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第2話「ユウキと同じ中学」

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・店は架空です。

朝の食卓。手前に、眉を寄せて目を伏せる母親の顔とマグカップ。奥で、男の子が椅子に手を掛けて立ちかけ、目をそらしている。

「ユウキと同じ中学には、行きたくない」のすぐあと。

北村 加奈子:ユウキくんと
何か
あったの?

北村 奏汰:︙︙別に

北村 奏汰:ごちそうさま

朝の廊下。閉まったばかりの子ども部屋のドア。ドアに貼った星座の早見表が、まだ揺れている。廊下の手前に、追いかけてきた母親の手。

バタン

北村 加奈子:「別に」の
顔じゃ
なかったよね

〈加奈子の教育費のメモ〉残高:182万円塾:まだ申し込んでいない奏汰:「ユウキと同じ中学には、行きたくない」(理由は言わない)

居間のソファの背もたれの上から、父親が目から上だけを出して、こちらをうかがっている。

北村 徹:︙︙聞こえてた

北村 加奈子:えっ
いつから?

北村 徹:「みんなって
誰よ」から

北村 加奈子:ほぼ
最初から
じゃん

北村 徹:あのさ

北村 徹:俺が
聞いて
みようか

北村 加奈子:え
あなたが?

ソファの父親が座り直し、背もたれに腕を掛けて、照れくさそうに頭をかく。

奏汰の父・会社員(42)北村 徹

北村 徹:お金の話じゃ
ないんだろ

北村 徹:なら
俺の出番

日曜の夕方︒
近所の公園︒

夕方の公園の広場。父親と男の子がキャッチボールをしている。遠くに団地と、薄く出た昼の月。

小学5年(11)北村 奏汰

北村 徹:ユウキって
どんな子?

北村 奏汰:︙︙4年までは
いちばん
仲よかった

北村 奏汰:今年の春に
理科の発表で
星の話を
したんだ

北村 奏汰:ぼく
好きな話だと
早口に
なるでしょ

5年の春︒教室︒

教室。机の間で、日に焼けた短い髪の男の子が、両手を口の前でぱたぱた動かし、早口のまねをして笑っている。後ろの席の子たちが振り向く。

奏汰の同級生(11)ユウキ

ユウキ:出た
早口博士!

黒板の前で、星座の図を持ったまま固まる男の子の寄り。口が半分開いている。教室の机の列。子どもたちが口を開けて笑っている寄り。

ドッ

夕方の公園。ボールを持ったまま、うつむいて止まる男の子の寄り。

北村 奏汰:それから
ずっと
「博士」って
呼ばれてる

北村 奏汰:ユウキ
4年の
終わりから
なんか
変わったんだ

北村 徹:変わった?

北村 奏汰:わかんない

夕方の公園。息子の肩越しに、ボールを手にした父親が少しかがみ、目を伏せて黙って聞いている。

北村 奏汰:中学も
同じメンバー
でしょ

北村 奏汰:3年間
あれは
やだ

北村 徹:そっか︙︙

北村 徹:言ってくれて
ありがとな

北村 奏汰:お母さんに
言っていいよ

北村 奏汰:ぼくからは
言えないから

北村家の食卓︒

夜の食卓を上から見る。父親が身ぶりをまじえて話し、向かいの母親が額に手を当てている。間に電卓とロール紙。

北村 加奈子:博士︙︙

北村 加奈子:で︑私には
「別に」︙︙

北村 徹:言いにくい
んだよ
母さんには

北村 加奈子:︙︙よし

母親の寄り。眼鏡をかけ、ノートパソコンの画面の光を受けて、画面を読む(画面の字は読めない)。

北村 加奈子:行く中学って
住所で
決まるんだっけ

〈市の教育委員会のページ〉市立の中学校は、住んでいる所の学区で決まります決まった学校は、いじめへの対応・通学の事情などで、申し立てて変えられることがあります(就学校の変更)

通学区域(つうがくくいき)(学区(がっく))の解説

現実の事実市町村(しちょうそん)の教育委員会が、住所ごとに、通う公立の小学校(しょうがっこう)・中学校(ちゅうがっこう)を決めておく区域のことです。教育委員会は、入学する子どもの保護者に、入学の期日とともに通う学校を知らせます(学校教育法施行令 第5条)。引っ越すと、通う学校も変わることがあります。

学区の外の学校には通える?
市町村の中の別の学校へ指定を変える「就学校(しゅうがくこう)の変更」や、別の市町村の学校へ通う「区域外就学」があります。どちらも、教育委員会が認めた時にできます。

