第3話「今日決めてくれたら」
この
週明けの朝︒
駅の裏の買取の店︒

権藤 誠一:あのセダン
今日決まれば
木曜の市に
出せるんだ
三浦 拓海:でも
お父さんは
まだ︙︙

権藤 誠一:夕方もう一回
行ってこい
「今日なら
この値段で」
ってな
権藤 誠一:来週になると
同じ型の車が
三浦 拓海:あの前の直し
奥さんを
病院へ送った
夜のだそうです
権藤 誠一:そうか
権藤 誠一:でもな
それで値段は
変わらねえんだ
同じ日の昼︒
奈緒の会社の休憩室︒

笠井 奈緒:お兄ちゃん
査定の紙
4社分
そろったよ
奈緒の兄(電話の声):父さんも
もう
乗らないんだし
笠井 奈緒:でも︙︙
お父さん
あの車のこと
何も
言わないの

会社員。
同僚:あ︑うちはね
新しい車の
お店で
引き取って
もらったよ
笠井 奈緒:え
買取とは
違うの?
同僚:そうそう
新しい車から
引いてもらう
感じ
同僚:手間が
かからないから
それにしたの
夕方︒
笠井家の門︒

三浦 拓海:土曜の査定
お持ち
しました
42万円です

笠井 奈緒:えっ
いちばん
高い︙︙
三浦 拓海:それで︙︙
店長が
今日決めたら
この値段でと

三浦 拓海:来週は
同じ型の車が
たくさん
出るそうで︙︙

笠井 奈緒:お父さん
今日も
何も
言わない︙︙


権藤 誠一(電話の声):三浦!
決まったか
三浦 拓海:︙︙まだです
権藤 誠一(電話の声):「今日なら」
ってちゃんと
言ったろうな


三浦 拓海:笠井さん
今日は
決めないで
ください

笠井 奈緒:︙︙え?

権藤 誠一(電話の声):おい三浦!
聞こえてんのか
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