第1話「午前3時12分」

ゴォ……
10月27日、
物流会社の
夫・
高梨 千早:あと
2時間48分で
アラーム
隣で︑夫の
いびきが続く︒

高梨 千早:開けたら
何かが
終わる気がする
眠れない、と言っていいですか
第1話
経理課の朝︒
8時50分︒
経理課長

〈経理課の
芹沢 真弓:高梨さん
今月も
頼りにしてる
高梨 千早:大丈夫です
高梨 千早:大丈夫
11時︒

高梨 千早:え︙︙
高梨 千早:同じ請求書を
2回
承認してる

支払いの前に︑
取り消せた︒
誰にも︑
気づかれなかった︒
12時30分︒
2階の︑
健康管理室︒
会社の

結城 早苗:あら
高梨さん
結城 早苗:今月
3回目ですね
高梨 千早:15分だけ
横になれますか

結城 早苗:高梨さん
眠れてますか?
高梨 千早:寝てます
4時間は
結城 早苗:4時間?

結城 早苗:3時に
目が覚めるのは
いつから?
高梨 千早:︙︙
先月から
結城 早苗:ストレス
チェック
開けました?
高梨 千早:開けてません
高梨 千早:高いに
決まってるし
高梨 千早:会社に
知られたら
締めの前に
外されます
結城 早苗:知られる?

結城 早苗:結果は
あなたにだけ
届きます

高梨 千早:え︙︙
そうなんですか
高梨 千早:ほんとに?
結城 早苗:うん
結城 早苗:決めるのは
あなたです
結城 早苗:金曜の16時に
来ます
高梨 千早:︙︙考えます
19時40分︒

高梨 直人:今日は
緑のカレー
高梨 千早:昨日は
黄色だった
高梨 直人:色が違えば
別の料理だろ

高梨 千早:言えない
眠れないなんて
その夜︒
午前3時12分︒

寝床で考え事を
しないこと︒
付箋に︑
そう書いてあった︒

あなたは、
高梨 千早:やっぱり
高い
高梨 千早:でも
申し出ても
不利には
ならない

高梨 千早:申し出る

高梨 直人:︙︙千早?
高梨 千早:起こした?
ごめん
高梨 直人:いや
高梨 千早:直人
高梨 千早:わたし
眠れないの

高梨 直人:知ってた
高梨 直人:3時に
いつも
起きてるだろ
高梨 千早:︙︙
気づいてたの
高梨 直人:言っていいって
思えるまで
待ってた

眠れないと︑
初めて
口にした夜だった︒

夜が明けるまで︑
面接で何を話すかを
調べていた︒
経理課︒
翌朝︑9時︒

芹沢 真弓:高梨さん
芹沢 真弓:金曜の16時
締めの
最終確認ね
〈経理課の

芹沢 真弓:あなたが
いないと
困るから

高梨 千早:︙︙はい
面接は︑金曜の16時︒
締めの確認も︑
金曜の16時︒
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