第3話「請求書、見た?」
この

食品工場の
野上 千晴:来たじゃない
野上 善行:半日だ
野上 善行:午後は
ラインに
戻る
野上 千晴:もう
再検査、行ってないでしょ
第3話

医師:先日
取った物の
結果です
医師の話は︑
半分も耳に入らなかった︒
医師:入院して
医師:手術を
しましょう


野上 善行:︙︙そうですか
野上 善行:いくら
かかりますか
医師(画面の外の声):入院の
窓口で
説明します
病気の事より先に︑
父はお金を聞いた︒
その夜︒
実家の居間︒

実家に
野上 和子(画面の外の声):ごはんも
お金
かかるのね
野上 善行:大部屋で
いい
野上 千晴:入院の間
工場は
どうするの
野上 善行:手術の日
だけ
休む
野上 和子:またそんな
こと言って
翌週︒入院の手続き︒
父は工場を休めず︑
母と千晴で来た︒

入院の窓口の人:あいにく
大部屋が
空いて
いなくて
〈特別療養環境室
野上 和子:はいはい


ガシッ
野上 千晴:待って!
野上 千晴:サインは
しないで
野上 和子(画面の外の声):あらまあ

野上 千晴:大部屋が
満床で
個室なら
野上 千晴:差額は
かからない
ですよね
入院の窓口の人:失礼
しました
入院の窓口の人:室料は
いただき
ません
差額ベッド代︑0円︒

野上 和子:千晴が
いて
よかった
野上 千晴:調べた
だけ
帰りに︑
会計の窓口で︒
野上 千晴:入院の
費用の目安
ありますか

野上 和子:18万︙︙

野上 和子:うちね
去年
屋根を直して
野上 和子:貯金
あんまり
ないのよ
母がお金の事を言うのを︑
千晴は初めて聞いた︒
野上 千晴:︙︙そっか
野上 和子:領収書は
全部
とってあるのよ
その夜︒

野上 和子:お父さん
請求書
見た?
野上 善行:見た
野上 善行:手術は
野上 善行:年が明けて
からだ
野上 千晴:なんで!

野上 善行:年末に
ボーナスが
出る
野上 善行:それまで
休めねえ

18万円︒
父は︑それを
ひとりで払う気だ︒
野上 千晴:ほんとに
全部
払うの?
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