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読み切り「国の分、家の分」

2026年11月2日のニュースから

昼休みの事務所の給湯室の脇。壁際の棚の前で、紺のカーディガンの女性が段ボール箱から水のペットボトルと乾パンの缶を出して並べている。紙コップを持った若い男が、スマホを見ながら横から話しかける。

文具の卸の会社 総務 6年目(34)日下部 里奈

同じ会社 営業事務 2年目(26)乙部 航平

乙部 航平:日下部さん
防災庁が
できたって

ニュースの見出し防災庁 きょう発足あなたの備えは大丈夫?

防災庁(ぼうさいちょう)の解説

現実の事実防災庁設置法(ぼうさいちょうせっちほう)に基づいて内閣に置かれた国の役所です。防災に関する内閣の事務を内閣官房と共に助け、防災の行政事務が円滑に進むようにします。長は内閣総理大臣で、防災大臣が置かれます。施行は2026年11月2日です(e-Gov 法令検索)。

防災大臣には、どんな権限がある?
設置法第八条に、関係行政機関の長へ資料の提出と説明を求める事、特に必要な時に勧告する事が書かれています。勧告を受けた長は、十分に尊重しなければなりません。
前は何という役所だった?
防災庁が発足するまでは、内閣府が担っていました。設置法の附則第四条は、施行の前に内閣府の長である内閣総理大臣がした同意などを、施行の後は防災庁の長である内閣総理大臣がしたものとみなすと定めています。

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日下部の顔の寄り。手に取った乾パンの缶をひっくり返し、底の印字に目を細める。後ろの棚がぼける。

日下部 里奈:それで
うちの棚は
どうなるの?

缶の底と、棚に並ぶ水のペットボトルの寄り。日下部の親指が缶の底の印字を指す。印字は線と枠だけ。紺のカーディガンの袖が写る。

〈事務所の棚〉水 2リットル 6本乾パンの缶賞味期限は 今月末

日下部 里奈:今月末で
切れるの
これ

乙部の顔の寄り。紙コップを口にあてたまま、軽い調子でスマホの画面を日下部に向ける。

乙部 航平:国が新しく
役所を作った
んでしょ?

乙部の胸から上。肩をすくめて、棚の水と缶を紙コップで指す。

乙部 航平:備蓄は国が
やるでしょ

乙部 航平:うちの棚
いらなく
ない?

日下部の胸から上。バインダーの発注票を胸に抱え、乙部をじっと見る。

日下部 里奈:発注は
あしたの朝
までなの

日下部 里奈:要るか
要らないか
決めたい

乙部の顔の寄り。口を結んで、スマホの画面を見下ろす。軽い調子が少し引いている。

乙部 航平:図書館の
吉住さんに
聞いてくる

昼の事務所。出口へ向かう乙部の後ろ姿。日下部は自分の机の席から、手を軽く上げて見送る。窓の外は昼の光。

読み切り「国の分、家の分」

駅前の
市立図書館︒

市立図書館 調べもの相談の司書(43)吉住 ふみ

夕方の市立図書館の2階。法令集と統計の本の棚の前で、分厚い本を抱えた司書の女性が振り向く。小走りの若い男がスマホを掲げて近づく。窓から傾いた日が差す。

乙部 航平:防災庁が
できたから
備蓄は国が?

吉住 ふみ:元の発表を
見てみましょう

市立図書館の2階、調べもの相談のカウンターの PC を、2人の背中越しに斜め上から。奥に本棚と窓。青く光る画面の行を司書の指が指し、男は身を乗り出す。画面は線と枠だけ。

防災庁設置法e-Gov 法令検索防災庁設置法第二条 内閣に、防災庁を置く。第四条 防災庁は、……次に掲げる事務をつかさどる。一 防災のための施策に関する基本的な方針及び計画に関する企画及び立案並びに総合調整に関すること。

