第1話「父の時計」
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

閉店の︑5分前︒
宮坂 修一:すみません
宮坂 修一:これ
いくらに
なりますか
久遠 すず:は︑はい

久遠質店
久遠 すず:えっと︙︙
1人で値を
付けるの
初めてだ
〈
久遠 すず:じいちゃん
お客さん︙︙
帳場の奥の︑畳の部屋︒

久遠質店の
久遠 徳次:すずが
見ろ
久遠 すず:えっ
1人で!?
久遠 徳次:品は
うそを
つかん
久遠 徳次:見たまま
言えばいい

久遠 すず(つぶやき):あ︙︙
これ
知ってる
すずは3か月前まで︑
百貨店の時計売り場に
いた︒
久遠 すず:いい時計
ですね
久遠 すず:新品なら
40万円
くらいの︙︙
宮坂 修一:えっ
そんなに

客
宮坂 修一:先月
亡くなって
宮坂 修一:売って
いいんですかね
久遠 すず:え︙︙
久遠 すず:そういうの
聞くの
苦手だ︙︙
久遠 すず:あ︑えっと
値段を
先に

〈この
久遠 すず:止まってるし
箱も
無い︙︙
〈買取の
宮坂 修一:40万が
3万︙︙

宮坂 修一:やっぱり
いいです
宮坂 修一:すみません
遅くに

久遠 徳次(画面の外の声):売らんでも
いい
久遠 すず:じ
じいちゃん

宮坂 修一:しち︙︙?
久遠 すず:あ︙︙
預けるって
事です
〈質と
宮坂 修一:3か月︙︙

宮坂 修一:︙︙正直
売りたく
なかったんです
久遠 すず:あの
言いにくいん
ですけど
宮坂 修一:あ︑はい
免許証で

宮坂 修一:また
来ます
久遠 すず:お待ち
してます
質で︑3万円︒
すずが1人で付けた︑
最初の値︒

久遠 徳次:値より先に
客の顔を
見たな

久遠 すず:だって︙︙
見ちゃった
から
久遠 徳次:いてて
〈
閉店の後︒


しまう前に︑
裏ぶたを拭いた︒
久遠 すず:え︙︙
〈裏ぶたの
久遠 すず:敏夫さん
なら︙︙
T.M のはず
久遠 すず:頭文字が
違う
久遠 徳次:その時計
見せてみろ

久遠 徳次:この時計︙︙
久遠 徳次:前に一度
うちに
来とる
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あなた刻印の「S.K」を祖父が知っていた次の朝、すずが帳面の棚を開ける場面を考えたい
AI祖父が先に棚の前に座っているか、すずが1人で古い帳面を探すかで、2人の間の秘密の重さが変わります。昭和60年の帳面の背表紙だけ、手ずれで色が違う絵にすると、読む人の目が止まります。
あなた祖父が先に座っている形で、最初の台詞を
AI徳次「……早いな」。すず「じいちゃんこそ」。絵:朝の光の届かない帳場の奥、古い帳面の棚の前に正座する祖父の背中。
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