第3話「条件付き」
この

潮田 ハツ:これね
ぜんぶ
同じ日の
切符なの
羽村 千早:わあ︙︙
こんなに
外は︑雨に
なっていた︒

島に
潮田 ハツ:いちばん
上が
去年の分
潮田 ハツ:台風で
欠航
でね
羽村 千早:えっ
欠航︙︙?
潮田 ハツ:お金は
戻らないと
思ってたの
最終便、欠航です。
第3話

羽村 千早:飛んで︙︙
戻ってる
羽村 千早:去年の便
欠航じゃ
なくて︙︙
戻って
きてたん
ですね

潮田 ハツ:ええ
ひどく
揺れてね
羽村 千早:あっ
間に合い
ます!
潮田 ハツ:あら︙︙
潮田 ハツ:それでね

潮田 ハツ:あさっての
朝の便も
取って
あるの
羽村 千早:214人の
1人目︙︙
羽村 千早:あすの便に
変え
ませんか
羽村 千早:今なら
手数料
なしで

潮田 ハツ:命日なの
潮田 ハツ:あの人の
夫の墓は︑
本土の寺にある︒
潮田 ハツ:毎年
この日の
朝いちばんで
行ったの

羽村 千早:85歳で
杖で
羽村 千早:台風の
条件付き︙︙
羽村 千早:でも
もし
戻って
きたら︙︙
志摩 剛:羽村

潮田 ハツ:あら
去年の
整備の
方ね
志摩 剛:︙︙覚えて
ましたか
潮田 ハツ:髪が
白く
なったわね
去年︑
引き返した朝︒

志摩 剛(回想の声):本土の
横風が
強すぎ
ました

潮田 ハツ:カウンターの
人は
謝るばかりで
潮田 ハツ:この人だけが
理由を
言って
くれたの
羽村 千早:主任が︙︙
整備の
頃に

同じ
羽村 千早(ささやき):あすに
変えて
もらう方が︙︙
志摩 剛:理由は?
羽村 千早:危ない
から︙︙
志摩 剛:決めるのは
お客だ

全部︑
言う︒
〈180便が
潮田 ハツ:別の空港に
降りたら
潮田 ハツ:この足で
どうするの
羽村 千早:その先は
会社が
運びます

潮田 ハツ:そう︙︙
潮田 ハツ:なら
あさって
乗ります
潮田 ハツ:戻ってきたら
それも
あの人の
返事
あさって︑
6時30分︒

あさっての
引き返したら︑
泊まる所は無い︒
23人全員に︑
先に言った︒
潮田 ハツ:いって
きます
羽村 千早:いって
らっしゃい
ませ

ゴォッ

7時︑
180便は︑
条件付きで
飛んだ︒

滝(電話の声):本土の
横風で
降りられ
ません
羽村 千早:えっ︙︙
滝(電話の声):北の空港へ
向かい
ます
羽村 千早:バスを
お願い
します!

北の空港から︑
本土の空港まで︑
バスで2時間︒
13時︒


潮田 ハツ(電話の声):着き
ましたよ
潮田 ハツ(電話の声):遅れた分
長く
話せたわ
羽村 千早:よかった︙︙
です
その夜︑
台風は︑
島の上にいた︒

羽村 千早:主任
羽村 千早:主任が
「理由は?」
って
聞くの
羽村 千早:去年の
あの朝から
ですか

志摩 剛:︙︙
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