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第2話「山の線は、動かない」

この物語はフィクションです。写真店・人物・作中の写真は架空で、花火大会は実在の大会です。

古い写真。夜の川の上に開いた花火。その奥に、雪をかぶった山の尾根の線がうっすらと白く浮かぶ。手前に、コートとマフラーの人たちの黒い後ろ姿。フィルムの粒子。

雪をかぶった山と︑
花火︒

ミツギ写真に︑
長野から封筒が届いた︒

杉浦 七海(電話の声):あの
母が昔
長野で撮った
写真なんです

杉浦 七海(電話の声):私
今年の春から
長野に
転勤してて

夕方のワンルームの窓辺。遠くの山が見える部屋で、スマホを耳に当てて話す若い女性。部屋に段ボールが少し残っている。

依頼人(長野に転勤して半年)杉浦 七海

杉浦 七海:母を
呼びたくて
同じ場所に

カウンターで、封筒から出した写真をルーペで見る店主。スマホをスピーカーにして横に置いている。

三ツ木 遥:︙︙冬の花火

ルーペ越しの写真の寄り。人の口元から白い息、厚いコート。奥の山の頂は白い。

三ツ木 遥:山に雪
みんな
コートを
着てる

三ツ木 遥:11月の
長野えびす講
煙火大会

ですね

長野えびす講(えびすこう)煙火大会(えんかたいかい)の解説

現実の事実長野市で11月に開かれる花火大会(はなびたいかい)です。2026年は第120回で、11月23日(月・祝)18時に打上げを始めます。会場は長野大橋西側の犀川(さいがわ)第2緑地、主催は長野商工会議所(しょうこうかいぎしょ)です。主催者は「全国でも珍しい11月の花火大会」と紹介しています。

なぜ「えびす講」? なぜ11月?
えびす講は、長野市岩石町の西宮神社で11月18日から20日に行われる御祭礼(ごさいれい)です。主催者の説明では、明治32年(1899年)に、長野市の商工業の発展を願って、えびす講に合わせた「長野市煙火大会」が始まりました。

出典

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三ツ木 鉄郎:ほう
花火を
煙火と書く
大会だな

煙火(えんか)の解説

現実の事実煙火(えんか)は、花火のことです。火薬類取締法(かやくるいとりしまりほう)は、火薬や爆薬を使った「火工品(ひこうひん)」の一つとして「煙火」を挙げ、おもちゃとして使う物を「がん具煙火」と呼んでいます(第2条)。

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写真の奥の山の寄り。手前の低い尾根と、奥の高い白い尾根が重なる所に、細い白い線が2本引かれている。

三ツ木 遥:山は
動かない

三ツ木 遥:手前の尾根と
奥の尾根の
重なり方で

机に広げた等高線の地図の上に、定規を当てて線を引く店主の手。横にルーペ。

三ツ木 遥:立ってた方角が
決まるんです

〈推理 2枚目の写真〉季節:山の頂に雪・人はコート → 11月大会:長野えびす講煙火大会方角:手前と奥の尾根の重なり方から、会場を見た向き距離:花火の開いた大きさから、会場から少し離れた所

杉浦 七海(電話の声):でも母は
「寒いし
混むし」
って︙︙

大会まで︑あと7日︒

読み取りの機械の画面に、写真の右の端を大きく映した所。写真の端に、手袋をはめた別の人の手が、湯気の立つ水筒のふたを差し出している。

三ツ木 遥:あ
この写真
端に
もう1人の
手が写ってる

三ツ木 遥:お母さん
1人じゃ
なかったんだ

杉浦 七海(電話の声):︙︙父です
たぶん

杉浦 七海(電話の声):父と初めて
2人で行った日
だって

杉浦 七海(電話の声):父が
亡くなってから
「1人で見たら
寒いから」
って︙︙

三ツ木 遥:ただ︙︙

三ツ木 遥:同じ方角の
無料の場所は
混むと入れない
ことも
あって

無料観覧(むりょうかんらん)エリアとサテライト会場の解説

現実の事実主催者は、無料観覧エリアは大変な混雑が予想され、混雑の状況によっては入場できない場合があるとして、サテライト会場での観覧(かんらん)や公式 YouTube のライブ配信も勧めています。2026年の無料観覧エリアは11月23日(月・祝)午前10時に開場し、それより前の場所取りは撤去されます。

トイレは?
主催者は、無料観覧エリアの中にトイレはなく、入ると外に出にくいので、入る前に済ませるよう案内しています。

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三ツ木 遥:見える
とは
言えません

三ツ木 遥:でも
同じ方角なら
探せます
入れなくても
配信があるし

カウンターでスマホに向かって話しかける店主。少しだけ笑っている。

三ツ木 遥:今年は
2人で

夜のワンルームの窓辺。スマホの画面を見て、ほっとしたように笑う若い女性。窓の外に暗い山の線。

杉浦 七海:︙︙母
来るって︙︙!

その夜︒暗室︒

赤い灯だけの暗室。現像の液の皿に沈んだ印画紙に、像が浮かび始めている。全体が赤い一色。
細い横の帯の寄り。赤い灯の下の印画紙。夜の地面に、並んで伸びる2つの人の影。暗室の窓ぎわで、背を向けて立つ老人。その後ろで、乾かした写真を手に持つ店主。

「1978」のネガの、
2コマ目。

撮った人の影が︑
2つ︒

三ツ木 遥:おじいちゃんが
撮った場所を
私は
一つも
知らない︙︙

三ツ木 遥:ねえ
おじいちゃん
もう1人は
誰なの?