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就学校(しゅうがくこう)の変更の解説

現実の事実教育委員会が指定した公立の小学校(しょうがっこう)・中学校(ちゅうがっこう)を、保護者の申し立てで、市町村(しちょうそん)の中の別の学校に変えてもらう手続きです(学校教育法施行令 第8条)。文部科学省は、いじめへの対応・通学の便・部活動などを理由にできると示しています。

どこに申し立てる?
住んでいる市町村の教育委員会です。変えられる場合の要件と手続きは、市町村ごとに決めて公表することになっています(学校教育法施行規則 第33条)。
いじめの時は、学年の途中でもいい?
文部科学省は、いじめられた子どもや保護者が望む時は、新入学の時か学年の途中かにかかわらず、変更を十分に考えるよう求めています。

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北村 加奈子:へえ︙︙
変えられる
ことも
あるんだ

北村 加奈子:でも
奏汰は
「やだ」って
言っただけ

北村 徹:受験ってさ
私立だけ?

北村 徹:会社の
後輩の子
公立の
中高一貫に
行ったって

北村 加奈子:え
公立の
中高一貫?

〈文部科学省「中高一貫教育」〉中学と高校の6年間をつなげて学ぶ学校。1999年4月からの仕組み形は3つ:中等教育学校・併設型・連携型公立の中等教育学校と併設型の中学校は、入学に学力検査を行わない

中高一貫教育(ちゅうこういっかんきょういく)の解説

現実の事実中学校(ちゅうがっこう)と高等学校の6年間をつなげて、計画的に学ぶ仕組みです。1999年(平成11年)4月から選べるようになり、国公私立あわせて673校があります(令和4年5月現在)。高校の入試をはさまずに6年間を過ごせる学校が多くあります。

3つの形の違いは?
中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)は、1つの学校で6年間を通して教えます。併設型は、同じ設置者の中学校と高等学校を、高校の入試をせずにつなげます。連携型は、市町村(しちょうそん)立の中学校と都道府県(とどうふけん)立の高校のように、設置者が違う学校どうしが教え方や交流でつながります。

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中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)の解説

現実の事実中学校(ちゅうがっこう)と高等学校の6年間を、1つの学校として通して教える学校です。前の3年を前期課程、後の3年を後期課程と呼びます。公立の中等教育学校は、入学する人を決める時に学力検査を行わないと決まっています(学校教育法施行規則 第110条)。

公立の中高一貫校の学区は?
中等教育学校や併設型の中学校は、ふだんの市町村(しちょうそん)立の中学校とは別に置かれるので、通える区域もふだんの学区とは別に決められます。

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母親の寄り。画面の光の中で目を見開き、思わず身を乗り出す。眼鏡に画面の光が映る。

〈公立の中高一貫校〉中学の3年間:授業料はかからない(公立の中学と同じ)入学する人の決め方:作文・面接・適性検査などを組み合わせる(学校ごと)

公立の中学校(ちゅうがっこう)の授業料(じゅぎょうりょう)の解説

現実の事実国立・公立の小学校(しょうがっこう)・中学校と、中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)の前期課程では、義務教育の授業料を取ることができないと法律で決まっています(学校教育法 第6条)。公立の中高一貫校でも、中学にあたる3年間は授業料がかかりません。給食費・教材費・修学旅行費などは別にかかります。

後の3年間(高校にあたる所)は?
公立の中等教育学校の後期課程は授業料がかかりません。公立以外の学校の後期課程は、高校と同じく就学支援金の対象です(文部科学省の中高一貫教育(ちゅうこういっかんきょういく)Q&A)。

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適性検査(てきせいけんさ)の解説

現実の事実公立の中高一貫校で、入学する人を決めるために行う検査の呼び名です。学力検査(教科のテスト)の代わりに、資料を読んで考えたことを書くなど、学ぶ力や意欲をみる問題が多く出ます。東京都立の学校では、報告書と、面接・作文・適性検査などを組み合わせて決めます。

いつ行われる?
東京都立の中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)・中学校(ちゅうがっこう)の令和9年度の入学者の決定では、一般枠の検査は令和9年2月3日です。日程・中身は都道府県(とどうふけん)や学校ごとに違うので、募集要項で確かめます。

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北村 加奈子:うそ
授業料
0円!?

北村 加奈子:私立の3年で
467万
だったのが︙︙

北村 徹:え︑何
何万?

北村 加奈子:今度は
安い方の
話!

