い女性を照らしている。女性は紺の前掛けをたたんで胸に抱え、うつむいて立つ。

小谷 菜摘:クビ
だよね
普通

小谷 菜摘:前掛け
返さなきゃ

〈年末まで 66日〉店長への報告:まだ書いていない八百坂のアルバイト:たぶん、今日まで

坂井 つぐみ:なにしてんの

軽トラックの運転席で、タオルの鉢巻きの店主が窓に肘をかけて、外に立つ若い女性を見ている。若い女性は、たたんだ前掛けを両手で差し出している。

八百坂の2代目(41)坂井 つぐみ

小谷 菜摘:あの
これ︙︙
お返し
します

坂井 つぐみ:なんで

小谷 菜摘:だって
ばれたん
ですよね

小谷 菜摘:私
向かいの
スーパーの︙︙

坂井 つぐみ:知ってるよ

坂井 つぐみ:報告したきゃ
すれば

小谷 菜摘:えっ

店主の寄り。前を向いたまま、親指で横の助手席を指す。助手席の荷物はどけてあり、空いている。ダッシュボードのライトが下から顔を照らす。

坂井 つぐみ:うちは
朝の手が
足りない
だけ

坂井 つぐみ:乗んな
置いてくよ

小谷 菜摘:︙︙クビ
じゃない

午前3時50分︒
青果の卸売市場︒

少し高い所から見た市場の仲卸の店の並び。左奥の店先で、白い前掛けの年配の男が片手を高く振っている。その店の前に、帽子とジャンパーの買い手たちが台車に手をかけて、列を作って待っている。手前に、着いたばかりの背の高い店主と、右に若い女性。

辰巳 辰造:つぐみちゃん!
こっち
先に
見てって

店の前で待っていた買い手たち。白い調理服の男が腕を組んで腕時計に目を落とし、眉を寄せ、隣の男が口をとがらせる。若い女性の寄り。目を丸くして、待っている人たちと奥の店とを見比べている。

並んでいた客:また
ひいきかよ

小谷 菜摘:並んでた人
より
先︙︙?

坂井 つぐみ:ちゃんは
やめてって
言ってんじゃん

仲卸の店先。左の前掛けの年配の男が、つやのあるほうれん草の箱を開けて持ち上げる。真ん中で背の高い店主が身を乗り出してのぞき込み、右の奥で若い女性がメモ帳を握っている。白い照明。

仲卸「丸辰」の店主(68)辰巳 辰造

辰巳 辰造:今朝は
ほうれん草が
少ないんだよ

辰巳 辰造:いいのを
2ケースだけ
取っといた

坂井 つぐみ:はいはい
もらうよ
辰さん

小谷 菜摘:取っといた︙︙?

若い女性の寄り。メモ帳を口元に当て、横目で年配の男と店主をうかがう。こめかみに汗。目を細めて疑っている。

小谷 菜摘:まさか
裏で
お金︙︙?

坂井 つぐみ(画面の外の声):顔に
全部
出てるよ

仲卸の店の奥。年配の男が段ボールの箱に腰かけ、缶コーヒーを手に目尻にしわを寄せて笑う。奥の通路を、背の高い店主が台車に箱を積んで別の店へ歩いていく(小さく)。

小谷 菜摘:あの︙︙
なんで
つぐみさんが
一番なん
ですか

辰巳 辰造:ははっ
気になる?

辰巳 辰造:あいつ
うちの店に
15年
いたんだよ

小谷 菜摘:えっ
仲卸に?

辰巳 辰造:でもね
それだけじゃ
ないの

きのうの朝︒
産地から︑
大根が
届きすぎた︒

前の日の朝の同じ仲卸の店。大根の段ボールが天井近くまで積み上がり、年配の男が頭をかいて困っている。右で、背の高い店主が箱の山に片手をかけている。

辰巳 辰造(画面の外の声):値が崩れた
物を
黙って
引き取って
くれる

辰巳 辰造(画面の外の声):だから
いい物が
少ない朝は

年配の男の寄り。片目をつぶって笑い、ほうれん草の箱を指で軽くたたく。後ろに市場の白い照明。

辰巳 辰造:つぐみちゃんに
先に見せる

小谷 菜摘:それって
ひいき︙︙

辰巳 辰造:ひいき?

