第1話ログイン
一覧

第1話「消えるとは、書けない」

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

夜のオフィス。奥の窓に夜の街の明かり。手前の机だけが白い卓上ライトに照らされ、赤ペンの線がたくさん入った印刷の紙と、白く光るノートパソコンが置いてある。

午後9時。通販の会社の法務部。

〈新しい美容液の広告の案〉シミが消える美容液たった2週間で、白い肌へ皮膚科の医師も驚いた

浜崎 大吾:来栖さん
まだ?

机に片手をついて身を乗り出す、ネクタイをゆるめた男性社員(左)と、頬づえをついて紙に赤ペンを当てる若い女性社員(右)。男性の手には飲み物の瓶。

ハナノメ通販 美容の商品の担当(31)浜崎 大吾

浜崎 大吾:0時に
出すって
言ったっしょ

来栖 文乃:あの︙︙
1つ目から
いいですか

来栖 文乃:シミが
消える︙︙

頬づえをつき、赤ペンの先を紙の上の一行に当てて、困ったように眉を寄せる若い女性社員の寄り。ゆるくまとめた髪、細い銀縁の眼鏡、首から無地の社員証。

ハナノメ通販 法務部 広告の審査(24)来栖 文乃

来栖 文乃:その言葉
言えません

浜崎 大吾:はあ!?

浜崎 大吾(画面の外の声):よその広告
みんな
書いてるっしょ

〈公開まで あと3時間〉0:00 新しい美容液の発売広告の審査:来栖 文乃(初めて1人で受け持つ)

来栖 文乃:初めての
担当で
いきなり︙︙

来栖 文乃:えっと
化粧品は
薬機法で
言える事が
決まってて

薬機法(やっきほう)(医薬品医療機器等法(いやくひんいりょうききとうほう))の解説

作中の世界の決まり作中の通販の会社「ハナノメ通販」と、美容液の広告の案は架空の物です。

現実の事実医薬品・医薬部外品(いやくぶがいひん)・化粧品・医療機器(いりょうきき)などの品質と安全を守るための法律で、正式な名前は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。広告についても決まりがあり、効能や効果について、うそや大げさな広告をしてはいけないと定めています(第66条)。

化粧品の広告で、言える効能は?
厚生労働省の通知で、化粧品の効能の範囲が56項目決められています(「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」など)。この範囲を超える効能は、化粧品の広告で言えません。

出典

この言葉のこと、いつもの AI に

この話の内容をそのまま持って、AI に聞けますGemini だけは、開いたら貼り付けてください(内容はコピーしておきます)

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

真上から見た机。赤い直しの入った細かい表の紙(読めない行だけ)を3枚広げ、赤ペンでなぞる若い女性社員(右)。左から男性社員が額に手を当ててのぞき込む。

〈化粧品で言える効能(56項目から)〉(19) 肌を整える(24) 皮膚にうるおいを与える(30) 肌にはりを与える(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ

浜崎 大吾:あるじゃん!
シミって

表の一行を指でばんばん叩いて、得意げに笑う男性社員の寄り。指の先の紙の行は読めない線だけ。

浜崎 大吾:ほら
防ぐって

来栖 文乃:でもこれ
夜に塗る
美容液
ですよね

来栖 文乃:日やけを
防ぐ働き
ないです

浜崎 大吾:マジか︙︙

浜崎 大吾:じゃあ
薬用の
やつは?

浜崎 大吾:シミを
防ぐって
書いてるの
あるっしょ

来栖 文乃:あれは
医薬部外品
なんです

若い女性社員が、机の上の白い箱を2つ(どちらも字の無い箱)左右の手に持って見比べる手元と顔。片方の箱には小さな緑の丸い印の形だけ。

来栖 文乃:薬用って
つくのは
だいたい
医薬部外品

医薬部外品(いやくぶがいひん)(薬用化粧品(やくようけしょうひん))の解説

現実の事実吐きけや体臭の防止、あせも・ただれの防止、育毛など、法律で決められた目的に使う物で、人の体への作用がおだやかな物です。「薬用」とうたう化粧品の多くは医薬部外品で、品目ごとに承認などを受けた効能・効果の範囲で広告できます。化粧品は、体を清潔にし、美しくし、皮膚や髪を健やかに保つための物です。

化粧品と医薬部外品の、広告の違いは?
化粧品は、厚生労働省の通知の56項目の範囲までしか効能を言えません。医薬部外品は、品目ごとに承認などを受けた効能・効果の範囲で言えます。どちらも、その範囲を超えて言うことはできません。

出典

この言葉のこと、いつもの AI に

この話の内容をそのまま持って、AI に聞けますGemini だけは、開いたら貼り付けてください(内容はコピーしておきます)

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

来栖 文乃:品目ごとに
承認を
受けた
効能で

来栖 文乃:うちのは
化粧品で︙︙

浜崎 大吾:じゃあ
「医師も
驚いた」は?

