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第5話「体験レッスン、5つ目です」

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

ボルダリングのジムの厚い青のマットの上。中年の男性が横向きに倒れ、両手で腰を押さえて顔をゆがめる。横で、ジムの若い女性のスタッフがひざをついてのぞきこみ、奥で子どもたちが心配そうに見ている。

ドサッ

ジムのスタッフ:大丈夫ですか!?

宍戸 学:腰が︙︙
ぐきっと

宍戸の顔の寄り。腰に手を当て、脂汗を浮かべて歯を食いしばる。

建材の会社の経理(40)宍戸 学

宍戸 学:予算表の
1行目を
書いた
次の日に︙︙

ジムのスタッフ:頭は
打ってない
ですね
立てますか?

マットにひざをついて起き上がろうとする中年の男性の顔の寄り。汗のしずく、眼鏡が少しずれ、歯を食いしばっている。片手は腰。

宍戸 学:いや
待て待て︙︙

ジムのスタッフ:近くの整骨院
日曜も
開いてます

引きで、場所ごと。少し上から宍戸。マットに座ったままスマホの地図(字は読めない)を見る。

宍戸 学:整骨院︙︙
整体とは
違うんですか

ジムのスタッフ:すみません
そこまでは︙︙

〈評価の日まで〉あと81日体験:5つ目(ボルダリング)腰:ひねった

駅の裏の︑整骨院︒

小さな整骨院の待合。長いすに腰を曲げたまま浅く座る中年の男性が、あごに手を当て、壁の貼り紙に顔を近づけて読んでいる。奥の長いすに別の患者。貼り紙は線と色の四角だけで字は無い。白い昼の光。

宍戸 学:先に読もう
経理なもので

〈待合の貼り紙〉急なけが(骨折・脱臼・打撲・ねんざ・肉ばなれ):健康保険が使えるただの肩こり・筋肉の疲れ:使えない骨折・脱臼:応急手当のあとは、医師の同意が要ります

療養費(りょうようひ)(整骨院(せいこついん)・接骨院(せっこついん)の健康保険)の解説

現実の事実整骨院・接骨院で健康保険が使えるのは、急な、またはそれに近い、けがによる骨折・脱臼・打撲・ねんざ(肉ばなれを含む)の施術です。ただの肩こりや筋肉の疲れ、病気が元の痛みには使えません。

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宍戸の横顔の寄り。腰をかばいながら、貼り紙に顔を近づけて読む。

宍戸 学:骨折は
医師の
同意︙︙

医師の同意(骨折・脱臼の施術)の解説

現実の事実柔道整復師(じゅうどうせいふくし)は、医師の同意を得た場合のほかは、脱臼や骨折の患部に施術をしてはいけないと柔道整復師法で決まっています。ただし、その場の応急手当はできます。打撲・ねんざには医師の同意は要りません。

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志水 文哉(画面の外の声):宍戸さん
どうぞ

柔道整復師(48)志水 文哉

施術室の入口。白い半袖の施術着の、白髪まじりの短い髪の男性が、カルテの板を片手に、もう片手を差し出して穏やかに招き入れる。がっしりした肩、太い腕。後ろに施術の台が並び、奥で女性のスタッフが台を整えている。

宍戸 学:あの︙︙
先生は
お医者さん
ですか

引きで、場所ごと。施術の台の並ぶ部屋の奥で、白い上着の整骨院の男性がタオルで手を拭きながら笑う。手前の右に、宍戸の背中。

志水 文哉:いえいえ
柔道整復師です

柔道整復師(じゅうどうせいふくし)の解説

現実の事実国家試験に受かり、厚生労働大臣の免許を受けて、骨折・脱臼・打撲・ねんざなどの施術をする人です。医師ではないので、外科手術をしたり、薬を出したりはできません。整骨院(せいこついん)・接骨院(せっこついん)は、柔道整復師が施術をする所です。

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志水 文哉:いつ
何をして
痛めました?

引きで、場所ごと。宍戸の胸から上。腰に手を当てたまま、背を丸めて話す。

宍戸 学:さっき
ボルダリングで
腰を
ひねって

斜め上から見た施術室。うつぶせの中年の男性の腰に、白い施術着の男性が両手をそっと当てて確かめている。台の横に、たたんだ灰色のパーカー。うつぶせの男性の顔の寄り。台の穴から見える、ぎゅっとつぶった目と汗。

宍戸 学:いっ︙︙!

