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読み切り「こっくりさん、お帰りください。」

夕方の教室を高い所から。机に五十音と鳥居の紙。十円玉に、3人の中学生の女子が人さし指をのせている。西日が窓から斜めに入り、机の影が長い。

16時48分。

2年3組(14)綾瀬 るか

2年3組・図書委員(14)秋月 小夜

2年3組(14)森川 ひなの

綾瀬 るか(何人もの声):こっくりさん
こっくりさん

綾瀬 るか:おいで
ください

綾瀬 るか:ひなのの
財布を
取ったのは
誰ですか

手前に大きく、3人の指をのせた十円玉が紙の上を滑る。奥の字の列がぼやけている。

ズズ……

〈紙の上〉十円玉が止まった字さ → よ

小夜の顔の寄り。目を見開き、唇が白い。左右から、るかとひなのが小夜を見ている。

森川 ひなの:︙︙さよ
ちゃん?

秋月 小夜:ち︙︙
違う!

読み切り「こっくりさん、お帰りください。」

その日の
昼休み︒

昼の教室。鞄を開けて、泣きそうな顔で中を探すひなの。横で腕を組むるか。教室の戸口に、本を抱えた小夜が立ち止まっている。

森川 ひなの:財布が
ないの

森川 ひなの:おばあちゃんの
お守りが
入ってて

綾瀬 るか:体育の後
最後まで
教室に
いたの

綾瀬 るか:誰だっけ

秋月 小夜:あ︙︙
私
図書の
返却で

誰も︑
何も言わなかった︒
それが︑
いちばん怖かった︒

そして放課後︑
16時52分︒

机の紙の高さから見上げる低い角度。十円玉に指をのせたまま、身を乗り出して紙をにらむ小夜。左の窓に沈む夕日。

綾瀬 るか:こっくりさん
お帰り
ください

〈紙の上〉十円玉は「いいえ」から動かない

森川 ひなの(ささやき):帰って
くれない︙︙

綾瀬 るか:明日の朝
先生に
言うから

綾瀬 るか:小夜の
こと

机の上の十円玉から、小夜の人さし指が離れる瞬間の寄り。指先が震え、十円玉の縁が西日で銅色に光る。

秋月 小夜:︙︙確かめる

私は︑
指を離した︒

図書室︒
17時05分︒

夕方の図書室。カウンターで古い本の綴じ糸を直している司書の女性が顔を上げる。戸口で息を切らした小夜。

学校の司書(63)千賀 道子

千賀 道子:あら
もう
閉館なのよ

秋月 小夜:こっくり
さんって

秋月 小夜:本当に
いますか

千賀 道子:ふふ

鍵のかかったガラスの棚から、司書の手が古い和綴じの本を1冊取り出す寄り。和紙の表紙の毛羽。手前に棚の鍵。

千賀 道子:いるかは
知らない
けど

千賀 道子:調べた
人なら
いるのよ

〈妖怪玄談〉井上円了 著明治20年(1887年)5月 哲学書院

井上円了(いのうええんりょう)の解説

現実の事実明治の哲学者で、1887年(明治20年)に私立哲学館(今の東洋大学)を開きました。全国から妖怪や不思議な話を集めて、その原因を心理学などで調べ、「妖怪博士」と呼ばれました。こっくりさんを調べた『妖怪玄談』は同じ年の5月に出た本です。

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秋月 小夜:140年
近く
前︙︙

千賀 道子:こっくりさんは
その頃に
流行ったの

こっくりさん(狐狗狸(こっくり))の解説

現実の事実数人で紙や台に手を軽くのせ、問いに答えて動くのを見る遊び・占いです。井上円了(いのうええんりょう)の『妖怪玄談』(明治20年)によると、明治18年の秋から19年の春に伊豆・駿河・遠江・尾張・美濃で流行し、翌年には京阪から九州、関東まで広がりました。

どこから来た?
円了の調べでは、伊豆の下田の近くで壊れたアメリカの帆船の人が長くとどまり、その人たちが土地の人に伝えた、とされます。西洋の「テーブルターニング」と同じ類の物と見られています。

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〈妖怪玄談 第14・16節より〉明治18年の秋から19年の春、伊豆・駿河・遠江・尾張・美濃で流行伊豆の下田の近くで壊れたアメリカの帆船の人が、土地の人に伝えたという

秋月 小夜:え︙︙
外国から?