浜崎 大吾:これは
効能じゃ
ないっしょ

来栖 文乃:それも︙︙
ごめんなさい

〈薬機法 第66条 第2項〉効能・効果について、医師などが保証したと誤解されるおそれのある広告は、うそや大げさな広告(誇大広告)に当たる

誇大広告(こだいこうこく)(薬機法(やっきほう) 第66条)の解説

現実の事実医薬品・医薬部外品(いやくぶがいひん)・化粧品などの名前・作り方・効能・効果について、はっきり言っても、ほのめかしても、うそや大げさな記事を広告してはいけないという決まりです。効能・効果を医師などが保証したと誤解されるおそれのある広告も、これに当たります。

「個人の感想です」と書けば、大げさに言ってもいい?
薬機法の第66条は、はっきり言う広告だけでなく、ほのめかす広告も対象にしています。言えない効能を感想の形にしても、ほのめかす広告として対象になり得ます。

出典

この言葉のこと、いつもの AI に

この話の内容をそのまま持って、AI に聞けますGemini だけは、開いたら貼り付けてください(内容はコピーしておきます)

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

浜崎 大吾:全部
だめ
じゃん

机に突っ伏す男性社員(左)。赤い直しの入った紙が、机の端から何枚も滑り落ちる。奥(右)で若い女性社員が両手を上げておろおろしている。

浜崎 大吾:うちの課
今月
これに
賭けてんの

来栖 文乃:う︙︙
でも︙︙

乙部 澄香(画面の外の声):で
根拠は?

ハナノメ通販 法務部の課長(52)乙部 澄香

開いた扉の所に立つ年配の女性の上司。銀色の短い髪に眼鏡、紺のカーディガン、手にマグカップ、胸ポケットに赤ペン。2人を静かに見ている。

来栖 文乃:課長︙︙
56項目と
第66条です

乙部 澄香:言えない
言葉を
消すだけなら

乙部 澄香:赤ペンにも
できるわ

乙部 澄香:言える言葉を
2人で
探しなさい

来栖 文乃:2人で︙︙

机をはさんで顔を見合わせる2人。左の男性社員は自分の胸に手を当ててぽかんと口を開け、右の若い女性社員は赤ペンを両手で握って、真剣な目で男性を見る。

浜崎 大吾:え
俺も?

来栖 文乃:お願い
します!

夜の会議室の壁一面のホワイトボード。広告の言葉の候補が何十行も書かれ(読めない線だけ)、その多くに赤い線が引かれている。下へ行くほど、線の少ない行が増える。ホワイトボードの前で、赤ペンを持った若い女性社員(右の手前)と、腕まくりした男性社員(左の奥)が並んで書いては消す。足もとに丸めた紙がいくつも落ちている。

シャッ

浜崎 大吾:これも
だめ!?

午後11時︒

来栖 文乃:あの︙︙
浜崎さん
これ
使って
みました?

浜崎 大吾:そりゃ
毎晩

照れたように自分の頬を指で触る男性社員の寄り。ゆるめたネクタイ、目の下に少しくま。

浜崎 大吾:朝
肌が
もちっと
してて

来栖 文乃:それ!

来栖 文乃:「うるおいを
与える」なら
言えます

〈言える言い方〉(24) 皮膚にうるおいを与える(30) 肌にはりを与える※化粧品の効能の範囲(厚生労働省の通知)

浜崎 大吾(つぶやき):︙︙じゃあ
こう?

〈直した広告の案〉夜のうちに、肌にうるおいとはりを。朝の鏡が、ちょっと楽しみになる。

来栖 文乃:あ︙︙
いいです

来栖 文乃:すごく
いいです

乙部 澄香:ふうん

夜のオフィス。パソコンの画面をのぞく3人。真ん中で上司が小さくうなずき、右の若い女性社員がほっと胸をなで下ろし、左の男性社員が両手を突き上げる。

〈公開まで あと0分〉0:00 新しい美容液の発売広告の審査:済み(来栖 文乃)

浜崎 大吾:来栖さん
やるじゃん

来栖 文乃:浜崎さんの
言葉
ですよ

来栖 文乃:通った︙︙

翌朝8時︒

浜崎 大吾:来栖さん!

