第3話「動かない人は、いない人」
この

パタパタ
影山 透:います
います!
影山 透:仕事してます!
手は洗えるように
なった︒
次は︑部屋だ︒
振ると点く︒
座って打ち込むと︑
消える︒
これで3回目︒

総務部有坂 真帆
有坂 真帆:ぎゃああ!
出たあ!
影山 透:影山です
有坂 真帆:かげ︙︙
ああ!
影山くんか!
有坂 真帆:最近ね
7階の幽霊って
噂があって
有坂 真帆:誰もいないのに
パソコンだけ
光ってるって
影山 透:それ
僕です
有坂さんが席に来たのは︑
次の朝だった︒

会社員影山 透
有坂 真帆:ごめん!
先月うちが
つけたのよ

影山 透:僕
いたんですけど
有坂 真帆:だよねえ
おかしいなあ
うちの廊下︒土曜の夜︒

高校2年・
影山 ひかり:今度は
先に測るからね
影山 透:まだ気にしてる
影山 ひかり:してない
ノートには
書いてあるだけ
影山 ひかり:はい
そこに座って
動かないで


影山 透:また
いなくなった
影山 ひかり:ちょっとだけ
右手を上げて
影山 ひかり:︙︙点かないね
じゃあ今度は
大きく振って

影山 ひかり:わかった!
今度は
測ったから
影山 ひかり:これ
お兄ちゃんを
見てないの
影山 ひかり:見てるのは
熱の変化
なんだよ


影山 ひかり:人が動くと
赤外線の量が
揺れるの
影山 ひかり:でも動かないと
ずっと同じに
見えちゃう

影山 透:つまり
影山 透:動かない人は
いない人
影山 透:それ
僕の人生だ
影山 ひかり:違うよ

影山 ひかり:お兄ちゃんが
動かないのは
集中してるから
影山 ひかり:見落とすのは
この仕組み
でしょ?
影山 ひかり:直すのは
人じゃなくて
設定だよ
理科部の機械を借りて︑
週明けの夜の席を測った︒
次の朝︒総務部の前︒

影山 透:端っこで
待っていても
手は洗えない
影山 透:あのっ!

有坂 真帆:あ︑影山くん
どうしたの?

影山 透:夜の席の
明るさを
測りました
有坂 真帆:えっ
うちの基準
割ってる?
影山 透:消えるまでの
5分を
席のある所だけ
影山 透:30分に
できませんか

有坂 真帆:それ
すぐできるやつ
有坂 真帆:ありがとう
影山くん
今日は︑一回で
名前を呼ばれた︒
有坂 真帆:あ︑それと
来月から
入退室を変えるの

有坂 真帆:カードいらず
顔認証!
今日は試しね
顔認証顔を
影山 透:︙︙ですよね
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