明治の座敷を高い所から。生竹3本を組んで立て、飯櫃の蓋をのせる。着物の3人が向かい合い、手を軽く蓋にのせる。行灯の灯。蓋の縁の寄り。片側の竹の足が浮き、蓋がこっくりと傾く。

〈第6節より〉生竹3本を真ん中で結んで立て、その上に飯櫃の蓋をのせる3人が向かい合い、手を軽くのせる

飯櫃(めしびつ)の解説

現実の事実炊いたご飯を移して入れておく木の入れ物で、「おひつ」とも呼びます。明治のこっくりさんは、生竹3本を真ん中で結んで三つ叉に立て、その上に飯櫃の蓋をのせ、3人が手を軽くのせて行った、と『妖怪玄談』は書いています。

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秋月 小夜:十円玉じゃ
ないんだ

千賀 道子:蓋が
こっくりと
傾くから

千賀 道子:こっくり
さん

千賀 道子:狐狗狸の字は
後から
当てたの

狐狗狸(こっくり)の字の解説

現実の事実「こっくり」は、竹の上の蓋が「こっくりと傾く」ことから付いた名だ、と『妖怪玄談』は書いています。狐・狗(いぬ)・狸の字は、その名に後から当てた物です。円了は、この字のせいで「狐や狸の霊が来る」と思い込む人が増えた、とも書いています。

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秋月 小夜:えっ
狐じゃ
ないの!?

千賀 道子:でもね

〈第4節より〉伊豆の下田の近くの男が、妻に恋人がいるかをコックリに聞いた「いる」と出たので、すぐに妻に離縁を命じたという

離縁(りえん)の解説

現実の事実夫婦や養子の縁を切ることです。『妖怪玄談』には、伊豆の下田の近くの男が、妻に恋人がいるかをこっくりに聞き、「いる」と出たので、すぐに妻に離縁を命じた、という例が、こっくりの弊害として書かれています。

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明治の夕暮れの家の戸口。風呂敷包みを抱えて家を出ていく若い女。戸口の柱にもたれて背を向ける夫。足もとに落ちた竹1本。

140年前にも︑
答えひとつで︑
家を出された
人がいた︒

秋月 小夜:じゃあ
私の名前を
出したのは

秋月 小夜:誰?

小夜の顔の寄り。目を見開き、口が開く。横のガラスの棚に、同じ顔が映っている。棚の中に十円玉が1枚。

千賀 道子:円了先生は
ね

〈第23節より〉動く原因の主な物は、2つ不覚筋動:気づかないうちに、筋肉が動く予期意向:前もって思っている答えが、その動きを導く

不覚筋動(ふかくきんどう)の解説

現実の事実自分で気づかないうちに、筋肉が動くことです。円了は、こっくりが動く内の原因の主な物を「不覚筋動」と「予期意向(よきいこう)」の2つとしました。今の心理学では、似た現象を「観念運動」と呼びます。

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千賀 道子:それとね

千賀 道子:昔の事は
よく当たる
けど

千賀 道子:先の事は
当たらない
って

〈第18節より〉過去のことを問うと当たる事が多いが、未来のことは合わない事が多い、という報告

ガラスの棚の古い本を見つめる小夜の寄り。何かに気づいて目が開き、口が小さく開く。後ろに灯り。

秋月 小夜:︙︙あ

秋月 小夜:座ってる
人が
知ってる
事しか

秋月 小夜:出ない︙︙?

千賀 道子:確かめて
ごらん

2年3組の教室︒
17時20分︒

暗くなった教室。机に戻った小夜の横で、司書がほほえむ。手前のるかは十円玉に指をのせたまま、奥のひなのが小夜を見る。

秋月 小夜:もう一回
やろう

秋月 小夜:今度は
目を
閉じて

〈妖怪玄談 第39節より〉目を閉じて、心を虚静に保たせると、たいてい回転しない

虚静(きょせい)の解説

現実の事実心に何も思わず、静かに落ち着いていることです。円了は、目を閉じて心を虚静に保たせると、こっくりは「たいてい回転せざるもの」だ、と書いています。

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綾瀬 るか:︙︙いいよ

目を閉じた3人の顔が並ぶ。るかの眉が寄っている。司書の手が、紙を音を立てずに半分回す。鳥居の絵が逆さになる。

目を閉じている間に︑
千賀さんは︑紙を
そっと半分
回した︒

千賀 道子(ささやき):ひなのさんの
財布を
取ったのは?