朝のオフィスの入口。息を切らして駆け込んできた男性社員が、スマートフォンの画面をこちらへ突き出す。画面は白い光だけ。

浜崎 大吾:これ
見た?

〈ゆうべ出た広告(同じ会社のサプリ)〉飲むだけで痩せる広告の審査:記録なし

来栖 文乃:えっ

乙部 澄香(画面の外の声):うちの審査
通って
ないわね

来栖 文乃:飲むだけで
痩せる︙︙

青ざめた若い女性社員の寄り。眼鏡の奥で目を見開き、手に持った赤ペンを握りしめる。後ろの窓に朝の白い光。

来栖 文乃:これも
言えません

来栖 文乃:︙︙ですよね?

朝の白い光の会議室。窓際に立つ上司が、健康食品の小さな箱(字の無い白い箱)を手に取り、こちらに背を向けて外を見ている。机の上に赤ペンが1本。

〈次の審査〉健康食品(サプリ)の広告出したのは、ゆうべの22時

乙部 澄香(画面の外の声):来栖さん
10時に
会議室

第1話「消えるとは、書けない」

つづく

この作品を評価する

ログイン

ログインして、★で評価してみてください。

ログインすると、トゥーンエルから新しい話のお知らせをメールでも受け取ります(マイページでいつでも止められます)。

評価を外しますか?

評価を下げますか?

続編が待てないあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

第1話の続き、いつもの AI で作ってみてください。

  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選んで
  2. 2AI が開く作品の設定とあらすじつきで
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示まで
例:AI との相談

あなた次の話で、サプリの広告を書いた人に文乃が初めて会う場面を考えたい

AI書いた人が「ほかの会社も同じ言葉を使っている」と言うか、「数字が足りなかった」と言うかで、文乃が責めるか一緒に直すかが変わります。浜崎がその人を知っているかどうかで、関係の段も作れます。

あなた数字が足りなかった、の形で、最初の台詞を

AI書いた人「……あと3日で、月の数字が締まるんです」。文乃「あの、責めに来たんじゃ、なくて」。絵:朝の会議室、机の上の健康食品の箱と、赤ペン。

送る質問あらすじを踏まえて、次の話の展開を一緒に考えて

無料の Google ログインで使ってみてください

ログインすると、トゥーンエルから新しい話のお知らせをメールでも受け取ります(マイページでいつでも止められます)。

Gemini だけは、開いたら貼り付けてください(内容はコピーしておきます)。

AI の答えは、作品の公式の続きではありません。作った物を出す時は、利用ガイドを見てください。

この話の感想・こうなったらいい

感想や「こういう展開が読みたい」を、編集部へ送ってください(ほかの人には公開しません)。

この作品を読んだあなたへ

この話で分かること

薬機法(やっきほう)とは? 化粧品の広告で言えないことは?

医薬品・医薬部外品(いやくぶがいひん)・化粧品・医療機器(いりょうきき)などの品質と安全のための法律です(正式な名前は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)。化粧品の広告で言える効能は、厚生労働省の通知の56項目の範囲までで、それを超える効能や、うそ・大げさな言い方は広告できません。

条件・例外

56項目には「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「肌にはりを与える」などがあります。事実に反しない限り、「小じわを目立たなくみせる」のようなメーキャップの効果も言えます。

化粧品と医薬部外品(いやくぶがいひん)(薬用化粧品(やくようけしょうひん))の違いは?

化粧品は、体を清潔にし、美しくし、皮膚や髪を健やかに保つための、作用がおだやかな物です。医薬部外品は、法律で決められた目的(体臭の防止・あせもの防止・育毛など)に使う、作用がおだやかな物です。広告では、化粧品は56項目の範囲、医薬部外品は品目ごとに承認などを受けた効能・効果の範囲で言えます。

化粧品の広告で「シミが消える」と言える?

言えません。化粧品の56項目にある、シミに関わる言い方は「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」だけで、できたシミが消えるという効能はありません。

条件・例外

「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」も、日やけを防ぐ働きのある商品でなければ、事実に反するので言えません。個別の広告が決まりに当たるかは、商品と表示ごとに違います。

物語との違い

作中の美容液と広告の案(「シミが消える」「たった2週間で」「皮膚科の医師も驚いた」)は、言えない例として作った物です。

「医師も驚いた」のように、医師を出す広告は?

