第1話「今朝、安かった物だけ」
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。
午前10時︒
坂の上の商店街︒


トモエマート 坂上店の
小谷 菜摘:︙︙7人
小谷 菜摘:今朝も
7人
午後6時︒

小谷 菜摘:えっ
もう空︙︙?
小谷 菜摘:7人しか
来てないのに
小谷 菜摘:いやいや
売れるわけ
ないって
翌日の昼︒
売場の事務所︒
村瀬 康介:小谷さん
ちょっと
いいかな

トモエマート 坂上店の
村瀬 康介:半年で
つぶれる
はずだった
んだよねえ
小谷 菜摘:ですよね
朝7人
ですもん
村瀬 康介:それが
夕方の
野菜の売上
うちが
負けてるの
小谷 菜摘:負けてる!?
村瀬 康介:参ったなあ

村瀬 康介:年末までに
あの店の客
取れたら
村瀬 康介:正社員の話
本部に
出すから
〈年末まで
小谷 菜摘:正社員︙︙
小谷 菜摘(つぶやき):でも
取るって
どうやって

段ボールの札︒
「朝だけ
アルバイト募集
3時半から」
小谷 菜摘:待って待って
3時半って
夜中ですよ
坂井 つぐみ:バイト?

八百坂の
坂井 つぐみ:朝
起きられる
人?
小谷 菜摘:ははい!
起きられます
坂井 つぐみ:じゃ
明日
3時半に
ここね
坂井 つぐみ:遅れたら
置いてくよ
小谷 菜摘:えっ
名前も
聞かないの?
翌朝 3時半︒

小谷 菜摘:ひいっ
坂井 つぐみ:しゃべると
舌噛むよ


ブオオ
小谷 菜摘:わっ!
坂井 つぐみ(画面の外の声):ほら
こっち
仲卸の店は︑
市場で買った野菜を
小分けにして︑
八百屋や料理屋に
売っている︒

仲卸の店の人:つぐみちゃん
今朝は
大根だよ
仲卸の店の人:産地が
取れすぎて
値が崩れてる
坂井 つぐみ:はいはい
知ってる
坂井 つぐみ:5ケース
ちょうだい
小谷 菜摘:えっ
5ケース︙︙?
小谷 菜摘:あの︙︙
発注表
無いん
ですか?
坂井 つぐみ:無いよ

坂井 つぐみ:今朝
決める
午前7時︒
八百坂の店先︒

小谷 菜摘:大根の
山︙︙
午前中の客は︑
3人︒
小谷 菜摘(つぶやき):ほらね
やっぱり
売れない

〈
小谷 菜摘:えっ
小谷 菜摘:大根は
うちより
安いのに
小谷 菜摘:トマトは
高い︙︙?
坂井 つぐみ:トマトは
今朝
高かったから

坂井 つぐみ:大根は
今朝
安かった
小谷 菜摘:毎朝
値段が
違うん
ですか?
坂井 つぐみ:ほら
値札
持って

小谷 菜摘:︙︙全部が
安いんじゃ
ないんだ
小谷 菜摘:今朝
安かった
物だけ
安い
〈値段の
小谷 菜摘:うちの
発注表と
真逆︙︙
午後6時︒
店じまい︒

小谷 菜摘:あれ?
大根
まだこんなに
今日の客は︑
7人︒
小谷 菜摘:7人で
5ケースは
無理だよね

〈帳面の
小谷 菜摘:保育園?
中華?
小谷 菜摘(つぶやき):これって
誰に︙︙
坂井 つぐみ:で

坂井 つぐみ:向かいの
店長には
坂井 つぐみ:何て報告
すんの?
小谷 菜摘:な
なんで︙︙

坂井 つぐみ(画面の外の声):窓から
毎朝
数えてたでしょ
坂井 つぐみ(画面の外の声):7人って

〈年末まで
坂井 つぐみ(画面の外の声):明日も
3時半ね
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あなた全部ばれていた次の朝、3時半に店の前へ来た菜摘の最初の場面を考えたい
AI菜摘が来ないと思っていたつぐみが、軽トラの助手席の荷物をどけておいたかどうかで、2人の関係の段が見えます。菜摘の手に、店長への報告の紙があるかどうかも、最初の絵で決められます。
あなた助手席が空いている形で、最初の台詞を
AIつぐみ「……来たんだ」。菜摘「置いてかれたく、ないので」。絵:夜明け前の坂の下、エンジンのかかった軽トラと、空けてある助手席。
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