真上から。逆さに回った紙の上、十円玉が字の無い隅へ、元の「さ」があった場所へまっすぐ滑る。それを押す1本の指だけに力が入っている。

不覚筋動

〈紙の上〉十円玉が止まった所回す前に「さ」があった場所(今は字の無い隅)

十円玉は︑
手が覚えていた
場所へ行った︒
力が入って
いたのは︑
るかの指だった︒

目を開けたるかの顔の寄り。下から見上げる角度。自分の人さし指を見つめ、目に涙がたまる。

綾瀬 るか:私︙︙
押して
ない

綾瀬 るか:押して
ない
のに

秋月 小夜:うん

秋月 小夜:るかは
押そうと
してない

綾瀬 るか:小夜が
最後に
いたから

綾瀬 るか:ずっと
そう
思ってた

思っていた答えが︑
指を連れていく︒
円了の言う︑
予期意向︒

予期意向(よきいこう)の解説

現実の事実「こうなるだろう」と前もって心の中で思っている答えが、知らないうちに体の動きを導くことです。円了は、狐狗狸(こっくり)という名や「霊が来る」という言い伝えも、この思い込みを強めると書きました。

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机の上の、るかの両手の寄り。震える右の人さし指を、左手でぎゅっと包んでいる。向こうに十円玉。

綾瀬 るか:︙︙ごめん

秋月 小夜:じゃあ
昔の事を
聞こう

秋月 小夜:ひなの
最後に
財布を
見たのは?

ひなのが
思い出す順に︑
3人でたどった︒

夕方の教室。指を3本立てて数えながら、片手をスカートのポケットに入れて思い出すひなの。
夜の体育館。懐中電灯の光の中、跳び箱の一番上の段を3人で持ち上げる。中に赤い財布。

森川 ひなの:跳び箱の
中︙︙

森川 ひなの:体育の時
ポケットから
落ちたんだ

綾瀬 るか:は〜〜

教室︒
18時︒

教室で、3人が五十音の紙を一緒に破る。紙の破れ目が絵の枠の下の線を越えて舞い落ちる。窓の外は群青の夜。

綾瀬 るか(何人もの声):こっくりさん
お帰り
ください

こっくりさんを
帰したのは︑
私たちの手だった︒

夜の校門。並んで帰る小夜とるか。少し後ろで、ひなのが財布のお守りを握って笑う。街灯の白い輪。

綾瀬 るか:ねえ
小夜

綾瀬 るか:円了先生って
ほかにも
調べてた?

秋月 小夜:図書室に
あと
6冊
あった

綾瀬 るか:読む

誰もいない夜の図書室。カウンターの上、閉じたはずの和綴じの本の頁が1枚だけ、ゆっくりめくれている。横に十円玉が1枚。窓は閉まっている。

円了は︑
原因が分かる不思議と︑
人の知恵を超える
不思議とを︑
分けて書いた︒

読み切り「こっくりさん、お帰りください。」

おわり

この物語はフィクションです。学校と人物は架空で、井上円了と『妖怪玄談』は実在の人物と本です。

お気に入りから外しますか?

こっくりさん、お帰りください。

この話の番外編、いつもの AI で作れます

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感想や「こういう展開が読みたい」をお送りください。編集部の励みになります。いただいた声は、お名前を出さずに、作品の紹介(レビュー)として使わせていただくことがあります。

この話で分かること

こっくりさんとは? いつからある?

数人で紙や台に手を軽くのせ、問いに答えて動くのを見る遊び・占いです。井上円了(いのうええんりょう)の『妖怪玄談』(1887年)によると、明治18年の秋から19年の春に伊豆・駿河・遠江・尾張・美濃で流行し、翌年には京阪から九州・関東まで広がりました。

こっくりさんの正体は? なぜ十円玉が動く?

円了は、動く主な原因を、気づかないうちに筋肉が動く「不覚筋動(ふかくきんどう)」と、前もって思っている答えが動きを導く「予期意向(よきいこう)」の2つとしました。目を閉じて心を静めると、たいてい動かないとも書いています。

物語との違い

作中の「目を閉じて紙を回す」確かめ方は、円了の説明をもとにした物語の中の工夫です。

こっくりさんは漢字でどう書く? 名前の由来は?

狐狗狸(こっくり)と書きます。『妖怪玄談』によると、竹の上にのせた飯櫃の蓋が「こっくりと傾く」ことから付いた名で、狐・狗・狸の字は後から当てた物です。

こっくりさんは、どこから日本に来た?

円了の調べでは、伊豆の下田の近くで壊れたアメリカの帆船の人が長くとどまり、土地の人に伝えたとされます。そこから船頭たちが東西の港へ伝え、東京には海辺の深川・京橋から入った、と書かれています。

井上円了(いのうええんりょう)とは?