辰巳 辰造:相対って
いうんだよ

相対取引(あいたいとりひき)(相対(あいたい))の解説

現実の事実売り手と買い手が1対1で話し合って、数量と値段を決める取引です。卸売市場(おろしうりしじょう)では、卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)と仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)の間でも、仲卸業者と八百屋(やおや)・料理屋の間でも使われます。いつも買う店に「いい物が入ったら先に教えて」と頼めるのも、顔の見える相対の取引だからです。

せりとどちらが多い?
農林水産省の解説では、せりは一人の売り手に複数の買い手が競争して値を決める取引で、特に高級品や希少な品(まぐろ・メロン・牛肉など)で行われると説明されています。それ以外の多くの品は、相対取引などで数量と値段が決められています。

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仲卸の店先。左の年配の男が、笑いながら右の若い女性へ人差し指を向ける。若い女性はメモ帳を胸に抱えて、目を丸くしている。

辰巳 辰造:顔と顔で
量と値を
決めるの

小谷 菜摘:市場って
せりで
決まるん
じゃ︙︙

辰巳 辰造:せりは
6時から

辰巳 辰造:見てく?

午前6時︒
卸売場︒

煽りで見上げた卸売場。白い照明の下、帽子の男(せり人)が台の上に立ち、手の鐘を鳴らして大声を上げる。周りを、帽子の買い手たちが囲み、指を立てた手を上げている。床にはキャベツや白菜の箱の列。

カランカラン

小谷 菜摘:これが
せり︙︙

せり(競り(せり))の解説

現実の事実売り手の卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)の「せり人」が、卸売場で多くの買い手(仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)や売買参加者)に競争で値を付けさせ、一番高い値を付けた人に売る取引の方法です。大勢の中から公平に買い手を決められるので、まぐろ・メロン・牛肉のような高級品や数の少ない品でよく行われます。

何時ごろに行われる?
農林水産省の解説の例では、取引は午前2時ごろから始まり、せりは午前6時ごろからです。時間は市場や品物によって違います。

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売り手は︑
卸売業者︒
産地から
野菜を集める︒

卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)の解説

現実の事実全国の産地(農協・生産者など)から大量の荷を集め、卸売市場(おろしうりしじょう)で、仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)などの買い手に売る業者です。せりや相対取引(あいたいとりひき)で、取引の数量と値段を決めます。出荷する人から販売を任されて売る場合と、自分で買い取って売る場合があります。

卸売業者から直接買えるのは?
仲卸業者と、「売買参加者」(仲卸業者以外で卸売業者から買うことのできる小売店・食品加工業者など)です。

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買い手は︑
辰さんたち仲卸︒

卸売場の買い手たちが、せり人に向けていっせいに手を上げている。それぞれが指で違う形を作っている。白い照明の逆光。小ゴマ:買い手の中の年配の男の顔の寄り。さっきの笑顔が消え、鋭い目でせり人を見すえている。

指の形で
値を出す︑
「手やり」︒

手やりの解説

現実の事実せりの時に、買い手が買いたい品物の値段や数量を、指の形で示すことです。せり人は大勢の買い手の指のサインを見定めて、一番高い値段を示した人を指名し、せり落とした人にします。

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小谷 菜摘:辰さん
顔が
違う︙︙

卸売場の端。腕を組んだ背の高い店主と、メモ帳を握った若い女性が並んで、せりの人だかりを見ている。店主は前を見たまま、女性は店主の横顔を見上げる。白い照明の逆光。

坂井 つぐみ:ここで
買って

坂井 つぐみ:あたしらに
小分けで
売るの

〈野菜の通る道〉産地 → 卸売業者 →(せり・相対)→ 仲卸 → 八百屋・料理屋市場を通らず、産地から店へ直に届く野菜もある

卸売市場経由率(おろしうりしじょうけいゆりつ)(市場を通る割合)の解説

現実の事実国内で出回る青果(野菜・果物)のうち、卸売市場(おろしうりしじょう)を通った物の割合です。農林水産省の推計(すいけい)では、青果は昭和55年度の87.1%から、平成27年度は57.5%に下がりました。産地との直接の取引・直売所・ネット販売など、市場を通らない流通が増えたためです。

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坂井 つぐみ:うちは
買出人

買出人(かいだしにん)の解説

現実の事実小売店・飲食店・食品加工業者などで、自分の店で扱う品物を仕入れるために卸売市場(おろしうりしじょう)へ出向き、仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)から買う人です。買出人として市場に出入りするには、市場を開いている所(開設者)の許可が要ります。

