第4話「しびれは、いつから」

木津 奏太:左の指先が
3日前から
木津 奏太:鍵盤が
遠いんです
整形外科の医師:遠い?
木津 奏太:触ってるのに
触ってる感じが
薄くて
整形外科の医師:いつ
どの指が
どんな時に
整形外科の医師:書いて
次に見せてください
木津 奏太:あ︙︙
はい

痛いところを︑
言葉にするのは
思ったより難しい︒

申し込んでいた
ピアノの
「人身事故」の4文字が︑
やっと紙になった︒

店で、
桐谷 涼子(電話の声):お世話になっております
桐谷です
桐谷 涼子(電話の声):その後
お加減は
いかがですか
木津 奏太:首は
少しずつ︙︙
木津 奏太:でも
指が
しびれてきて

桐谷 涼子(電話の声):承知しました
桐谷 涼子(電話の声):主治医の先生に
ご様子を
伺わせていただきます
木津 奏太:あの
桐谷さん
木津 奏太:前に言うてはった
「弊社の基準」って

相手の
桐谷 涼子(電話の声):社内の
お支払いの基準です
桐谷 涼子(電話の声):中身は
お出しできないんです
桐谷 涼子(電話の声):申し訳ございません

木津 奏太:えっ
出されへん?
ごまかされた︑とは
思わなかった︒
本当に︑
出せないのだと思った︒

姉の
姉・
木津 環奈:うちの区役所の
相談より
木津 環奈:交通事故なら
こっちや
木津 奏太:無料︙︙
木津 奏太:ほんまに?
木津 環奈:ほんまに
木津 環奈:それと
木津 環奈:相手に請求できるのも
いつまでもやないで
木津 奏太:えっ
5年て
長いやん
木津 環奈:長い思てたら
すぐや
木津 環奈:あんた
ほっとくやろ

木津 奏太:︙︙ほっとく

奏太の
中津 達郎:前より
ピカピカ
中津 達郎:ナンバーだけ
同じですわ
木津 奏太:ははっ
木津 奏太:姉に
弁護士の相談
勧められて
中津 達郎:特約
使うなら
中津 達郎:先に保険会社に
ひとこと
くださいね

木津 奏太:先に
相談だけ
行ってきます


釜谷 忠雄:無理に
弾くな
木津 奏太:弾かな
分からへんので
木津 奏太:どの指が
どれくらい
あかんのか

釜谷楽器の
釜谷 忠雄:︙︙音は
嘘つかん
釜谷 忠雄:お前の指も
や

次の
木津 奏太:あの
交通事故の
相談を
木津 奏太:︙︙はい
金曜の
10時で

ペタ
金曜︑10時︒
その日︑
知らない物差しの
話を聞く︒
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