第5話ログイン
一覧

第5話「百台の布」

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

冷たい朝の峠。九十九折りの道を、同じ旗を立てた荷車の列がふもとから埋めつくす。馬上で、上等な外套の太った男が手を振る。手前に砦の壁の見張りと旗。

ベルク商会の荷車100台。

ベルク商会の番頭ブルーノ

〈峠の待ち〉朝今日の列 131台(商会100台)待ち 1日半

〈月末まで〉20日

朝の帳場の戸口から、門へ歩いていく頭の背中を見つめるリオの後ろ姿。帳面を抱えている。

リオ:ゆうべ
金袋を持った
商会の人が
頭の部屋に

門の前。左ににこやかなブルーノ、真ん中に腕を組んだ頭。右で、帳面を抱えたリオが頭の顔を見上げる。

見習いの関守(17)リオ

ブルーノ:麻布100台
いつもの
ように

ブルーノ:頭の目で

リオの顔の寄り。帳面を抱きしめ、口を開いて横を見る。

リオ:まさか
金袋
受け取ったの?

グスタフ:リオ

グスタフ:番を
見ろ

頭を少し下から。腕を組んだまま、横の荷車の方を見る。

ハルデン関の頭(58)グスタフ

ブルーノ:は?

荷車の幌の中に積まれた、青灰色の反物の山。リオが幌を持ち上げ、目を細めて見る。

〈品目の札〉第53類 麻の布 1反 銀貨2枚第50類 絹の布 1反 銀貨12枚(2枚が重なって、揺れている)

リオ:麻と
絹︙︙
混ぜてある

リオ:混ぜた布は

一番重い糸の
類で決まる︒

2種類以上の糸を混ぜた布の分類(第11部注2)の解説

現実の事実関税率表(かんぜいりつひょう)では、2種類以上の繊維から成る糸・織物は、重さで一番多い繊維だけから成る物とみなして分類します(第11部の注2)。一番多い物が無い時は、等しく考えられる項のうち番号が最後の項です。表に見える糸ではなく、重さで決まります。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたら貼り付けてください。

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

ブルーノの顔の寄り。指輪の手で反物の表をなでて笑う。

ブルーノ:表を
見てください

ブルーノ:どう見ても
麻ですなあ

リオの胸から上。台の上の布を両手で持ったまま、顔を上げて横を見る。

リオ:見た目でなく
重さで
決まります

少し上からブルーノ。紙の束を持ち、笑みが消えて眉がぴくりと動く。

ブルーノ:100台を
全部開けて
量る気ですかなあ

リオ:3台を
選びます

列の横を歩きながら、リオが離れた3台の荷車を順に指さす。後ろでブルーノが額の汗を絹のハンカチでふく。

リオ:この荷車と
この荷車と

リオ:あれ

開ける荷を
選んで︑
中を確かめる︒

税関検査(ぜいかんけんさ)の解説

現実の事実輸入の申告があると、税関は書類を審査し、必要な時は荷そのものを検査して、申告どおりの物かを確かめます。検査が要らない荷はそのまま次へ進み、関税などを納めると輸入が許可されます。検査で申告と違う物が見つかれば、正しい番号と税額に直されます。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたら貼り付けてください。

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

選んだ荷車の反物から、エルマーが布の端を切り取り、糸を1本ずつほどく。リオが小さな天秤の両側の皿に、ほどいた麻の糸と絹の糸を分けて載せる。絹の皿が下がる。

カタン

天秤をのぞきこむ頭の顔の寄り。眉が上がる。

〈量った布〉3台から1反ずつ絹の糸 55麻の糸 45一番重いのは、絹

リオ:絹の布です

〈品目の札〉第50類 絹の布(麻を混ぜた物を含む) 1反 銀貨12枚

絹織物(きぬおりもの)(第50類)の解説

現実の事実現実の関税率表(かんぜいりつひょう)では、絹と絹の織物は第50類です。第50.07項の絹織物(絹ノイルの物を除く)の基本税(ほんぜい)率は、絹が全重量の85%以上の物も、それ以外の物も20%と書かれています(関税定率法の別表)。実際に使う率は、協定などで下がる物もあります。同じ布でも、何の糸が一番重いかで類と税率が変わります。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたら貼り付けてください。

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

ブルーノ(画面の外の声):くっ
表は
麻なのに

〈商会の荷〉100台×20反麻の布として 銀貨4,000枚絹の布として 銀貨24,000枚

エルマー:うわ
6倍︙︙

帳面を持ったまま口を開けて固まるエルマー。羽根ペンが指からこぼれ落ちる。

見習いの関守(16)エルマー

前の世界でも︑
輸入の申告に
品名を書く︒

輸入申告(ゆにゅうしんこく)の申告事項(しんこくじこう)の解説

現実の事実輸入する人は税関に、品名・数量・価格、原産地と積み出した所、送り主などを申告します。申告は書類のほか、NACCS(輸出入(ゆしゅつにゅう)・港湾関連情報処理(こうわんかんれんじょうほうしょり)システム)でもでき、令和7年10月12日からは通信販売(つうしんはんばい)の荷かどうかも申告する項目になりました。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたら貼り付けてください。

