第5話「いびきが、止まる」

ガッ……
夫・
物流会社の
いびきが︑
戻ってきた︒
高梨 千早:13秒
3:12
高梨 千早:録って
おこう
眠れない、と言っていいですか
第5話
食卓で︑
ゆうべの録音を
直人に聞かせた︒

高梨 千早:これ
ゆうべの
直人
高梨 直人:え︑俺の
いびき?
高梨 直人:昔からだろ
高梨 千早:うん

高梨 直人:いや
疲れてる
だけだって
高梨 直人:眠くも
ないし
高梨 直人:それより
お前が
休め
高梨 千早:わたしの
「大丈夫です」
と同じだ


高梨 千早:眠くないん
じゃなくて
直人の勤める
市立図書館︒
月曜の午後︒


バサッ

高梨 直人:あ︙︙
また
寝てた
返す本が︑1冊︑
床に落ちていた︒
カレーの夜︒
直人のスプーンが
止まった︒

高梨 直人:千早
俺さ
高梨 直人:仕事中に
寝てる
高梨 直人:先月から
何回も
高梨 直人:返却の棚の前で
立ったまま

高梨 直人:眠いなんて
だらしない
だろ
高梨 直人:言えなかった

高梨 千早:ふふ
それ
わたしの
台詞だよ
高梨 直人:︙︙だな
高梨 千早:言って
いいんだよ

〈結城の
高梨 直人:検査
か

高梨 直人:何か
言われたら
こわいな
高梨 千早:わたしも
こわかった
高梨 千早:だから
段取りして
もらったの
高梨 直人:︙︙行く
その場で︑直人が
自分で予約を入れた︒
睡眠の
会社の人事の会議室︒
12月1日︑火曜︒

人事部・
高梨 千早:11月分の
申請書です
〈傷病手当金の
野中:確かに
野中:会社の欄
今日書きます
野中:眠りは
どうですか
高梨 千早:3時には
まだ起きます
高梨 千早:でも
4時まで
眠れる日も
野中:あ︙︙
よかった
帰りに︑
健康管理室へ寄った︒

会社の
結城 早苗:あら
ご主人も
段取りに
入りましたね
高梨 千早:言っていいって
言いました
結城 早苗:眠りの事は
本人が一番
言えないんです
結城 早苗:受けるか
決めるのは
結城 早苗:ご主人と
先生

高梨 千早:あれ
課長︙︙?

高梨 千早:︙︙課長
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