志水 文哉:腰の
ねんざですね
今日は冷やして
固定します

真上から施術台の寄り。男性の両手が腰に冷却のパックを当てる。

志水 文哉:しびれや
痛みが
引かない時は
病院へ

受付の台の寄り。挟み板に留めた申請書(字は読めない線だけ)。中年の男性の手がペン先を紙に置いたまま止まり、向かいから白い施術着の手が欄を指す。

志水 文哉:保険を使うので
ここに
お名前を

宍戸 学:先に
読んでいい
ですか

男性の顔の寄り。少し驚いて、口を開けて笑う。

志水 文哉:どうぞ
︙︙初めて
言われました

宍戸 学:これ
何に
名前を
書くんですか

上から見た受付の台。宍戸が身をかがめ、申請書(字は読めない)の行を指で1つずつなぞる。ペンは横に置いたまま。

志水 文哉:宍戸さんの
代わりに
うちが保険に
請求する紙です

受領委任(じゅりょういにん)(療養費(りょうようひ)の請求)の解説

現実の事実整骨院(せいこついん)・接骨院(せっこついん)では、患者は窓口で自己負担(じこふたん)の分だけを払い、残りは柔道整復師(じゅうどうせいふくし)が患者に代わって健康保険に請求する形が使われています。そのため、療養費の支給申請書(しんせいしょ)に、患者が自分で名前などを書きます。

名前を書く欄を、整骨院の人が代わりに書いてもいい?
患者が書く欄を施術者が代わりに書けるのは「やむを得ない理由がある場合」とされ、その例を受領委任の協定に書く事になっています。

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宍戸 学:負傷の名前
日付
原因︙︙
合ってます

宍戸を机の高さから。申請書を手に顔を上げ、まじめな目で聞く。手前に白い施術着の肩。

宍戸 学:あの
整骨院と
「整体」って
何が違うんですか

少し下から見た、白い施術着の男性の寄り。腕を組み、少し困ったように口元だけで笑う。

志水 文哉:うーん︙︙
整体は
国の資格の
決まりが
ないんです

整体(せいたい)(法的な資格制度(しかくせいど)のない手技)の解説

現実の事実あん摩マッサージ指圧と柔道整復には国家資格(こっかしかく)の制度があり、資格を持つ人しか施術できません。整体やカイロプラクティックなどの手技には法的な資格制度がなく、施術する人の技術や方法がまちまちだと、国民生活センターは伝えています。

持病がある時は?
国民生活センターは、病気のある人は手技の施術を受ける前に医師の診断・助言を受けるとよいとしています。

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志水 文哉:どっちが
いいとは
言いませんけど

少し上から宍戸。施術の台に腰かけ、肩を落としてうつむく。

志水 文哉:2週間は
激しい運動は
お休みですね

宍戸 学:2週間︙︙

〈評価の日まで〉あと81日運動:2週間、お休み予算表:筋トレの行、止まる

3日後︒
駅まで︑歩いた︒

朝の駅前の歩道。腰に黒いベルトを巻き、リュックを背負った中年の男性が、手すりにつかまりながら、すり足でゆっくり歩く。左のガラス張りのジムの中で、ポニーテールの女性が器具に向かっている。白い朝の光。

海老沢 リコ(画面の外の声):宍戸さん!?

ガラス張りの店の並ぶ歩道を、こちらへ駆けてくる高いポニーテールの若い女性のトレーナー。黒にライムの線のウェア、首に白いタオル。口を開けて目を丸くしている。

海老沢 リコ:その歩き方
どうしたんすか

宍戸の胸から上。リュックを背負い、腰に手を当て、ばつが悪そうに笑う。

宍戸 学:ボルダリングで
︙︙ゆっくりって
言われたのに

リコの顔の寄り。ジムのガラス戸の前で、眉をつり上げて歯を見せ、指さす。

パーソナルトレーナー(27)海老沢 リコ

海老沢 リコ:言ったっす!

