第5話「姉の血」

照代の
時計の
越智 喜美江(画面の外の声):また来たのかい
葛城 穂波:伯母さん
屋根は
危ないって!

葛城 穂波:お母さんの
検査の結果
出たの
越智 喜美江:︙︙それで?
葛城 穂波:あの
お願いが
あって
越智 喜美江:私の?
葛城 穂波:示さないと
いけなくて
〈母子感染でない
越智 喜美江:母さんの
検査なんか
残ってないよ
越智 喜美江:死んで
10年だ
葛城 穂波:だから︙︙

越智 喜美江:今さら
私の血で
照代の
何が分かる
越智 喜美江:母さんの
最期にも
来なかった
あの子の
帰れ︑とは
言われなかった︒
伯母のあとについて︑
奥の仏間へ︒

葛城 穂波:あ︙︙
この時計
越智 喜美江:母さんが
嫁に来た時
買ったんだ
越智 喜美江:米を
売って
葛城 穂波:えっ
お米を?
葛城 穂波:いつから
止まってます?
越智 喜美江:︙︙母さんが
死んだ日
葛城 穂波:動かして
いいですか


振り子の
左と右の音を︑
そろえていく︒
越智 喜美江:︙︙変な
仕事だね
葛城 穂波:よく
言われます


ボーン
越智 喜美江:照代が
ねじを
巻きたがった
越智 喜美江:でも
母さんの
物だって
触らせなかった

越智 喜美江:あの子が
母さんの
最期に
来なかったのは
越智 喜美江:私が
来るなって
言ったからだ
葛城 穂波:えっ


越智 喜美江:検査
いつだい
1週間後︒
市立病院の相談室︒
肝疾患相談支援

〈喜美江の
根津 澄:おばあちゃんから
うつって
いない事
根津 澄:これで
示せます
葛城 穂波:よかった︙︙!

根津 澄:伯母さん
来てくださった
んですね
葛城 穂波:検査の朝も
雪かきしてから
来ました
根津 澄:ははっ
その帰り︑
結果を伝えに
伯母の家へ寄った︒

葛城 穂波:伯母さん
陰性だった
ありがとう
越智 喜美江:礼なんか
いらん
越智 喜美江:これも
持ってきな
越智 喜美江:母さんの
日記だ
葛城 穂波:おばあちゃんの?


越智 喜美江(画面の外の声):照代が
あんたを
産んだ月さ
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