効能・効果について、医師などが保証したと誤解されるおそれのある広告は、薬機法(やっきほう)の第66条で、うそや大げさな広告(誇大広告(こだいこうこく))に当たるとされています。

条件・例外

はっきり言う広告だけでなく、ほのめかす広告も対象です。

この話の用語

薬機法(やっきほう)(医薬品医療機器等法(いやくひんいりょうききとうほう))漫画の中で見る
作中の世界の決まり作中の通販の会社「ハナノメ通販」と、美容液の広告の案は架空の物です。
現実の事実医薬品・医薬部外品(いやくぶがいひん)・化粧品・医療機器(いりょうきき)などの品質と安全を守るための法律で、正式な名前は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。広告についても決まりがあり、効能や効果について、うそや大げさな広告をしてはいけないと定めています(第66条)。
医薬部外品(いやくぶがいひん)(薬用化粧品(やくようけしょうひん))漫画の中で見る
現実の事実吐きけや体臭の防止、あせも・ただれの防止、育毛など、法律で決められた目的に使う物で、人の体への作用がおだやかな物です。「薬用」とうたう化粧品の多くは医薬部外品で、品目ごとに承認などを受けた効能・効果の範囲で広告できます。化粧品は、体を清潔にし、美しくし、皮膚や髪を健やかに保つための物です。
誇大広告(こだいこうこく)(薬機法(やっきほう) 第66条)漫画の中で見る
現実の事実医薬品・医薬部外品(いやくぶがいひん)・化粧品などの名前・作り方・効能・効果について、はっきり言っても、ほのめかしても、うそや大げさな記事を広告してはいけないという決まりです。効能・効果を医師などが保証したと誤解されるおそれのある広告も、これに当たります。

出典

更新日:

この話のこと、いつもの AI に聞いてみてください。

この話の内容をそのまま持って、AI に聞けますGemini だけは、開いたら貼り付けてください(内容はコピーしておきます)

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

おすすめの道具

  • トゥーンエルを AI に追加(無料・登録なし・読むだけ)

    できること
    トゥーンエルのコネクタ(MCP)を AI に追加すると、ほかの話・用語も AI が読めます。読むだけの道具で、書き込みはしません。
    作品との関係
    トゥーンエルを運営するH株式会社の道具です。
    費用
    無料

    Claude に追加(新しいタブで開きます)

    名前は「トゥーンエル」、URL は https://tooneru.com/mcp です。「続ける」→(認証は「サインインなし」のまま)「追加」→「連携/連携させる」→ 読み取り専用ツールを「常に許可」の順です。

    ChatGPT に追加する手順

この話のあらすじ

午後9時、通販の会社「ハナノメ通販」の法務部。広告の審査の新人・来栖 文乃(24)の前に、美容の商品の担当・浜崎 大吾が新しい美容液の広告の案を持ってくる。「シミが消える」「たった2週間で」「皮膚科の医師も驚いた」。0時の発売まで3時間。文乃は「その言葉、言えません」と言う。化粧品で言える効能は、厚生労働省の通知の56項目の範囲だけ。「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」はあるが、夜に塗る美容液には日やけを防ぐ働きが無い。薬用の化粧品は医薬部外品(いやくぶがいひん)で、品目ごとに承認を受けた効能を言えるが、この美容液は化粧品だ。「医師も驚いた」は、医師が保証したと誤解されるおそれのある広告として、薬機法(やっきほう)の第66条に当たる。全部消されて突っ伏す浜崎に、課長の乙部 澄香は「言える言葉を、2人で探しなさい」と言う。午後11時、文乃が浜崎に聞く。「これ、使ってみました?」――「朝、肌がもちっとしてて」。「皮膚にうるおいを与える」なら言える。浜崎が書いた「夜のうちに、肌にうるおいとはりを。」で、広告は0時に出た。ところが翌朝、同じ会社のサプリの広告が、審査を通らずに出ていた。「飲むだけで痩せる」。

作者

ことわり帖

住宅ローンの審査や確定申告、役所の窓口のように、結果だけが届いて理由が見えにくい手続きの裏側を描いています。

この作品について

「消える」「治る」がなぜ広告で言えないのか、では何なら言えるのかを、書く人と止める人の赤ペンのやり取りで追えます。

ことわり帖のほかの作品

この話を紹介する

話のバナー・サムネイル・紹介文・貼れる HTML素材を見る

通知

届く時刻を選んでください(お気に入り(♡)と本棚の作品に新しい話が出た日に、1回だけ届きます)。

届く時刻

お知らせ

お知らせの一覧