北村 徹:安い方なら
もっと
聞きたい

夜の食卓の手元の寄り。母親が方眼のノートに、ペンで細く枝分かれする線を書いている(字は読めない)。奥に電卓と赤いロール紙。

〈加奈子のノート〉1. 学区の市立中学(ユウキと同じ)2. 公立の中高一貫校(適性検査。授業料はかからない)3. 私立中学(3年で約467万円)入試まで:あと1年4か月

北村 加奈子:受験する
しないの
2つじゃ
なかった

北村 加奈子:選べる道
3つ

北村 加奈子:でも
決めるのは
奏汰

〈塾の案内〉無料の体験授業:土曜 午後2時理科「月はなぜ形を変える?」

北村 加奈子:月︙︙

北村 加奈子:星
好きだったよね

月曜の朝︒

朝の廊下。閉じた子ども部屋のドアの前で、母親が電卓を持たずに、塾の案内の紙だけを持って立ち、ドアの取っ手に手を伸ばしている。

北村 加奈子:奏汰
ちょっといい?

北村 加奈子:お金の話じゃ
ないから

北村 加奈子:1回だけ
体験授業
行って
みない?

北村 加奈子:理科で
月の話
だって

北村 奏汰(画面の外の声):︙︙1回だけね

土曜の午後︒
塾の教室︒

塾の教室を廊下から広く見る。手前で、母親がガラス窓越しに教室をのぞく横顔。教室のいちばん後ろの席で、男の子が小さくなって座っている。
教室の前。30代の男の先生が、片手に電球のスタンド、片手に白いボールを持ち、ボールに光を当てて見せている。

塾の理科の講師(34)楠 誠

楠 誠:月って
どうして
形が
変わる?

楠 誠:分かる人
いる?

北村 奏汰:知ってる︙︙

教室で、後ろの席の男の子が勢いよく立ち上がり、身ぶりをまじえて話し出す。下から見上げる角度。先生の寄り。ボールを持ったまま目を丸くしている。

北村 奏汰:月は
自分で
光ってなくて

北村 奏汰:太陽の光が
当たってる所が
見えてて

北村 奏汰:だから
光ってる側に
太陽が
あって︙︙!

北村 奏汰:あ︙︙

北村 奏汰:また
早口︙︙

教室の子どもたちが、いちばん後ろの席の方へ振り向いて見ている。笑っている子はいない。

楠 誠:おお︙︙
いいね

楠 誠:その早口
頭の回転に
口が
追いついて
ないんだ

楠 誠:ここでは
早口
大歓迎

男の子の寄り。照れくさそうに、でもはっきり笑っている。窓からの午後の白い光。

北村 加奈子:あんな顔
久しぶりに
見た

北村 奏汰(画面の外の声):お母さん

塾の玄関。男の子が、母親のコートの袖をつかんで見上げている。母親の手には、入塾の案内の封筒。

北村 奏汰:ぼく
ここ
行きたい

〈入塾のご案内〉5年 中学受験コース:月謝 月8万円6年:月謝が上がる夏期講習・冬期講習・志望校別の講座:別

北村 加奈子:講習
別︙︙

〈加奈子の教育費のメモ〉残高:182万円塾:入塾の申込書を、持ち帰った奏汰:「ここ、行きたい」

北村 加奈子:︙︙よし

第2話「ユウキと同じ中学」

つづく

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塾代、月8万円

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AI公立の中高一貫校を受けると決めた家で、塾をどうするかがまた出てきます。加奈子が費用の表を作り直す話と、奏汰がユウキに自分で言う話を並べられます。

あなた奏汰がユウキに言う方で

AI奏汰「ぼく、別の中学、受ける。……博士って呼ばれるの、いやだった」

送る質問あらすじを踏まえて、次の話の展開を一緒に考えて

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この話で分かること

公立の中高一貫校とは? 私立とどう違う?

中学校(ちゅうがっこう)と高等学校の6年間をつなげて学ぶ学校で、1999年4月からある仕組みです。公立の中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)と併設型の中学校は、入学に学力検査を行わず、中学にあたる3年間は授業料(じゅぎょうりょう)がかかりません。私立の中学校は授業料がかかり、文部科学省の調査では私立中学校の1年の学習費総額(がくしゅうひそうがく)は約156万円です。

条件・例外

入学する人の決め方(作文・面接・適性検査(てきせいけんさ)など)と日程は、都道府県(とどうふけん)・学校ごとに違います。給食費・教材費・修学旅行費などは公立でもかかります。

適性検査(てきせいけんさ)とは?

公立の中高一貫校が、教科の学力検査の代わりに行う検査の呼び名です。資料を読んで考えた事を書くなど、学ぶ力や意欲をみます。東京都立の学校では、報告書と、面接・作文・適性検査などを組み合わせて入学する人を決めます。

行く公立中学は、学区(がっく)で決まる? 変えられる?