防災庁設置法(ぼうさいちょうせっちほう)の解説

現実の事実防災庁(ぼうさいちょう)という役所の作り方と仕事を決めた法律です。令和8年法律第61号で、2026年7月17日に公布されました。第四条に防災庁の仕事が並び、防災の基本的な方針や計画を考える事と、役所どうしの調整が先頭に書かれています。

各家庭に備蓄を義務づける条文はある?
第四条の仕事の並びに、各家庭に備蓄を義務づける事は書かれていません。家庭の備蓄の目安は、首相官邸や農林水産省が示しています。ほかの法律や計画に何が書かれているかは、この法律だけでは分かりません。

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乙部の顔の寄り。青い光を受けて、画面の文字を目で追い、眉を寄せる。後ろの棚がぼける。

乙部 航平:企画に
立案︙︙
計画の役所?

カウンターのメモ帳に、司書が鉛筆で役所の建物の形と、そこから出る何本かの矢印を描く手元。矢印の先は別の小さな建物たち。カーディガンの袖が写る。線だけ青。字は無い。

吉住 ふみ:計画を立てて
役所どうしを
調整する仕事ね

乙部の顔の寄り。口を少し開けて、棚の方を思い出すように目が泳ぐ。

乙部 航平:で
うちの棚は?

司書の胸から上。鉛筆の先で画面の条文の並びをなぞり、首をかしげる。

吉住 ふみ:仕事の並びに
家庭の備蓄は
載ってません

吉住 ふみ:ほかの決まりは
この条文だけでは
言い切れません

乙部の顔の大写し。目を見開き、紙コップのコーヒーを持ったまま固まる。

乙部 航平:え
国は
やらない?

カウンターのメモ帳の真上からの寄り。吉住の話を聞きながら、乙部が青いペンで、役所の建物の形と家の形の間に1本の縦線を引く。縦線だけ青。紺のセーターの袖と木目が写る。字は無い。

スーッ

吉住 ふみ:国の役所の分と
家の分は
分けて読みます

吉住 ふみ:国の分
家の分

図書館の相談カウンターで、乙部が両手をついて身を乗り出し、司書に聞く。司書は椅子で腕を組んだまま、少し笑って見上げる。背後は本棚と、夕方の光が入る大きな窓。

乙部 航平:じゃあ
家の分は
何日分?

司書の胸から上。図書館のカウンターで PC に向き直り、検索の窓に何かを打つ。隣で乙部も画面をのぞき込む。後ろに本棚と窓、奥の閲覧席。

カタカタ

吉住 ふみ:首相官邸の
備えのページです

災害への備え 事前にできること首相官邸災害への備え 事前にできること飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、缶詰、干物、乾パンなど大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。

家庭の備蓄の解説

現実の事実首相官邸のページでは、飲料水と非常食を3日分、大規模な災害では1週間分の備蓄が望ましいとされています。農林水産省は、最低3日分から1週間分に人数をかけた量を勧めていて、できれば1週間分を備えましょうと書いています。

地域によって量は変わる?
農林水産省は、自治体(じちたい)のハザードマップなどを見て、住んでいる地域の状況に応じて2週間分など多めに備える事も大切だと書いています。

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乙部の顔の寄り。口を半開きにして画面を見つめる。後ろに図書館のぼかした本棚と窓。

乙部 航平:1週間分
3日じゃ
ないんだ

司書の胸から上。図書館のカウンターで、落ち着いた顔で画面の最後の1行を鉛筆の先で指す。後ろに本棚と閲覧席。

吉住 ふみ:まず3日分
望ましいのは
1週間分ですね

乙部の手元の寄り。メモ帳に数字を書き写す鉛筆。紺のセーターの袖とカウンターが写る。メモは線と枠だけ。

〈乙部のメモ〉水は 1人1日3リットルが目安3日分=9リットル1週間分=21リットル

乙部 航平:僕ひとりで
21リットル!?