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

門の前。頭が、革の金袋をブルーノの胸に押し返す。ブルーノの笑顔が固まる。

グスタフ:これは
あんたのだ

グスタフ:峠の値は
帳で決める

少し上からブルーノ。手に返された金袋を見て動きが止まる。

リオ:頭︙︙

リオの顔の寄り。目を見開いて、それからほっと力が抜ける。
金袋を受け取ったブルーノの寄り。笑みは口だけで、目は笑っていない。

ブルーノ:︙︙では
今回は
払いましょう

ブルーノ:今回はね

前の世界には︑
あとから調べる
決まりもある︒

事後調査(じごちょうさ)(今と昔)の解説

現実の事実税関は、輸入が許可された後にも、申告が正しかったかを確かめる調査をします(事後調査)。日本の事後調査の制度は1968年1月に始まり、関税を自分で計算して申告する申告納税の制度(1966年10月)の後に置かれました。

出典

この言葉の疑問、いつもの AI に

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたら貼り付けてください。

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

〈峠の待ち〉夕方今日通した荷車 78台待ち 1日半 → 2日(開けて量った分、のびた)

夕方の広場。荷車に座りこむリオに、赤い頭巾のミラが箱に腰かけたままりんごを1つ放る。リオが両手を伸ばす。

帝国から来る隊商の娘(19)ミラ

リオ:のびた︙︙

ミラ:量るの
やりすぎ
じゃない?

ミラの顔の寄り。赤い頭巾の下で、口の端を上げて横を見る。

リオ:でも
全部は
開けてない

ミラ:まあ
税が先に
読めるのは
悪くないけど

日暮れ︒
最後の商会の
荷車︒

日暮れの青い門。ブルーノが馬の上から、手前の頭とリオを見下ろす。後ろで商会の旗が風になびく。

ブルーノ:明日から

ブルーノ:商会の荷は
この峠を
通りません

ブルーノ:港回りにします

砦の壁の上。頭が腕を組み、ふもとへ去る旗を黙って見送る。風で毛皮が大きくなびく。

グスタフ:勝手にしろ

砦の壁の下。壁の上の頭の背中を見上げるリオとエルマー。エルマーは帳面を抱え、リオはじっと頭を見る。

エルマー:頭︑いいんですか︙︙
商会の荷が
来ないと

グスタフ:金で曲げた峠は
すぐ折れる

暮れの峠の道。商会の旗を立てた荷車が、ふもとの方へ下っていく長い列。手前に、黒い外套の会計官が馬上で帳簿を開いて見ている。商会の旗の1本が絵の枠の右の線を越えて外へはためく。

王の会計官ザイフ

〈今月の税〉見込み商会の荷が来なければ通達の線より 金貨320枚 足りない

ザイフ:取れる税が
落ちますね

月末まで︑
あと20日︒

第5話「百台の布」

つづく

お気に入りから外しますか?

その荷、峠を越えられません

この作品を読んだあなたへ

この作品を評価する

ログイン

ログインして、★で評価してみてください。

ログインすると、トゥーンエルから新しい話のお知らせがメールで届きます。止めたい時はマイページから。

評価を外しますか?

評価を下げますか?

続編が待てないあなたへ。違う話を考えたいあなたへ。

第5話の続き、いつもの AI で作ってみてください。

  1. 1ボタンを押すいつもの AI を選んで
  2. 2AI が開く作品の設定とあらすじつきで
  3. 3一緒に考える展開・台詞・絵の指示まで
例:AI との相談

あなたブルーノが港回りに変えた後の峠を考えたい

AI商会の荷車が雪の港回りで足止めされ、ブルーノが「峠より遅いとは聞いておりませんなあ」とこぼす、とすると、リオの量り方を恨みながら戻るか、意地で港回りを続けるかで、峠の税と列が揺れる話にできます。

あなた戻ってきた朝の門の場面を

AIブルーノ「今回は、最初から絹と書いておきましたぞ」。

送る質問あらすじを踏まえて、次の話の展開を一緒に考えて

無料の Google ログインで使ってみてください

ログインすると、トゥーンエルから新しい話のお知らせがメールで届きます。止めたい時はマイページから。

Gemini は、開いたら貼り付けてください。

AI の答えは、作品の公式の続きではありません。作った物を出す時は、利用ガイドを見てください。

この話の感想・こうなったらいい

感想や「こういう展開が読みたい」をお送りください。編集部の励みになります。いただいた声は、お名前を出さずに、作品の紹介(レビュー)として使わせていただくことがあります。

この話で分かること

2種類以上の糸を混ぜた布は、どう分類する?

関税率表(かんぜいりつひょう)の第11部の注2で、重さで一番多い繊維だけから成る物とみなして分類します。表に見える糸ではなく重さで決まり、一番多い物が無い時は、等しく考えられる項のうち番号が最後の項です。

税関検査(ぜいかんけんさ)では何をする?

