第2話「うちは、交渉できないんです」

ピアノの
相手の保険会社から︑
また電話が来た︒
桐谷 涼子(電話の声):昨晩は
失礼いたしました
桐谷 涼子(電話の声):人身事故への
切り替えも
確認いたしました
木津 奏太:あ
はい︙︙
桐谷 涼子(電話の声):治療費は
弊社から病院へ
直接お支払いします
木津 奏太:え
払わんで
ええんですか

相手の
桐谷 涼子(電話の声):同意書を
お送りします
桐谷 涼子(電話の声):お車の修理は
物損の担当が
別にご連絡します
木津 奏太:あ︙︙
はい
ありがとうございます
声の丁寧な人だった︒
それだけで︑
少し安心した︒

姉・
木津 奏太:ええ人やったで
桐谷さん
木津 環奈:ええ人かどうかと
木津 環奈:どっちの側の
人かは
別の話や
木津 奏太:どっちの側?
木津 環奈:払う側の
会社の人やろ
木津 環奈:あんたの側の
保険の人にも
言うとき
木津 奏太:︙︙そうか
僕も保険
入ってる

奏太の
中津 達郎:修理は
うちで
まかしといて
中津 達郎:前より
ようなりますわ
木津 奏太:あの
中津さん
木津 奏太:相手の保険の人と
代わりに
話してもらえません?

中津 達郎:それがですね︙︙

中津 達郎:うちは
間に入られへん
のです

木津 奏太:え︙︙
入られへん?
〈中津が
木津 奏太:ほな
中津さんが
代わりに︙︙
中津 達郎:法律違反に
なるんです
木津 奏太:ほな僕
1人で?

中津 達郎:あ
ちょっと待って
中津 達郎:付いてますわ
木津さんの
木津 奏太:弁護士って︙︙
大げさな
木津 奏太:たぶん
大丈夫です
中津 達郎:使うかどうかは
木津さんが
決めたらええんです
中津 達郎:付いてる事だけ
覚えといて
追突した

実況見分の日︒
警察官:止まっていたのは
この線の
手前ですね
木津 奏太:はい
ここです


塚越 安治(ささやき):あの︙︙
お話は
塚越 安治:保険屋さんに
全部
任せてますんで
塚越 安治:すんません
謝る人とも︑
もう直接は
話せないらしい︒

釜谷楽器の
釜谷 忠雄:ホールの
下見
行ってきた
釜谷 忠雄:ええ楽器や
木津 奏太:︙︙そう
ですか

木津 奏太:僕が
行くはず
やったのに

木津 環奈:なあ
奏太
木津 環奈:仕事
何日
休んだ?

トン トン
木津 奏太:えっと
今週は
3日︙︙
木津 環奈:ほな
木津 環奈:来月の給料
どうなるか
分かってる?

木津 奏太:︙︙
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