司書の胸から上。図書館の夕方の窓と本棚を背に、手のメモ帳に目を落とし、ゆっくりうなずく。

吉住 ふみ:そこで
ローリングストック
ですね

ローリングストック(ろーりんぐすとっく)の解説

現実の事実普段の食品を少し多めに買い置きして、賞味期限(しょうみきげん)の近い古い物から食べ、食べた分を買い足す方法です。いつも一定の量の食品が家にある状態を保てます。農林水産省は、費用も時間も普段の買い物の範囲でできる事が良い点だと書いています。

非常食とは違うもの?
備蓄の食品は、災害の時に使う「非常食」と、普段使っていて災害の時にも使える「日常食品」の2種類に分けられます。農林水産省は、どちらもバランスよく備える事が大事だと書いています。

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カウンターのメモ帳の寄り。司書の鉛筆が、買い物かごの形から食べ物の形、空の棚の形へと、輪になる3つの矢印を描く手元。矢印だけ青。字は無い。

吉住 ふみ:普段の食品を
少し多めに買い
古い順に食べる

吉住 ふみ:食べた分を
買い足します

乙部の顔の寄り。図書館の本棚と夕方の窓を背に、書き写したメモの紙を手に、目を細めて小さく笑う。肩の力が抜ける。

乙部 航平:食べて
買い足す
だけ?

司書の胸から上。目元をゆるめて、小さくうなずく。

吉住 ふみ:農林水産省の
ガイドにも
普段の食品で
いいとあります

乙部の胸から上。窓の方へ目をそらし、苦笑いでため息をつく。

乙部 航平:僕んち
麦茶だけ︙︙

乙部がカウンターに身を乗り出し、司書の顔を見て聞く。司書は本を閉じかける。

乙部 航平:会社の棚は
何日分が
正解?

司書の顔の寄り。言いにくそうに眉を下げ、鉛筆を顎に当てる。

吉住 ふみ:人数も建物も
違うので
言い切れません

吉住 ふみ:地域の危険は
ハザードマップで
見られますよ

ハザードマップ(はざーどまっぷ)の解説

現実の事実洪水・土砂災害・高潮・津波などの危険な場所を、地図に示した物です。国土交通省と国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」で、住所から調べられます。市町村(しちょうそん)が法令に基づいて作った地域のハザードマップへのリンクもあります。

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司書が印刷した3枚の紙をそろえて乙部へ差し出す。紙の見出しの帯だけ青。乙部は両手で受け取る。

吉住 ふみ:言い切らないのが
いいです

吉住 ふみ:決まっている所を
持って帰って

図書館の入口から出る乙部の後ろ姿。紙の束を抱え、外の通りへ小走りで出ていく。

次の朝︒
発注の締め切り︒

朝の事務所の棚の前。発注票のバインダーを抱えた日下部が、印刷した3枚の紙を持って現れた乙部を振り向く。棚の水は昨日のまま。朝の窓の光。

日下部 里奈:で
国が
やってくれる?

乙部の顔の寄り。昨日より落ち着いた顔で、まっすぐ日下部を見る。

乙部 航平:防災庁は
国の役所の仕事

乙部 航平:家の備えは
家の分でした

机の上に並べた3枚の紙を、真上から。3枚とも見出しの帯だけ青。日下部の指が1枚の端に置かれ、紺のカーディガンの袖が写る。字は無い。

〈図書館で刷った3枚〉防災庁設置法(e-Gov)首相官邸「災害への備え」農林水産省 食品ストックガイド

日下部の胸から上。紙から目を上げて、真顔で乙部を見る。

日下部 里奈:会社の棚は?