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坂井 つぐみ:辰さんから
買うの

小谷 菜摘:一番って
お金じゃ
なくて

小谷 菜摘:困った時に
引き取った
順︙︙

夜明けの青い光が差し込む市場の出口。背の高い店主が、ほうれん草と大根の箱を積んだ台車を押しながら、肩越しに振り返り、口の端で笑う。

坂井 つぐみ:そう

坂井 つぐみ:だから
あたしは
崩れた日も
来る

坂井 つぐみ:都合のいい
日だけの
客に
いい物は
回んない

小谷 菜摘:これ
報告に
書ける︙︙

その昼︒
トモエマートの
事務所︒

スーパーの小さな事務所の机。緑のエプロンの若い女性が、メモ帳を横に開き、報告の紙を両手で持って読み返している。口元が少しゆるむ。後ろのブラインドの隙間から、向かいの八百屋が小さく見える。白い蛍光灯。

〈報告〉 小谷 菜摘八百坂は、市場の仲卸と相対で仕入れている値が崩れた品を引き取る代わりに、良い品を先に回してもらう今朝の客:(市場にいたので、数えていない)

村瀬 康介:小谷さん
それ
報告?

トモエマート 坂上店の店長(45)村瀬 康介

事務所。左で、疲れた顔の店長が報告の紙を片手で持って読み、もう一方の手で首の後ろをかいている。右で、緑のエプロンの若い女性が机に手をついて身を乗り出し、店長を見ている。

村瀬 康介:へえ
市場で

村瀬 康介:︙︙で
客の数は?

小谷 菜摘:あ
今朝は
市場に
いたので

村瀬 康介:参ったなあ

村瀬 康介:本部が
見るのは
数なんだよ
ねえ

小谷 菜摘:でも
数じゃ
分からない
事が

店長の寄り。笑ってごまかす顔が消え、口を結んで、まっすぐこちらを見る。目の下のくま。白い蛍光灯が上から当たる。

村瀬 康介:市場の事は
いい

若い女性の目の寄り(細い帯)。見開いた目が、ゆっくり伏せられていく。

村瀬 康介(画面の外の声):客の数を
報告して

事務所を後ろの高い所から見下ろした全景。左で、店長が自分の机に戻って座り、パソコンに向かう。右の窓際に、若い女性がひとり立ったまま。ブラインドの隙間の向こうに、向かいの小さな八百屋。

〈年末まで 66日〉八百坂の今朝の客:数えていない店長への報告:数だけ、と言われた

第2話「一番に、呼ばれる人」

つづく

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この八百屋、なぜかつぶれない。

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あなた「客の数を報告して」と言われた次の朝、菜摘が市場でどう過ごすかを考えたい

AI菜摘は数を数えるために店先に残るか、市場へ行くかを選ぶ形にすると、報告と八百坂の間で揺れる気持ちが絵になります。つぐみは理由を聞かずに「どっちでもいいよ」と言う人なので、選ぶのは菜摘です。

あなた市場へ行く方で、最初の台詞を

AI菜摘「数は、帰ってから数えます」。つぐみ「……ふうん。数えられる客、いるといいね」。

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この話で分かること

せりとは?

卸売市場(おろしうりしじょう)で、売り手の卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)の「せり人」が、多くの買い手(仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)や売買参加者)に競争で値を付けさせ、一番高い値を付けた人に売る取引の方法です。買い手は指の形(手やり)で値段や数量を示します。

条件・例外

農林水産省の解説では、せりは特に高級品や数の少ない品(まぐろ・メロン・牛肉など)で行われ、ほかの品は相対取引(あいたいとりひき)などで決めると説明されています。

物語との違い

作中の「せりは6時から」は作中の市場の時刻です。農林水産省の解説の例でも、せりの始まりは午前6時ごろです。

仲卸(なかおろし)とは? 卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)とどう違う?

卸売業者は、全国の産地から荷を集めて、卸売市場(おろしうりしじょう)で仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)などに売る業者です。仲卸業者は、卸売業者から買った品を、八百屋(やおや)・スーパー・料理屋の注文に合わせて小分けやパッキングをし、市場の中の店で売ります。

条件・例外

小売店や飲食店は「買出人(かいだしにん)」として市場に来て、仲卸業者から買います。仲卸業者以外で卸売業者から直接買える小売店・加工業者などは「売買参加者」と呼ばれます。

物語との違い

作中の仲卸「丸辰」と、つぐみが15年働いていた事は、作中の決めです。

相対取引(あいたいとりひき)とは?