市町村(しちょうそん)の教育委員会が、住所ごとに通う学校を指定します。指定された学校は、いじめへの対応・通学の便・部活動などの理由で、保護者が申し立てて市町村の中の別の学校に変えてもらえる場合があります(就学校(しゅうがくこう)の変更)。

条件・例外

変えられる場合の要件と手続きは、市町村ごとに決めて公表されています。住んでいる市町村の教育委員会で確かめてください。

物語との違い

作中の「市の教育委員会のページ」は作中の物です。

塾代は、何年生から増える?

文部科学省の令和5年度の調査では、公立小学校(しょうがっこう)の1年間の学習塾費(がくしゅうじゅくひ)(全員の平均)は、3年生 約4万6千円・4年生 約8万1千円・5年生 約10万7千円・6年生 約14万5千円で、学年が上がるほど増えます。私立小学校の6年生は約44万3千円で、全部の学年でいちばん多い額です。

物語との違い

作中の塾の「月8万円」は、作中の塾の物です。

この話の用語

通学区域(つうがくくいき)(学区(がっく))漫画の中で見る
現実の事実市町村(しちょうそん)の教育委員会が、住所ごとに、通う公立の小学校(しょうがっこう)・中学校(ちゅうがっこう)を決めておく区域のことです。教育委員会は、入学する子どもの保護者に、入学の期日とともに通う学校を知らせます(学校教育法施行令 第5条)。引っ越すと、通う学校も変わることがあります。
就学校(しゅうがくこう)の変更
現実の事実教育委員会が指定した公立の小学校(しょうがっこう)・中学校(ちゅうがっこう)を、保護者の申し立てで、市町村(しちょうそん)の中の別の学校に変えてもらう手続きです(学校教育法施行令 第8条)。文部科学省は、いじめへの対応・通学の便・部活動などを理由にできると示しています。
中高一貫教育(ちゅうこういっかんきょういく)漫画の中で見る
現実の事実中学校(ちゅうがっこう)と高等学校の6年間をつなげて、計画的に学ぶ仕組みです。1999年(平成11年)4月から選べるようになり、国公私立あわせて673校があります(令和4年5月現在)。高校の入試をはさまずに6年間を過ごせる学校が多くあります。
中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)
現実の事実中学校(ちゅうがっこう)と高等学校の6年間を、1つの学校として通して教える学校です。前の3年を前期課程、後の3年を後期課程と呼びます。公立の中等教育学校は、入学する人を決める時に学力検査を行わないと決まっています(学校教育法施行規則 第110条)。
公立の中学校(ちゅうがっこう)の授業料(じゅぎょうりょう)漫画の中で見る
現実の事実国立・公立の小学校(しょうがっこう)・中学校と、中等教育学校(ちゅうとうきょういくがっこう)の前期課程では、義務教育の授業料を取ることができないと法律で決まっています(学校教育法 第6条)。公立の中高一貫校でも、中学にあたる3年間は授業料がかかりません。給食費・教材費・修学旅行費などは別にかかります。
適性検査(てきせいけんさ)
現実の事実公立の中高一貫校で、入学する人を決めるために行う検査の呼び名です。学力検査(教科のテスト)の代わりに、資料を読んで考えたことを書くなど、学ぶ力や意欲をみる問題が多く出ます。東京都立の学校では、報告書と、面接・作文・適性検査などを組み合わせて決めます。

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更新日:

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この話のあらすじ

「ユウキと同じ中学には、行きたくない」と言った奏汰(11)は、母の加奈子(39)には「別に」としか言わない。父の徹(42)は「お金の話じゃないなら、俺の出番」と、公園のキャッチボールで理由を聞く。4年まで親友だったユウキに、5年の春の理科の発表で星の話を早口でした事をまねされ、それから「博士」と呼ばれている。中学も同じ顔ぶれになるのが嫌だった。夜、話を聞いた加奈子は、市立の中学校(ちゅうがっこう)が学区で決まる事と、申し立てで学校を変えられる場合がある事、そして公立の中高一貫校では中学の3年間の授業料(じゅぎょうりょう)がかからず、入学に学力検査でなく適性検査(てきせいけんさ)などを使う事を知る。選べる道は3つあった。土曜、加奈子に誘われて理科の体験授業に出た奏汰は、月の形が変わるわけを早口で答え、先生に「早口、大歓迎」と言われて笑う。帰り際、奏汰は母の袖をつかんで言う。「ぼく、ここ、行きたい」。

作者

トゥーンエル編集部

トゥーンエルを運営する H株式会社の編集部です。ミステリーや家族の物語など、仕事の題材に限らない作品を作っています。

この作品について

中学受験に1年でいくらかかるのか、私立と公立でその後の学費がどれだけ違うのか、使える支援と奨学金は何かを、家計の表を作りながら一緒に数えられます。

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