第1話「どんなお仕事を、されてましたか」

ゴホッ
大学1年
元・
門脇 勝治:20段で
息が
切れるとは
のう
門脇 汐里:ちょっと
おじいちゃん!
門脇 勝治:なんでも
ない
祖父は︑
船の鉄の壁を︑
足場ひとつで
上った人だ︒
門脇 汐里:夏休みの
うちに

門脇 汐里:病院
行こう
門脇 勝治:大げさ
じゃ
門脇 汐里:もう
大げさで
いいの
昔の仕事が、今の病気に?
第1話「どんな
1週間後︒

岩永 佐和:胸に
水が
たまって
いました
岩永 佐和:門脇さん
岩永 佐和:若い頃
どんな
お仕事を?
門脇 勝治:ああ
船じゃ
門脇 勝治:造船所の
配管
岩永 佐和:船の中で
白い綿みたいな
物を
触りません
でしたか

門脇 勝治:毎日
巻きよった
50年前︒
凪浦船渠︒


若い頃の勝治:雪みたい
じゃのう
誰も︑マスクを
していなかった︒

岩永 佐和:石綿の病気は
吸ってから
岩永 佐和:何十年も
たって
出ることが
あります


門脇 汐里:えっ
50年︙︙?
岩永 佐和:検査の
結果を
合わせると

門脇 勝治:︙︙そうか

病院の
小柳 寧々:お仕事で
吸った
石綿が
原因なら
門脇 勝治:会社は
もう
無い
門脇 勝治:25年前に
潰れた
小柳 寧々:無くても
相談は

小柳 寧々:できます
小柳 寧々:労災に
当たらない人の
国の制度も
小柳 寧々:どこで何年
働いたかは
年金の記録で
分かることも
門脇 勝治:金の話は
ええ!

ガタッ
門脇 勝治:誰のせいにも
せん

帰り道︑祖父は
一度も
振り返らなかった︒
門脇 汐里:誰のせいとか
じゃなくて

門脇 汐里:おじいちゃんが
何をしてきたか
門脇 汐里:私は
知りたい
門脇 勝治:︙︙

門脇 勝治:知るだけ
なら
門脇 勝治:ええ
祖父の家の茶の間︒

門脇 汐里:どこで
働いたか
出るって
門脇 勝治:年金の
紙は
分からん

1966年4月〜1983年3月
門脇 汐里:あれ?
門脇 汐里:83年から85年まで
空いてる
門脇 汐里:この2年
どこに
いたの?

門脇 勝治:え︙︙
そんな
はずは
ない
門脇 勝治:その2年も
門脇 勝治:わしは
船の中に
おった

記録に無い
2年が︑
そこにあった︒
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