売り手と買い手が1対1で話し合って、数量と値段を決める取引です。卸売市場(おろしうりしじょう)では、卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)と仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)の間でも、仲卸業者と店の間でも使われます。

物語との違い

作中の「値が崩れた品を引き取る代わりに、良い品を先に回してもらう」は、作中の店どうしの付き合いです。実際の相対取引の中身は、店と店ごとに違います。

卸売市場(おろしうりしじょう)とは? 野菜はみんな市場を通る?

全国から集まった野菜・果物・魚・肉・花を取引し、小売店や飲食店、加工業者へ売るための拠点です。農林水産省の推計(すいけい)では、国内の青果のうち卸売市場を通った割合は平成27年度で57.5%です。

条件・例外

産地との直接の取引・直売所・ネット販売など、市場を通らない流通が増え、昭和55年度の87.1%から下がりました。

この話の用語

相対取引(あいたいとりひき)(相対(あいたい))漫画の中で見る
現実の事実売り手と買い手が1対1で話し合って、数量と値段を決める取引です。卸売市場(おろしうりしじょう)では、卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)と仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)の間でも、仲卸業者と八百屋(やおや)・料理屋の間でも使われます。いつも買う店に「いい物が入ったら先に教えて」と頼めるのも、顔の見える相対の取引だからです。
せり(競り(せり))漫画の中で見る
現実の事実売り手の卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)の「せり人」が、卸売場で多くの買い手(仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)や売買参加者)に競争で値を付けさせ、一番高い値を付けた人に売る取引の方法です。大勢の中から公平に買い手を決められるので、まぐろ・メロン・牛肉のような高級品や数の少ない品でよく行われます。
卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)漫画の中で見る
現実の事実全国の産地(農協・生産者など)から大量の荷を集め、卸売市場(おろしうりしじょう)で、仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)などの買い手に売る業者です。せりや相対取引(あいたいとりひき)で、取引の数量と値段を決めます。出荷する人から販売を任されて売る場合と、自分で買い取って売る場合があります。
手やり漫画の中で見る
現実の事実せりの時に、買い手が買いたい品物の値段や数量を、指の形で示すことです。せり人は大勢の買い手の指のサインを見定めて、一番高い値段を示した人を指名し、せり落とした人にします。
卸売市場経由率(おろしうりしじょうけいゆりつ)(市場を通る割合)漫画の中で見る
現実の事実国内で出回る青果(野菜・果物)のうち、卸売市場(おろしうりしじょう)を通った物の割合です。農林水産省の推計(すいけい)では、青果は昭和55年度の87.1%から、平成27年度は57.5%に下がりました。産地との直接の取引・直売所・ネット販売など、市場を通らない流通が増えたためです。
買出人(かいだしにん)漫画の中で見る
現実の事実小売店・飲食店・食品加工業者などで、自分の店で扱う品物を仕入れるために卸売市場(おろしうりしじょう)へ出向き、仲卸業者(なかおろしぎょうしゃ)から買う人です。買出人として市場に出入りするには、市場を開いている所(開設者)の許可が要ります。

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この話のあらすじ

全部ばれた次の朝、小谷 菜摘は前掛けを返すつもりで八百坂の前に立つ。坂井 つぐみは「報告したきゃ、すれば」とだけ言い、助手席を空けて待っていた。午前3時50分の卸売市場(おろしうりしじょう)。仲卸「丸辰」の前には買い手が並んでいるのに、店主の辰巳 辰造は真っ先に「つぐみちゃん」を呼び、少ないほうれん草を2ケース取っておいたと言う。賄賂を疑う菜摘に、辰造は、つぐみが15年この店で働いていた事と、前の日に値が崩れた大根を黙って引き取った事を話す。売り手と買い手が顔と顔で量と値を決める「相対」では、困った時に引き取ってくれる客に、良い物が先に回る。午前6時の卸売場では、卸売業者(おろしうりぎょうしゃ)のせり人の前で、仲卸たちが指の形(手やり)で値を競う。菜摘は、一番に呼ばれる理由はお金ではなく、困った時に引き取った順だと気づく。昼、菜摘は仕組みを書いた報告を店長の村瀬 康介に見せるが、村瀬は「本部が見るのは、数なんだよねえ」と言い、「市場の事は、いい。客の数を、報告して」と告げる。

作者

トゥーンエル編集部

トゥーンエルを運営する H株式会社の編集部です。ミステリーや家族の物語など、仕事の題材に限らない作品を作っています。

この作品について

小さな八百屋が大型スーパーの向かいで続けられる理由を、仕入れの市場や野菜の値付けから一つずつ解き明かしていけます。

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