乙部 航平:言い切れない
って言われた

日下部の顔の寄り。手の紙に目を落とし、口の端がゆるんで小さく笑う。

日下部 里奈:部長に
聞くしかないか

日下部が乾パンの缶を、乙部の方へ押し出すように差し出す。乙部は缶を両手で受けて、とまどう。缶が枠の右を越える。

日下部 里奈:今月末の分は
お昼に食べて

日下部 里奈:食べた分を
買い足すから

乙部の胸から上。缶を持ったまま、天井を見上げて計算する顔。

乙部 航平:僕は帰りに
水を9リットル
ひとり3日分

事務所の棚の前の2人。日下部は発注票に何かを書き込み、乙部は乾パンの缶を手に、棚の水のペットボトルへ手を伸ばす。朝の光が棚の水に当たる。

日下部 里奈:1週間分は
その次ね

防災庁は︑国の役所︒
家の備えは︑家の分︒

〈この話の決まり〉2026年11月2日時点の、防災庁設置法(e-Gov)・首相官邸・農林水産省の発表によります。決まりが変わった時は、この話に追記します。

読み切り「国の分、家の分」

おわり

この物語はフィクションです。会社・図書館・人物は架空です。制度の説明は2026年11月2日時点の、防災庁設置法(e-Gov 法令検索)・首相官邸・農林水産省の発表によります。

お気に入りから外しますか?

防災庁ができると、うちの何が変わる?

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この話で分かること

防災庁(ぼうさいちょう)とは? いつできた?

防災庁設置法(ぼうさいちょうせっちほう)(令和8年法律第61号、2026年7月17日公布)に基づいて内閣に置かれた国の役所です。防災に関する内閣の事務を内閣官房と共に助け、防災の行政事務が円滑に進むようにします。長は内閣総理大臣で、防災大臣が置かれます。施行は2026年11月2日です(e-Gov 法令検索)。

物語との違い

防災大臣は、関係行政機関の長に資料の提出と説明を求められ、特に必要な時は勧告できます(第八条)。勧告を受けた長は十分に尊重しなければなりません。

防災庁(ぼうさいちょう)の仕事は? 家庭の備蓄も防災庁がそろえる?

第三条の任務は、防災に関する内閣の事務を内閣官房と共に助ける事と、防災の行政事務の円滑で迅速な遂行です。第四条の仕事には、防災の基本的な方針や計画の企画・立案・総合調整、大規模な災害への対処の企画・立案・総合調整、被災者の応急救助、被災者生活再建支援金の支給、激甚災害の指定などが並びます。

物語との違い

第四条の仕事の並びに、各家庭の備蓄をそろえる事は載っていません。ほかの法律や計画に何が書かれているかは、この条文だけでは分かりません。災害の後の救助も防災庁の仕事に並びますが、農林水産省は、支援物資が3日以上届かない事や、1週間は店で食品が手に入らない事が想定されるため、家庭の備蓄が望ましいと書いています。

家の備蓄は何日分を目安にする?

首相官邸のページでは、飲料水(1人1日3リットルが目安)と非常食を3日分、大規模災害発生時には1週間分の備蓄が望ましいとされています。農林水産省も、最低3日分から1週間分に人数をかけた量が望ましく、できれば1週間分と書いています(令和8年9月改訂の概要版)。

物語との違い

量は目安で、人数・年齢・持病・住んでいる地域で変わります。農林水産省は、自治体(じちたい)のハザードマップなどで地域の状況を見て、2週間分など多めに備える事も大切と書いています。飲料水とは別に、トイレを流す生活用水も要ります。

ローリングストック(ろーりんぐすとっく)とは?

普段の食品を少し多めに買い置きして、賞味期限(しょうみきげん)を考えて古い物から食べ、食べた分を買い足す方法です。いつも一定の量の食品が家にある状態を保てます。農林水産省は、費用も時間も普段の買い物の範囲でできると書いています。

物語との違い

備蓄の食品は、災害の時に使う「非常食」と、普段使っていて災害の時にも使える「日常食品」の2種類です。農林水産省は、バランスよく備える事が大事と書いています。

水はどれくらい備える? ひとり暮らしでは?