宍戸 学:運動は
お休みです
でも歩くのは
予算表の
1行目なので

若い女性のトレーナーの顔の寄り。丸くしていた目が、ふっとやわらかくなる。口元が少し笑う。朝の光が横から当たる。

海老沢 リコ:︙︙それ
休んでても
続いてるっす

海老沢 リコ:治ったら
筋トレの行
一緒に
組み直すっす
無料で

リュックを背負った宍戸を少し下から。歩道で振り向き、目を丸くする。朝の光。

宍戸 学:えっ
︙︙今日だけ
ですか

海老沢 リコ:来週もっす

その夜︒
予算表を︑書き直す︒

真上から夜の机。宍戸が手帳の予算表を電卓で書き直している。机に湿布の箱、スマートフォン、コーヒー。

八重樫 さち(電話の声):宍戸さん?
保健指導の
八重樫です

夜の部屋の机の前の宍戸の胸から上。スマホを耳に当て、痛む腰に手をやる。窓の外は夜の街。

八重樫 さち(電話の声):来週の水曜は
中間の面談です

八重樫 さち(電話の声):体重と腹囲
測ってきて
くださいね

宍戸 学:あの︙︙
腰を
ひねりまして

上から見た夜の自分の部屋。腰をかばって床にあおむけになり、スマートフォンを耳に当てる中年の男性。腰に黒いベルト。床に開いた手帳と体重計。スタンドの光。

八重樫 さち(電話の声):えっ
大丈夫ですか

宍戸の横顔の寄り。スマホを手に、足元の体重計を見て口を開け、青ざめる。窓の外は夜。

八重樫 さち(電話の声):うーん︙︙
じゃあ
動けない間に
何ができるか
考えてきましょう

片手を壁につき、腰のベルトを押さえながら、はだしの片足を体重計にそっと乗せる中年の男性。体重計の画面は光るだけで字は無い。

〈体重計〉先週より +0.8kg

宍戸 学:いや
待て待て
待て待て︙︙

上から見た夜の部屋の引き。体重計の上に小さく立ったまま固まる中年の男性。床に開いた手帳の表と、放り出したスマートフォン。部屋の隅に、体験で持ち帰った紙が4枚重なっている。

中間の面談まで︑
あと7日︒

体験は︑5つ︒
続いている所は︑
まだ1つもない︒

第5話「体験レッスン、5つ目です」

つづく

原作・脚本
たすき坂

制作に生成 AI を使用(生成 AI の使い方)

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体験レッスン、5つ目です

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この話で分かること

整骨院(せいこついん)と整体(せいたい)の違いは?

整骨院・接骨院(せっこついん)は、国家資格(こっかしかく)の柔道整復師(じゅうどうせいふくし)が施術をする所です。整体やカイロプラクティックなどの手技には法的な資格制度(しかくせいど)がなく、施術する人の技術や方法がまちまちだと国民生活センターは伝えています。

条件・例外

病気のある人や、痛み・しびれが続く人は、医療機関(いりょうきかん)で診てもらいます。

物語との違い

作中の整骨院・柔道整復師は作中の物です。

整骨院(せいこついん)で健康保険が使えるのはどんな時?

急な、またはそれに近い、けがによる骨折・脱臼・打撲・ねんざ(肉ばなれを含む)の施術です。ただの肩こりや筋肉の疲れ、病気が元の痛みには使えません。骨折・脱臼は、応急手当のほかは医師の同意が要ります。

条件・例外

使えるかどうかは、加入している健康保険の窓口でも確かめられます。

柔道整復師(じゅうどうせいふくし)とは?

国家試験に受かり、厚生労働大臣の免許を受けて柔道整復を仕事にする人です。医師ではないので、外科手術や薬を出す事はできず、骨折・脱臼の患部への施術には、応急手当のほかは医師の同意が要ります。

整骨院(せいこついん)の申請書(しんせいしょ)に名前を書くのはなぜ?