三ツ木 鉄郎:︙︙寝る

第2話「山の線は、動かない」

つづく

お気に入りから外しますか?

その花火、どこから撮った?

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あなたネガに影が2つ写っていた後を考えたい

AI遥が祖父の撮った場所を、山の線と影の向きから探す話にすると、今回の割り出し方をそのまま使えます。祖父が「寝る」と逃げた理由を、遥が無理に聞かない形にもできます。

あなた影から場所を探す場面を

AI遥「影が長い……朝か夕方。おじいちゃん、この日、誰と出かけたの」

送る質問あらすじを踏まえて、次の話の展開を一緒に考えて

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この話で分かること

長野えびす講(えびすこう)煙火大会(えんかたいかい)の花火は、どこから見える?

作中では、写真の手前と奥の山の尾根の重なり方から、撮った人の立っていた方角を割り出しました。山は動かないので、同じ重なりの見える方角は、何年たっても変わりません。ただ、その方角の場所に入れるかは別の話で、主催者は無料観覧(むりょうかんらん)エリアのほか、サテライト会場やライブ配信も案内しています。

条件・例外

無料観覧エリアは、混雑の状況によっては入場できない場合があると主催者は案内しています。

物語との違い

作中の写真と撮った場所は架空です。

長野えびす講(えびすこう)煙火大会(えんかたいかい)は、いつ・どこで開く?

2026年は第120回で、11月23日(月・祝)18時に打上げを始めます。会場は長野大橋西側の犀川(さいがわ)第2緑地、主催は長野商工会議所(しょうこうかいぎしょ)です。主催者は「全国でも珍しい11月の花火大会(はなびたいかい)」と紹介しています。

なぜ、11月に花火大会(はなびたいかい)?

えびす講(えびすこう)は、長野市岩石町の西宮神社で11月18日から20日に行われる御祭礼(ごさいれい)です。主催者の説明では、明治32年(1899年)に、長野市の商工業の発展を願って、えびす講に合わせた「長野市煙火大会(えんかたいかい)」が始まりました。

無料で見られる場所は、入れる?

主催者は、無料観覧(むりょうかんらん)エリアは大変な混雑が予想され、混雑の状況によっては入場できない場合があるとして、サテライト会場での観覧(かんらん)や公式 YouTube のライブ配信も勧めています。2026年の無料観覧エリアは11月23日(月・祝)午前10時に開場し、それより前の場所取りは撤去されます。

「煙火(えんか)」とは?

花火のことです。火薬類取締法(かやくるいとりしまりほう)は、火薬や爆薬を使った「火工品(ひこうひん)」の一つとして「煙火」を挙げています(第2条)。

この話の用語

長野えびす講(えびすこう)煙火大会(えんかたいかい)漫画の中で見る
現実の事実長野市で11月に開かれる花火大会(はなびたいかい)です。2026年は第120回で、11月23日(月・祝)18時に打上げを始めます。会場は長野大橋西側の犀川(さいがわ)第2緑地、主催は長野商工会議所(しょうこうかいぎしょ)です。主催者は「全国でも珍しい11月の花火大会」と紹介しています。
煙火(えんか)漫画の中で見る
現実の事実煙火(えんか)は、花火のことです。火薬類取締法(かやくるいとりしまりほう)は、火薬や爆薬を使った「火工品(ひこうひん)」の一つとして「煙火」を挙げ、おもちゃとして使う物を「がん具煙火」と呼んでいます(第2条)。
無料観覧(むりょうかんらん)エリアとサテライト会場漫画の中で見る
現実の事実主催者は、無料観覧エリアは大変な混雑が予想され、混雑の状況によっては入場できない場合があるとして、サテライト会場での観覧(かんらん)や公式 YouTube のライブ配信も勧めています。2026年の無料観覧エリアは11月23日(月・祝)午前10時に開場し、それより前の場所取りは撤去されます。

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更新日:

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この話のあらすじ

長野に転勤して半年の杉浦 七海が、母が昔長野で撮った花火の写真を送ってくる。母を同じ場所に呼びたい。遥は、山の頂の雪と人のコートから11月の長野えびす講(えびすこう)煙火大会(えんかたいかい)と割り出し、手前と奥の尾根の重なり方から、撮った人の立っていた方角を決める。山は動かない。だが母は「寒いし、混むし」と来たがらない。遥は写真の端に、もう1人の手が写っているのに気づく。母が亡くなった父と初めて2人で行った日の写真だった。無料の場所は混むと入れないこともある。それでも同じ方角なら、と遥は言い、母は来ると決める。その夜、「1978」のネガの2コマ目には、撮った人の影が2つ写っていた。

作者

ハナビミエル開発者

花火が見える可能性を地図で探すサービス、ハナビミエルを作っています。花火の見え方を調べる中で気づいた事を、漫画にしています。

この作品について

花火の大きさや重なり、手前の景色から撮った場所を絞り込む手がかりと、大会ごとの見え方の違いを、謎解きを追いながら覚えられます。

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