読み切り「こっくりさん、お帰りください。」

2年3組
2年3組・
2年3組
綾瀬 るか(何人もの声):こっくりさん
こっくりさん
綾瀬 るか:おいで
ください
綾瀬 るか:ひなのの
財布を
取ったのは
誰ですか

ズズ……

森川 ひなの:︙︙さよ
ちゃん?
秋月 小夜:ち︙︙
違う!
こっくりさん、お帰りください。
読み切り「こっくりさん、
その日の
昼休み︒

森川 ひなの:財布が
ないの
森川 ひなの:おばあちゃんの
お守りが
入ってて
綾瀬 るか:体育の後
最後まで
教室に
いたの
綾瀬 るか:誰だっけ
秋月 小夜:あ︙︙
私
図書の
返却で
誰も︑
何も言わなかった︒
それが︑
いちばん怖かった︒
そして放課後︑
16時52分︒

綾瀬 るか:こっくりさん
お帰り
ください
森川 ひなの(ささやき):帰って
くれない︙︙
綾瀬 るか:明日の朝
先生に
言うから
綾瀬 るか:小夜の
こと

秋月 小夜:︙︙確かめる
私は︑
指を離した︒
図書室︒
17時05分︒

学校の
千賀 道子:あら
もう
閉館なのよ
秋月 小夜:こっくり
さんって
秋月 小夜:本当に
いますか
千賀 道子:ふふ

千賀 道子:いるかは
知らない
けど
千賀 道子:調べた
人なら
いるのよ
秋月 小夜:140年
近く
前︙︙
〈妖怪玄談
秋月 小夜:え︙︙
外国から?


秋月 小夜:十円玉じゃ
ないんだ
千賀 道子:蓋が
こっくりと
傾くから
千賀 道子:こっくり
さん
秋月 小夜:えっ
狐じゃ
ないの!?
千賀 道子:でもね

140年前にも︑
答えひとつで︑
家を出された
人がいた︒
秋月 小夜:じゃあ
私の名前を
出したのは
秋月 小夜:誰?

千賀 道子:円了先生は
ね
千賀 道子:それとね
千賀 道子:昔の事は
よく当たる
けど
千賀 道子:先の事は
当たらない
って

秋月 小夜:︙︙あ
秋月 小夜:座ってる
人が
知ってる
事しか
秋月 小夜:出ない︙︙?
千賀 道子:確かめて
ごらん
2年3組の教室︒
17時20分︒

秋月 小夜:もう一回
やろう
秋月 小夜:今度は
目を
閉じて
綾瀬 るか:︙︙いいよ


目を閉じている間に︑
千賀さんは︑紙を
そっと半分
回した︒
千賀 道子(ささやき):ひなのさんの
財布を
取ったのは?

不覚筋動
十円玉は︑
手が覚えていた
場所へ行った︒
力が入って
いたのは︑
るかの指だった︒

綾瀬 るか:私︙︙
押して
ない
綾瀬 るか:押して
ない
のに
秋月 小夜:うん
秋月 小夜:るかは
押そうと
してない
綾瀬 るか:小夜が
最後に
いたから
綾瀬 るか:ずっと
そう
思ってた

綾瀬 るか:︙︙ごめん
秋月 小夜:じゃあ
昔の事を
聞こう
秋月 小夜:ひなの
最後に
財布を
見たのは?
ひなのが
思い出す順に︑
3人でたどった︒


森川 ひなの:跳び箱の
中︙︙
森川 ひなの:体育の時
ポケットから
落ちたんだ
綾瀬 るか:は〜〜
教室︒
18時︒

綾瀬 るか(何人もの声):こっくりさん
お帰り
ください
こっくりさんを
帰したのは︑
私たちの手だった︒

綾瀬 るか:ねえ
小夜
綾瀬 るか:円了先生って
ほかにも
調べてた?
秋月 小夜:図書室に
あと
6冊
あった
綾瀬 るか:読む

円了は︑
原因が分かる不思議と︑
人の知恵を超える
不思議とを︑
分けて書いた︒
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