明治の哲学者で、1887年(明治20年)に私立哲学館(今の東洋大学)を開きました。妖怪や不思議な話を集めて原因を調べ、「妖怪博士」と呼ばれました。

この話の用語

井上円了(いのうええんりょう)漫画の中で見る
現実の事実明治の哲学者で、1887年(明治20年)に私立哲学館(今の東洋大学)を開きました。全国から妖怪や不思議な話を集めて、その原因を心理学などで調べ、「妖怪博士」と呼ばれました。こっくりさんを調べた『妖怪玄談』は同じ年の5月に出た本です。
こっくりさん(狐狗狸(こっくり))漫画の中で見る
現実の事実数人で紙や台に手を軽くのせ、問いに答えて動くのを見る遊び・占いです。井上円了(いのうええんりょう)の『妖怪玄談』(明治20年)によると、明治18年の秋から19年の春に伊豆・駿河・遠江・尾張・美濃で流行し、翌年には京阪から九州、関東まで広がりました。
飯櫃(めしびつ)漫画の中で見る
現実の事実炊いたご飯を移して入れておく木の入れ物で、「おひつ」とも呼びます。明治のこっくりさんは、生竹3本を真ん中で結んで三つ叉に立て、その上に飯櫃の蓋をのせ、3人が手を軽くのせて行った、と『妖怪玄談』は書いています。
狐狗狸(こっくり)の字漫画の中で見る
現実の事実「こっくり」は、竹の上の蓋が「こっくりと傾く」ことから付いた名だ、と『妖怪玄談』は書いています。狐・狗(いぬ)・狸の字は、その名に後から当てた物です。円了は、この字のせいで「狐や狸の霊が来る」と思い込む人が増えた、とも書いています。
離縁(りえん)漫画の中で見る
現実の事実夫婦や養子の縁を切ることです。『妖怪玄談』には、伊豆の下田の近くの男が、妻に恋人がいるかをこっくりに聞き、「いる」と出たので、すぐに妻に離縁を命じた、という例が、こっくりの弊害として書かれています。
不覚筋動(ふかくきんどう)漫画の中で見る
現実の事実自分で気づかないうちに、筋肉が動くことです。円了は、こっくりが動く内の原因の主な物を「不覚筋動」と「予期意向(よきいこう)」の2つとしました。今の心理学では、似た現象を「観念運動」と呼びます。
虚静(きょせい)漫画の中で見る
現実の事実心に何も思わず、静かに落ち着いていることです。円了は、目を閉じて心を虚静に保たせると、こっくりは「たいてい回転せざるもの」だ、と書いています。
予期意向(よきいこう)漫画の中で見る
現実の事実「こうなるだろう」と前もって心の中で思っている答えが、知らないうちに体の動きを導くことです。円了は、狐狗狸(こっくり)という名や「霊が来る」という言い伝えも、この思い込みを強めると書きました。

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更新日:

この先が気になるあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

この話の番外編、いつもの AI で作ってみてください。

  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選んで
  2. 2AI が開く作品の設定とあらすじつきで
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示まで
例:AI との相談

あなた小夜たちが、円了のほかの本を読んで、別の学校の七不思議を調べる続きを考えたい

AI次は「音楽室の夜のピアノ」を、3人が円了の分け方(原因が分かる不思議か、そうでないか)で確かめる、とすると、毎回1つの怪談を調べる連作にできます。

あなたその時、るかが言いそうな一言を

AIるか「今度は、私が最後に教室にいたことにしていいよ」。絵:懐中電灯を自分の顔の下から当てて笑うるか。

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この話のあらすじ

10月の放課後、2年3組の教室。森川 ひなのの財布がなくなり、綾瀬 るかの言い出したこっくりさんで、十円玉は図書委員の秋月 小夜の名前「さ・よ」で止まり、「お帰りください」に行かない。るかは明日の朝、先生に言うと言う。小夜は指を離して図書室へ走り、司書の千賀 道子から、明治20年に井上円了(いのうええんりょう)が書いた『妖怪玄談』を見せられる。こっくりさんは明治18年の秋から19年の春に東海で流行し、伊豆の下田の近くで壊れたアメリカの帆船の人が伝えたという。元は生竹3本と飯櫃の蓋で、蓋が「こっくり」と傾くのが名の元、狐狗狸(こっくり)の字は後から当てた。答えを信じて妻を離縁した男の話もある。円了は動く原因を「不覚筋動(ふかくきんどう)」と「予期意向(よきいこう)」とし、過去のことは当たるが未来は合わない事が多いという報告も集めていた。小夜は教室に戻り、3人で目を閉じ、司書がこっそり紙を半分回す。十円玉は元の「さ」の場所へ滑り、るかは自分の思い込みに気づいて謝る。過去を問う形でひなのの記憶をたどると、財布は体育館の跳び箱の中にあった。3人は紙を破って「お帰りください」と言う。

作者

トゥーンエル編集部

トゥーンエルを運営する H株式会社の編集部です。ミステリーや家族の物語など、仕事の題材に限らない作品を作っています。

この作品について

怖い話の正体を、明治の博士の調べ方でたどっていく読み切り。こっくりさんの始まりと、十円玉が動く理由が、物語の流れで分かります。

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