第2話「同じ時間に、5社」
この

土曜の
査定は︑5社とも
同じ時間にしてもらった︒
1社ずつ会うのは︑
怖かったから︒

笠井 奈緒:うわ︙︙
5人も来ると
こんなに
圧があるんだ

ほかの店の査定員:今日中に
お返事なら
いちばん高く
出しますよ!

笠井 奈緒:今日は
見てもらう
だけです
三浦 拓海:車を
見ても
いいですか
査定員が見るのは︑
色や傷だけじゃない︒


三浦 拓海:あれ
ここだけ
すき間が広い

三浦 拓海:あの
お父さん
笠井 寛治:︙︙さあな
覚えてねえ

〈置いていった

笠井 奈緒:三浦さん
の所は?
三浦 拓海:すみません
今日は
紙に
書けなくて︙︙
笠井 奈緒:えっ
どうしてですか
三浦 拓海:お父さんに
聞きたいことが
あって

権藤 誠一(電話の声):おい三浦!
権藤 誠一(電話の声):ほかの4社は
もう紙を
置いてったろ
なんで
書かないんだ
三浦 拓海:でも
お父さんが
まだ何も
言ってなくて
権藤 誠一(電話の声):売るのは
娘さんだろ
夕方までに
戻ってこいよ
夕方︒

笠井 寛治:あんた
ほかの人と
見る所が
違ったな
三浦 拓海:あはは︙︙
店長には
見すぎだって
言われます

笠井 寛治:前のほうの
あの直しはな
笠井 寛治:この車で
最後に
妻を病院へ
送った夜のだ


その話を︑
私は知らなかった︒
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