農林水産省によると、飲料用と調理用の水は1人1日3リットルが目安で、最低3日分なら9リットルです。1週間分なら21リットルで、2リットルのペットボトルなら11本です。

物語との違い

1人1日3リットルは目安で、湯せんや洗い物の水は別に要ります。ひとり暮らしの量は、人数が1人の場合の計算で、持病や乳幼児がいる家は変わります。

この話の用語

防災庁(ぼうさいちょう)漫画の中で見る
現実の事実防災庁設置法(ぼうさいちょうせっちほう)に基づいて内閣に置かれた国の役所です。防災に関する内閣の事務を内閣官房と共に助け、防災の行政事務が円滑に進むようにします。長は内閣総理大臣で、防災大臣が置かれます。施行は2026年11月2日です(e-Gov 法令検索)。
防災庁設置法(ぼうさいちょうせっちほう)
現実の事実防災庁(ぼうさいちょう)という役所の作り方と仕事を決めた法律です。令和8年法律第61号で、2026年7月17日に公布されました。第四条に防災庁の仕事が並び、防災の基本的な方針や計画を考える事と、役所どうしの調整が先頭に書かれています。
家庭の備蓄漫画の中で見る
現実の事実首相官邸のページでは、飲料水と非常食を3日分、大規模な災害では1週間分の備蓄が望ましいとされています。農林水産省は、最低3日分から1週間分に人数をかけた量を勧めていて、できれば1週間分を備えましょうと書いています。
ローリングストック(ろーりんぐすとっく)漫画の中で見る
現実の事実普段の食品を少し多めに買い置きして、賞味期限(しょうみきげん)の近い古い物から食べ、食べた分を買い足す方法です。いつも一定の量の食品が家にある状態を保てます。農林水産省は、費用も時間も普段の買い物の範囲でできる事が良い点だと書いています。
ハザードマップ(はざーどまっぷ)漫画の中で見る
現実の事実洪水・土砂災害・高潮・津波などの危険な場所を、地図に示した物です。国土交通省と国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」で、住所から調べられます。市町村(しちょうそん)が法令に基づいて作った地域のハザードマップへのリンクもあります。

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あなた日下部さんが部長に備蓄の発注を相談する場面を考えたい

AI部長の席の前で、日下部は乙部の刷った3枚の紙を机に置きます。「国の分と家の分は別でした。会社の分は、人数と建物で変わるので、決めてください」と、言い切らずに頼む形にできます。

あなたその時、部長が返しそうな一言を

AI部長「ひとまず、期限が近い分から回そうか」。絵:腕を組んで棚の写真を見る部長と、発注票を差し出す日下部さん。

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この話のあらすじ

ある昼休み、文具の卸の会社の営業事務2年目の乙部 航平は、スマホで「防災庁(ぼうさいちょう)、きょう発足」の見出しを見つけ、総務の日下部 里奈に見せる。日下部は今月末で賞味期限(しょうみきげん)が切れる水と乾パンの棚を前に、あしたの朝までに発注するかどうかを決めたい。「国が備蓄をやるでしょ、棚はいらなくない?」と言った乙部は、図書館の司書の吉住 ふみに会いに行く。防災庁設置法(ぼうさいちょうせっちほう)を読むと、防災庁は内閣に置かれた国の役所で、仕事は防災の計画づくりと役所どうしの調整だった。家庭の備蓄をそろえる事は、第四条の仕事の並びに載っていない。ほかの決まりに何があるかは、この条文だけでは言い切れない。家の備蓄は首相官邸のページに、飲料水と非常食を3日分、大規模災害では1週間分が望ましいと出ていて、水は1人1日3リットルが目安だ。ひとりで21リットルと驚く乙部に、吉住は農林水産省のローリングストックを教える。会社の棚が何日分かは、人数や建物で違うので言い切れない。次の朝、乙部は日下部に、防災庁は国の役所の仕事で、家の備えは家の分だったと伝える。日下部は期限が近い分を食べて買い足す事にし、乙部は帰りに水を買う。

作者

漫画でわかるニュース

仕事と暮らしに関わるニュースを、1つの話の読み切りの漫画にしています。トゥーンエルのニュース編集部が作っています(運営・編集はトゥーンエル編集部)。

この作品について

ニュースの見出しの「防災庁」を、防災庁設置法の条文と、首相官邸・農林水産省の家庭の備蓄のページで読み解く読み切り。防災庁は何をする役所か、家の備蓄は何日分を目安にするのか、ローリングストックとは何かが、物語の流れで分かります。

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