読み切り「その「はい」の裏で」

大学1年
携帯の
真壁 莉子:こちらの
プランだと
月に
30ギガまで
使えて
相良 湊:はい
真壁 莉子:動画を
よく見る方には
こちらの
オプションも
相良 湊:はい
大丈夫です
この時、湊は
湊の心の声
(全然、大丈夫じゃない。
30ギガって、多いの? 少ないの?
……後ろで、人が待ってるし)

母(電話の声):湊?
もう
終わった?

電話の
相良 湊(ささやき):まだ
説明
聞いてる
母(電話の声):家族割から
出るって
決めたのは
あんたでしょ
母(電話の声):自分で
ちゃんと
決めなさいよ
この時、母は
母の心の声
(本当は、横で全部聞いてあげたい。
でも、家族割から出るって、
こういう事も1人でやるって事よね)
相良 湊:分かってる
って
真壁 莉子:ここまでで
分からない所は
ありませんか?
相良 湊:ないです

この時、真壁は
真壁の心の声
(「はい」が速すぎる。
この人、たぶん半分も入ってない。
……このまま進めたら、だめだ)
真壁 莉子:あの︙︙
少し
止めますね



丸は︑4つ︒
つけたら︑
少し息が
しやすくなった︒
真壁 莉子:じゃあ
ひとつずつ
容量は
先月
使った量を
見ましょうか
先月の
相良 湊:え
こんなに
少ないの?

相良 湊:これ
要りますか?
真壁 莉子:相良様の
使い方なら
真壁 莉子:なくても
困らないと
思います
この時、真壁は
真壁の心の声
(聞いてくれた。
この人の使い方なら、外して困る事はない。
……やっと、この人に合わせて話せる)
相良 湊:じゃあ
外して
ください

真壁 莉子:8日の
うちに
困った時の
決まりも
ここに
相良 湊:はい
大丈夫です
丸は4つ︒
でも︑最後の話は
聞いていなかった︒
その夜︒

母(電話の声):もしもし?
湊?
声が

プツッ
圏外通話が
相良 湊:えっ
切れた
ベランダに出て︑
かけ直す︒
やっと︑つながった︒

母(電話の声):聞こえる?
それで
ちゃんと
確かめたの?
相良 湊:確かめたよ
この時、湊は
湊の心の声
(確かめてない。
最後は「はい」って言っただけだ。
……部屋の中で、電話もできないのに)
相良 湊:えー
大げさ
だって

真壁 莉子(回想の声):8日の
うちに
困った時の
決まりも
ここに

相良 湊:あの時
ちゃんと
聞いてれば
受け取った今日が︑
1日目︒
相良 湊:︙︙もう一回
行こう
2日目の朝︒
同じ店︒

相良 湊:すみません
ここ
もう一回
いいですか
真壁 莉子:もちろん
です
相良 湊:部屋の中だと
圏外で
電話が
切れるんです


真壁 莉子:確認措置の
方なんです
相良 湊:かくにん︙︙
そち?
真壁 莉子:まず
お部屋の電波を
調べます
真壁 莉子:それでも
弱いままなら
スマホごと
解除
できます
相良 湊:え
スマホごと?
真壁 莉子:あ︑でも
使った分の
料金は
かかりますよ

相良 湊:じゃあ
調べて
ください
電波の調べは︑
水曜に決まった︒
8日の︑うちだ︒

年配の客:はい
はい

この時、湊は
湊の心の声
(昨日の、僕だ)

真壁 莉子:あの︙︙
少し
止めますね
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