第1話「その大蛇は、酒では酔わない」

市の防災無線(機械の声):簸上川が
危ない水位を
こえました

図書館に
市立簸上図書館 郷土資料室の
日野 陽太:お姉さん
あれ
なに?
稗田 ふみ:前だけ
見てて
川の上に︑
八つの頭があった︒
その神の倒し方は、原典に書いてある
第1話「その
40分前︒
市立簸上図書館︒

ヨミ(動画)(機械の声):オロチは
お酒で
倒せます!
ヨミ(動画)(機械の声):神話にも
書いて
あります

簸上川
稗田 ふみ:橋を
渡らないと

日野 陽太:オロチって
お酒で
寝るんでしょ?
稗田 ふみ:︙︙出典は?
日野 陽太:しゅってん?
稗田 ふみ:あ︙︙
ごめん
子どもにまで︑
出典を聞いてしまう︒
昔からの︑悪い癖だ︒
八雲橋のたもと︒
21時10分︒

簸上市 危機管理課長
大庭 剛:稲田酒造さんの
酒︑全部!
大庭 剛:まいて!

ドォン
避難の人たち(何人もの声):酔って
ない!

図書館の窓から︑
私は見ていた︒

稗田 ふみ:ただの
酒じゃ
ない

稗田 ふみ:古事記の
原文なら︙︙
稗田 ふみ:酒だけじゃ
ない
稗田 ふみ:門と
桟敷と
船が要る

運動は︑
昔からできない︒
八雲橋︒
21時40分︒

日野 陽太:渡れない︙︙
大蛇を見ると︑
私にだけ︑
数字が見える︒
稗田 ふみ:俗説は
姿を強く
するだけ
稗田 ふみ:弱点は
原典にしか
ない
堤防の
稲田酒造の

稗田 ふみ:その桶
いちばん
重ねた酒
ですか?
稲田 源蔵:ほう︙︙
なんで
分かる
稗田 ふみ:何度も
醸した酒が
要るんです
稲田 源蔵:醸した酒で
また醸した
祖父の代の
酒だ
稗田 ふみ:それを
一つだけ
ください

八つは︑無理︒
でも︑一つなら︒

ゴクッ


日野 陽太:やった
寝た!
避難の列は︑
橋を渡りきった︒

大庭 剛:図書館の方は
ずいぶん
ご立派な
読み方を
大庭 剛:へえ︙︙
で︑残りの
七つは?
稗田 ふみ:門が
七つ
足りません

稗田 ふみ:尾が︙︙
光ってる

稗田 ふみ:︙︙誰の?
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