整骨院・接骨院(せっこついん)では、患者は窓口で自己負担(じこふたん)の分だけを払い、残りは柔道整復師(じゅうどうせいふくし)が患者に代わって健康保険に請求します(受領委任(じゅりょういにん))。その請求のための療養費(りょうようひ)の支給申請書に、患者が自分で名前などを書きます。書く前に、けがの名前・日付・原因が合っているかを見ます。

条件・例外

患者が書く欄を施術者が代わりに書けるのは、やむを得ない理由がある時だけとされています。

この話の用語

療養費(りょうようひ)(整骨院(せいこついん)・接骨院(せっこついん)の健康保険)漫画の中で見る
現実の事実整骨院・接骨院で健康保険が使えるのは、急な、またはそれに近い、けがによる骨折・脱臼・打撲・ねんざ(肉ばなれを含む)の施術です。ただの肩こりや筋肉の疲れ、病気が元の痛みには使えません。
医師の同意(骨折・脱臼の施術)漫画の中で見る
現実の事実柔道整復師(じゅうどうせいふくし)は、医師の同意を得た場合のほかは、脱臼や骨折の患部に施術をしてはいけないと柔道整復師法で決まっています。ただし、その場の応急手当はできます。打撲・ねんざには医師の同意は要りません。
柔道整復師(じゅうどうせいふくし)漫画の中で見る
現実の事実国家試験に受かり、厚生労働大臣の免許を受けて、骨折・脱臼・打撲・ねんざなどの施術をする人です。医師ではないので、外科手術をしたり、薬を出したりはできません。整骨院(せいこついん)・接骨院(せっこついん)は、柔道整復師が施術をする所です。
受領委任(じゅりょういにん)(療養費(りょうようひ)の請求)漫画の中で見る
現実の事実整骨院(せいこついん)・接骨院(せっこついん)では、患者は窓口で自己負担(じこふたん)の分だけを払い、残りは柔道整復師(じゅうどうせいふくし)が患者に代わって健康保険に請求する形が使われています。そのため、療養費の支給申請書(しんせいしょ)に、患者が自分で名前などを書きます。
整体(せいたい)(法的な資格制度(しかくせいど)のない手技)漫画の中で見る
現実の事実あん摩マッサージ指圧と柔道整復には国家資格(こっかしかく)の制度があり、資格を持つ人しか施術できません。整体やカイロプラクティックなどの手技には法的な資格制度がなく、施術する人の技術や方法がまちまちだと、国民生活センターは伝えています。

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更新日:

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  2. 2AI が開く作品の設定とあらすじつきで
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示まで
例:AI との相談

あなた来週の中間の面談で、宍戸が八重樫に何と言うかを考えたい

AI宍戸は経理らしく、増えた0.8kgの前に「動けなかった日の表」を作って持っていくと、言い訳でなく数字で話す人になります。八重樫は責めずに、その表の空いている行を指して聞く形が合います。

あなた短い会話で

AI八重樫「この行、何も書いてないですね」。宍戸「……動けなかったので」。八重樫「書けない日も、書きましょう」。

送る質問あらすじを踏まえて、次の話の展開を一緒に考えて

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この話のあらすじ

日曜の昼、体験の5つ目のボルダリングで腰をひねった宍戸 学は、ジムのスタッフに近くの整骨院(せいこついん)を教わる。待合の貼り紙を先に読み、健康保険が使えるのは急なけがの骨折・脱臼・打撲・ねんざで、ただの肩こりや疲れには使えない事を知る。柔道整復師(じゅうどうせいふくし)の志水 文哉は、医師ではないと言い、腰のねんざと見て冷やして固定する。保険を使うための申請書(しんせいしょ)に名前を書く前に、学は「先に読んでいいですか」と聞き、整骨院が学の代わりに健康保険に請求する紙だと知る。整体には国の資格の決まりが無いと聞き、運動は2週間休むと言われる。3日後、腰にベルトを巻いて駅まで歩く学を、駅前のジムのリコが見つける。運動は休んでも予算表の1行目の「歩く」は続けている学に、リコは「休んでても、続いてるっす」と言う。その夜、保健師の八重樫から来週の水曜が中間の面談だと電話があり、体重計に乗ると先週より0.8kg増えていた。

作者

たすき坂

走る・跳ぶ・つなぐ。体を動かす人の物語を描いています。

この作品について

「今日だけ半額」と言われたら、その場で決めますか。契約書の小さな字まで読む経理の宍戸と一緒に、続く運動を1つ探してみてください。

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