輸入の申告があると、税関は書類を審査し、必要な時は荷そのものを検査して、申告どおりの物かを確かめます。関税などを納めると輸入が許可され、荷を引き取れます。

物語との違い

作中の「3台を選んで量る」は物語の決め方です。

輸入申告(ゆにゅうしんこく)には、何を書く?

品名・数量・価格、原産地と積み出した所、送り主などです。書類のほか NACCS でも申告でき、令和7年10月12日からは通信販売(つうしんはんばい)の荷かどうかも申告する項目になりました。

輸入の後にも、調べられる事はある?

あります。輸入が許可された後に申告が正しかったかを確かめる事後調査(じごちょうさ)で、日本では1968年1月に始まりました。

この話の用語

2種類以上の糸を混ぜた布の分類(第11部注2)漫画の中で見る
現実の事実関税率表(かんぜいりつひょう)では、2種類以上の繊維から成る糸・織物は、重さで一番多い繊維だけから成る物とみなして分類します(第11部の注2)。一番多い物が無い時は、等しく考えられる項のうち番号が最後の項です。表に見える糸ではなく、重さで決まります。
税関検査(ぜいかんけんさ)漫画の中で見る
現実の事実輸入の申告があると、税関は書類を審査し、必要な時は荷そのものを検査して、申告どおりの物かを確かめます。検査が要らない荷はそのまま次へ進み、関税などを納めると輸入が許可されます。検査で申告と違う物が見つかれば、正しい番号と税額に直されます。
絹織物(きぬおりもの)(第50類)漫画の中で見る
現実の事実現実の関税率表(かんぜいりつひょう)では、絹と絹の織物は第50類です。第50.07項の絹織物(絹ノイルの物を除く)の基本税(ほんぜい)率は、絹が全重量の85%以上の物も、それ以外の物も20%と書かれています(関税定率法の別表)。実際に使う率は、協定などで下がる物もあります。同じ布でも、何の糸が一番重いかで類と税率が変わります。
輸入申告(ゆにゅうしんこく)の申告事項(しんこくじこう)漫画の中で見る
現実の事実輸入する人は税関に、品名・数量・価格、原産地と積み出した所、送り主などを申告します。申告は書類のほか、NACCS(輸出入(ゆしゅつにゅう)・港湾関連情報処理(こうわんかんれんじょうほうしょり)システム)でもでき、令和7年10月12日からは通信販売(つうしんはんばい)の荷かどうかも申告する項目になりました。
事後調査(じごちょうさ)(今と昔)漫画の中で見る
現実の事実税関は、輸入が許可された後にも、申告が正しかったかを確かめる調査をします(事後調査)。日本の事後調査の制度は1968年1月に始まり、関税を自分で計算して申告する申告納税の制度(1966年10月)の後に置かれました。

出典

更新日:

この先のこと、自分のこと、いつもの AI に聞いてみてください。

この話の内容ごと、AI へGemini は、開いたら貼り付けてください。

AI に渡すまとめをコピー

AI に貼って、この話のことを相談してみてください。

トゥーンエルを、あなたの AI にMCP 対応無料読むだけ詳しい人向け

AI に追加して、ほかの話や用語も聞いてみてください。読むだけで、書き込みはしません。

https://tooneru.com/mcp

  1. 名前が「トゥーンエル」、URL が上の URL になっているのを見て、「続ける」を押してください。
  2. 認証は「サインインなし」のまま、「追加」を押してください。
  3. 「連携」か「連携させる」を押してください。
  4. 読み取り専用のツールを「常に許可」にしてください。

トゥーンエルを運営するH株式会社の道具です。

この話のあらすじ

翌朝、ベルク商会の荷車100台が峠を埋める。番頭ブルーノは、ただの麻布だから頭の目で通してほしいと言う。金袋を受け取ったのか、リオには分からない。だが頭はリオに「番を見ろ」と言った。リオの札には、麻の布と絹の布の2枚が揺れていた。混ぜた布は、一番重い糸の類で決まる。リオは100台を全部開けず、3台を選んで布の糸をほどき、天秤で量る。絹55、麻45。絹の布だった。商会の荷の税は、麻なら銀貨4,000枚、絹なら24,000枚。頭は懐から金袋を出してブルーノに押し返し、峠の値は帳で決めると言う。ブルーノは今回は払うと言うが、開けて量った分、峠の待ちは2日にのびた。日暮れ、ブルーノは、明日から商会の荷はこの峠を通らず港回りにすると言い放つ。王の会計官ザイフは、商会が来なければ、今月の税は通達の線に金貨320枚足りないと告げる。

作者

空車ノート

タクシーの配車や宅配、事故の後の示談、空港の欠航のカウンターのように、人と荷物と乗り物が動く仕事の現場を描いています。

この作品について

峠を越える荷が、何に当たるかで税が決まる。その分け方ひとつで、三日の列が動き出す面白さを味わえます。

空車ノートのほかの作品

この話を紹介する

話のバナー・サムネイル・紹介文・貼れる HTML素材を見る

通知

お気に入り(♡)の作品に新しい話が出た日に、1回だけお知らせが届きます。届く時刻を選んでください。

ログインは要りません。

届く時刻

お知らせ

お知らせの一覧

ホームに追加

    ログインは要りません。